今回は優秀なスポットLEDライトのグラッシーレディオの選び方について紹介します。
本記事で分かること
・グラッシーレディオがどんなライトか
・グラッシーレディオの選び方
グラッシーレディオはどんなライト?
「グラッシーレディオ」はボルクスジャパンさんから販売されているスポットLEDライトのシリーズです。
性能によって分けられた「RX072e」「RX122s(c)」「RX201」の大きく3シリーズがあります。
スポットライトなので、単独でのメインライトには適しません。
しかし複数使用でメインとする手や、ほかにメインのライトがあるときに狙ったサンゴを照らすため、波長を強化するためのサブライトとしてもおすすめです。
なお、30cm水槽くらいの大きさの水槽ならどれもメインとしても使えます。
それぞれ紹介していきます。
各シリーズの紹介
RX072e
072eは消費電力が14wのシンプルなスポットLEDで、小型水槽であったり、狙ったサンゴに光を当てたい場合におすすめです。
30cm水槽くらいならメインライトとしての利用も可能でしょう。
海水水槽用のカラーは「アクア(白)」、「リーフ(少し青みがかった白)」、「コーラル(青)」、「ディープ(濃い青)」、「バイオレット(紫)」の5種類があります。
色味などの情報はこちらの公式サイトで確認するのがおすすめです。
RX122s、RX122sc
122s(c)は消費電力が23wで、光量が高い点と、通信ユニットが接続できる(後述)という点で072eの上位互換といえます。
我が家でも、強い光量を要求するハタゴイソギンチャクの飼育に使っています。
RX122sとRX122scの2シリーズがありますが、ライト本体の見た目に違いはありません。
しかし、RX122scのほうは紫外線:UV(波長400nm)を含んでおらず、ソフトコーラルやLPS、魚にとってより優しいものになっています。
ただしUVが日常的にさんさんと降り注ぐ環境に生息しているような浅場のSPSには向いていないかもしれません。
カラーは、RX122sは「リーフ(青みがかった白)」、「コーラル(青)」、「ディープ(濃い青)」の3種。
RX122scは「マリン(青みがかった白)」、「ディープ(濃い青)」の2種です。
122sのリーフと122scのマリン、122sのディープと122scのディープはほぼ同じ色なので、色味のラインナップは実質3種類と言ってよいでしょう。
RX201
201は122より照射角が広くなっているもので、消費電力は18w。
面積あたりの光量は落ちますが、少ない個数で水槽をカバーできるため、値段の安さも相まってコストダウンに期待できます。
45cm水槽くらいまでならメインライトとしても使えそうです。
カラーは海水水槽用は「マリン(青)」しかないようです。
▼RX201マリン
セットで使うとよいもの
レディオBT2
RX122sとRX122sc、RX201では、レディオBT2という専用の別売り通信ユニット(USBみたいなの)を本体に差し込むことでスマホから光量や消灯・点灯の時間を調節できます。
スポットライトながらシステムLED化が可能なのでセットでの利用をかなりおすすめします。
特にRX122s(c)はレディオBT2を使うことで、光量やタイマー設定だけでなく、色味の調整も可能です。
レディオクリップ
スポットライトなので、設置には対応したクリップが必要。
公式で販売されているレディオクリップが最もおすすめです。
結局どれを選べばいい?
というわけで条件別にお話ししていきます。
条件はおおまかに4種類程度に分類しました。
1.光量を必要とする浅場のソフトコーラルやハタゴイソギンチャクの飼育
2.光量を必要としないソフトコーラル・LPS・イソギンチャクの飼育
3.サンゴをより蛍光発色させたい場合(蛍光タンパク促進)
4.コストを抑えたい場合
☆補足編!RX072eとRX122s(c)はどっちを選べばいい?
強い光を必要とする浅場のソフトコーラルやハタゴイソギンチャクの飼育
浅場のソフトコーラルは、一般的に光量が必要といわれるチヂミトサカや多くの浅場トサカ類、ツツウミヅタ、ウミアザミなど。
またイソギンチャクの中でもかなりの光量を必要とするハタゴイソギンチャクも同じ扱いとしました。
▼チヂミトサカの飼育法と注意点について
このような生体たちでは太陽光により近いフルスペクトルのライトが向いており、グラッシーレディオでいえば多くの波長をカバーする白色が強いモデルが最も向いています。
具体的には「RX072eリーフ」「RX122sリーフ」「RX122scマリン」です。
先ほどの写真でも載せましたが、我が家では「RX122リーフ」でハタゴイソギンチャクを長期飼育中です。
しかしこれらの白色に近いライトはサンゴの蛍光色を際立たせる効果はあまりありませんので、光量を必要とする生体の飼育用にひとつあると安心のモデルになるでしょう。
▼グラッシーレディオRX122リーフのレビュー
強い光を必要としないソフトコーラル・LPS・強い光を必要としないイソギンチャクの飼育
光量を必要としないソフトコーラルといいましたが、具体的にはスターポリプやマメスナギンチャク、ハナヅタやディスクコーラル、ウミキノコなどです。
また多くのLPSや、ハタゴ以外のサンゴイソギンチャクやシライトイソギンチャクなどもここで扱います。
このような生体たちは強い光量は必要としませんが、青色の波長がしっかりしたライトで飼育することで調子がよくなり、その本来の美しさを引き出すことができます。
具体的なおすすめは「RX072eコーラル」「RX122sコーラル」です。
サンゴをより蛍光発色させたい場合(蛍光タンパク促進)
サンゴの蛍光発色は簡単に言うと、サンゴが持つ蛍光タンパク質が高エネルギーの光を受けて、より低エネルギーの光を放つことで生まれます。
光は、青や紫、さらには紫外線のほうがより高エネルギーなので、そういった光を放つライトを使えばサンゴがより美しく演出できるということです。
ソフトコーラルではグリーンのスターポリプ、種類によりますがマメスナギンチャクやディスクコーラル、グリーンのウミキノコ、グリーンのトサカなどがよく蛍光色に光ります。
LPSではカラーによりますが多くの種類が蛍光色に光ります。
サンゴの蛍光タンパク質は必要がないとなくなってしまうそうなので、サンゴの種類によりますが、適切な波長を適度に与えてやらないと退色の原因にもなってしまいます。
そんなサンゴの蛍光タンパクを促進し、より蛍光発色を強めたい場合におすすめなのが、「RX072eディープ or バイオレット」「RX122s(c)ディープ」です。
ソフトコーラルやLPSの蛍光発色を強化したい場合は基本的にディープでよいでしょう。
SPSなどの浅場の蛍光タンパク促進にはバイオレットがおすすめです。
コストを抑えたい場合
グラッシーレディオは優秀なスポットライトなのですが、複数導入するとなるとかなり高額になってしまいます。
そこでコストを抑えたい場合におすすめなのが、RX201です。
RX201は072や122よりも照射角が広いので、ひとつで広い範囲を照らせるため導入個数が少なく済むうえ、ひとつ当たりの値段も安めです。
しかし光量は十分で、通常のソフトコーラルやLPSの飼育であれば問題ありません。
そこで「サンゴ用のライトが欲しいけど、コストは抑えたい!」というときにおすすめです。
補足編!RX072とRX122s(c)はどっちを選べばいい?
RX072とRX122s(c)でどっちを選ぶのかはかなり迷うところです。
そこで、それぞれ比較していきます。
RX072 | RX122s(c) | |
照射角 | 50°±10% | 60°±10% |
消費電力(光量とほぼ同義) | 14W | 23W |
口金 | E26 | E26 |
値段(楽天市場の値段) | 8000円くらい | 13000~15000円 |
ラインナップ(海水用) | 5種類 | 実質3種類 |
レディオBT2の接続 | 不可能 | 可能 |
全体的に性能としてはRX122(c)のほうが勝っていますが、その分値段はRX072のほうが安く、ラインナップも072が多いですね。
RX072がおすすめの場合
RX072には「アクア」と「バイオレット」というRX122s(c)にはないモデルがあり、これらのモデルを使いたい場合はRX072がおすすめできそうです。
「アクア」は海水水槽においてあえて選ぶ理由はあまりありませんが、「バイオレット」は特に浅場のSPSの蛍光タンパクを促進したい場合は唯一の選択肢になりそうです。
したがって「値段を抑えたい場合」や「SPSの蛍光タンパク促進」にはRX072がおすすめです。
RX122s(c)がおすすめの場合
正直、上のような特段の理由がない限りはこっちがおすすめです。
光量もさることながら、レディオBT2の接続が可能な点が非常に優秀です。
レディオBT2は上でも述べたように、接続によって疑似的なシステムLED化が可能で、何より自動で点灯・消灯や光量の変化設定が可能な点がとても優れています。
レディオBT2を別で購入する必要がありますが、RX122s(c)ではこの点で圧倒的にRX072を上回っているため、予算が許す限りはこっちの購入をおすすめします。
▼レディオBT2の使い方について
一応RX072でもアナログタイマーの使用によって点灯・消灯を自動化することは可能ですが、光量の調節はできない(光量100%で点灯か、消灯かしかできない)うえ、ライト本体に負担をかける可能性があるので、そこまで強くはおすすめではありません。
グラッシーレディオと一緒に購入する必要があるもの
これらのスポットライトのため取り付けるには、E26口金のクリップとアーチかアームのどちらかが必要です。
クリップ、アーチ
クリップは純正のレディオクリップMが最も適していると思います。
グラッシーレディオを純正ではないクリップにはめて使ったことがありますが、重さで頭をもたげたりしてしまうので、素直に純正のクリップを使うことをおすすめします。
▼レディオクリップMホワイト
▼レディオクリップMブラック
クリップにはめて使う場合には、さらにクリップを固定するためのアーチが基本的に必要です。
▼60cm水槽ならこういったアーチがおすすめです。
またアーチを使わずにクリップのみ使用して、水槽に引っ掛けたアクリル板に挟んで固定するという方法もあります。
苔庵介るさんというショップが販売しており、私もこれを利用しています。見た目の割に頑丈で、コストを抑えたいときや小型水槽での使用におすすめです。
5cm延長などもありますが、長さが短いと水面にライトが当たってしまう可能性があるので、15cm以上の長さの板がおすすめです。
▼アクリル板15cm延長
▼アクリル板20cm延長
アーム
アームの場合は、純正の「レディオアーム」がどうやら錆びるというレビューをよく目にするので、おすすめはカミハタさんの「ネオ・アーム」です。
▼ネオ・アーム
まとめ
*浅場のソフトコーラルやハタゴにはRX072eリーフ、RX122sリーフ、RX122scマリン
*浅場ではないソフトコーラルやLPS、弱い光量でもいいイソギンチャクにはRX072eコーラル、RX122s(c)コーラル
*深場の蛍光タンパク促進にはRX072eディープ、RX122s(c)ディープ
*浅場の蛍光タンパク促進にはRX072eバイオレット
*コストを抑えたい場合にはRX201
*基本的には光が強くレディオBT2が接続できるRX122s(c)のほうがRX072eよりもおすすめ
*グラッシーレディオの使用にはクリップやアーチか、アームが必要
今回はグラッシーレディオの選び方についてお話ししました。
書きたいことを書いていたら長大な記事になってしまいました…(笑)
需要があるかはわかりませんが、書いていて自分でも参考になった部分があったのでよかったです。
みなさんが選ぶ際の参考になれば幸いです。