というわけで今回は、LPSの飼育におすすめなライトを7シリーズ紹介していきます。
本記事で分かること
・LPSにはどんなライトが必要か
・おすすめのライト
・各ライトの特徴、値段、使い方等
どんなライトが必要なのか
LPSは基本的に強い光を必要としない種類が多いですが、「色揚げ」を行うためには青や紫といった波長を必要とします。
これはどのLPSにも共通する傾向で、ほとんどすべてのLPSは「光量」よりも「適切な波長の光」を要求します。
特にLPSの色揚げには、光が最も重要です。
サンゴは体内に蛍光タンパク質を持ち、この蛍光タンパク質は、高エネルギーな光を受けてより低エネルギーな光を放ちます。
これは高すぎるエネルギーの光から、サンゴの体を守るためと言われています。
光は赤色に近づくほどエネルギーが低く、紫色に近づくほどエネルギーが高くなります。紫外線は紫よりももっとエネルギーが高いです。
←低 エネルギー 高→
赤外線 赤橙黄緑淡青青紫 紫外線
もっと簡単に言うと、サンゴは紫外線や紫色、青色などの強い光から体を守るために、この強い光を受けて、より弱い光である緑色や黄色の美しい蛍光色を放つのです。
したがって、意図的に青色や紫色の光を当てて、サンゴの蛍光発色を強化するのが「色揚げ」です。
具体的に必要とされる波長は「紫外線:370nm」「紫:380-430nm」「青:430-490nm」などです。
ライトを選ぶ際には、このような波長を持つライトを選ぶことをおすすめします。
おすすめのライト
オプティマス リーフナノ2
アームを用いて水槽に設置するタイプのライトです。
光はブルー、ホワイトそれぞれのチャンネルで10段階の調節ができ、消費電力も33Wと光量が高いことが分かります。
タイマー機能があり、6時間、10時間、12時間のいずれかで点灯時間を設定できます。
対応水槽は30〜60cmと幅広くはないですが、とにかく見た目がカッコよく、光の波長もよく考えられており細かい調節も可能なのでソフトコーラルやLPSの飼育、演出には非常に向いたライトです。
欲しい性能がシンプルにまとまっていて、見た目もカッコよく、小型水槽においては真っ先におすすめできるLEDです。
▼オプティマスリーフナノ2
NEMO LIGHT(ニモライト)
ネモライトはマーフィードさんから販売されているシステムLEDです。
消費電力24Wの30-45cm水槽用、48Wの45-60cm水槽用、96Wの90-120cm水槽用があります。
バータイプとしても設置できますし、専用の吊り下げワイヤーキットを使うことで天井やハンガーなどに吊り下げることも可能です。
光はブルー20段階、ホワイト20段階の合計400段階以上の調節ができます。
24時間自動で朝の日の出から夜の月光までの光を再現してくれるモードと、自分好みに調節・設定できるマニュアルモードがあります。
その性能に対して値段が比較的安く、コスパが非常に良い商品です。
海水水槽用は「アクアマリン」です。
▼30-45cm水槽用
▼45-60cm水槽用
▼専用吊り下げワイヤーキット
Vital waveⅡ(バイタルウェーブ2)
バイタルウェーブ2はブルーハーバーさんから販売されているスポットタイプのライト。
照射角が50°と狭めで、単体ではそこまで光量も高くないため、スポット的に狙ったサンゴを色揚げしたい場合に適しています。
Bluetoothでの調光も可能で、スポットライトとしては非常に便利な性能。
色々シリーズはありますが、LPSの色揚げにおすすめなのは、紫外線の「UVA370」、紫が強い「バイオレット」、青みが強い「シアン」の3種類です。
Grassy LeDio(グラッシーレディオ)
グラッシーレディオはボルクスジャパンさんから販売されているスポットライトのブランドで、その大きさや性能によっていくつかのシリーズがあります。LPSの色揚げにおすすめなのはRX072e、RX122sの2シリーズです。
どれもスポットライトなので、単独でのメインライトには適しませんが、複数使用でメインとする手や、狙ったサンゴを照らしたい場合におすすめです。
30cmくらいの水槽ならどれもメインとして、45cm水槽なら2~3灯、60cm水槽なら3~4灯くらいが目安です。
RX072e
072eは消費電力が14wのシンプルなスポットLEDで、小型水槽であったり、狙ったサンゴに光を当てたい場合におすすめです。
LPSならカラーは「コーラル」か「ディープ」がよいでしょう。ディープの方が青みが強い色をしています。水槽全体の色のバランスをとるならコーラル、色揚げ重視ならディープがおすすめです。
▼RX072eコーラル
▼RX072eディープ
とにかく色揚げしまくりたい!という方向けには「バイオレット」もあります。紫の光と紫外線がめちゃくちゃに強化されたもので、狙ったサンゴを色揚げしたいときにおすすめです。
▼RX072eバイオレット
RX122s
122sは消費電力が23wで、光量と通信ユニットが接続できる(後述)という点で072eの上位互換といえます。
LPSの飼育であれば、カラーは「コーラル」か「ディープ」がおすすめです。こちらも072eと同じく、コーラルはバランス重視、ディープは色揚げ重視という感じです。
ライト本体の色はブラックとシルバーがあるので、好みで選ぶとよいでしょう。
▼RX122sコーラル
▼RX122sディープ
レディオBT2
RX122sでは、レディオBT2という専用の別売り通信ユニット(USBみたいなの)を本体に差し込むことでスマホから光量や色、消灯・点灯の時間を調節できます。
スポットライトながらシステムLED化が可能なのでセットでの利用をかなりおすすめします。
▼レディオBT2
▼グラッシーレディオについては選び方なども含めてこちらでさらに詳しく紹介しています
Grassy Wing2(グラッシーウイング2)
グラッシーウイングもボルクスジャパンさんから販売されています。
こちらはバータイプのLEDなのですが、ただのバータイプLEDではなく、システムLEDとして機能します。
専用アプリで、水深の設定、世界の海の照明サイクルを再現、曇りや雨などの天候を再現など、あらゆる調整が可能です。
もちろん任意で波長や光量を分単位で設定することも可能です。
大きさは30cm水槽用、60cm水槽用、90cm水槽用があり、消費電力はそれぞれ最大20、40、60Wです。
多少値段は張りますが、得られるメリットと使いやすさを考えればかなりおすすめできるライトだと思います。
海水水槽用は「マリン」になります。
▼30cm水槽用
▼60cm水槽用
Grassy Cetus2 / グラッシー・シータス2
グラッシー・シータス2はボルクスジャパンさんから販売されている円盤型のシステムLEDで、先程グラッシーウイングで紹介したような機能を丸々持っています。
消費電力は60wで、面積あたりの光量は今まで紹介した中でも圧倒的です。
45cmキューブ水槽までくらいの水槽であれば、これ1灯で十分な明るさです。
Bluetoothで光量、色味、タイマー設定などが可能なので、LPSの飼育時には青みを強めた設定がおすすめです。
水槽に設置する際は天井などから吊り下げてもいいですし、専用アームでの設置もおすすめです。
▼専用アーム
Reef LED(リーフLED)
リーフLEDはレッドシーさんから販売されているサンゴ用システムLEDライトです。
水槽全体にバランスよく光を届けるように設計されており、光が不十分な場所や逆に集中しすぎる場所を作らないことが特徴です。
Wi-Fi内蔵でアプリによって光量や波長の調整も可能。そもそもの光量も高く、今回紹介する中では文句なしのハイエンドモデルといえます。
サイズ展開は「50」「90」「160S」の3種類。
50cmキューブ水槽までは「50」、60㎝キューブ水槽までは「90」、90㎝水槽なら「50」を2灯、120cm水槽なら「90」を2灯といった使い方がベストでしょうか。
120cm水槽や150cm水槽で、奥行きが60cmを超える場合は「160S」を2灯以上設置する形がよいでしょう。
水槽に設置する場合は、専用のユニバーサルマウンティングアームでの設置がおすすめです。
専用のハンギングキットを使えば吊り下げタイプでの使用も可能。対応範囲が広いのもこのライトのいい点ですね。
まとめ
*カッコよさと手軽さの「オプティマス リーフナノ2」
*バーも吊り下げもお手の物。コスパ良き「ニモライト」
*ピンポイントで色揚げ「バイタルウェーブ」
*あらゆるニーズに対応「グラッシーレディオ」
*バータイプで最強「グラッシーウィング2」
*圧倒的光量と使いやすさ「グラッシー・シータス2」
*これ一つで完結「リーフLED」
今回はLPSの飼育や色揚げにおすすめなLEDライトを7シリーズ紹介しました。
サンゴ用の照明はどうしても高価な買い物になってしまいますが、だからこそ後悔はしたくないですよね。
今回紹介したのはどれも個性的で有用なLEDライトたちですので、LPSの飼育や色揚げに挑戦する際はぜひ参考にしてみてください!