というわけで今回はクリオネの瓶詰めの飼育方法についてお話しします。
本記事で分かること
・クリオネとは
・クリオネの瓶詰めとは
・クリオネの瓶詰めの飼育方法
クリオネとは

クリオネとは、簡単に言うと泳ぐ貝です。
クリオネは貝殻を失ってしまった貝の仲間で、しかも羽のようなヒレで水中を泳ぎ回るので、翼足類という分類に入れられています。
標準和名は「ハダカカメガイ」といい、北太平洋やオホーツク海に生息します。
日本沿岸には主に北からの流氷とともに流れてきて現れる個体が多いようです。
そのかわいらしさと流氷の消滅とともに消えていく儚さから「流氷の天使」「氷の妖精」などとも呼ばれています。
餌はプランクトンですが、近縁の翼足類である「ミジンウキマイマイ」に目がないようで、ほぼそれしか食べないようです。
このバッカルコーンというのは6本ある触手の名前で、ミジンウキマイマイを捕まえる時はこれをぶわっと展開して捕まえます。
えのすいの動画見つけましたのでぜひ。
このようにミジンウキマイマイに対しては本当に目がないようですね。
クリオネの瓶詰めとは?
こんな感じです。
毎年この季節に現れるスーパー玉出の瓶入りクリオネ。本年度もありました!ちなみにレシートの科目は「鮮魚」で、軽減税率8%対象でした。 pic.twitter.com/Qaqb4ode6z
— 金原みわ (@zou_da_zou) March 7, 2020
クリオネが瓶詰めでロピアの鮮魚売り場に売っていたのだが、食べれるのだろうか… pic.twitter.com/t2T4VhFLEn
— ゆみ (@710a625f515ym) February 24, 2019
クリオネが約2500円で2匹くらい瓶に入って売ってた!金出せばクリオネ食べれるってことか。ワサビ醤油でいいの? pic.twitter.com/q1ccrOK2k3
— 緒方ゆう🐈ティアF16a委託 (@ogata_you) March 13, 2016
これらのツイートでは食べることを考えている方が多いようですが、飼育も可能です。
実は、流氷が流れてくる時期のオホーツク海で流氷付近の海水を網ですくうと、クリオネが簡単に捕まえられるようなんです。
どうやらここに商品価値を見出した方がいるようで、都内でも冬の時期になると、デパートの食品売り場や通常のスーパーに瓶詰めとして販売されていることがあります。
これを購入することで、流氷が流れてこない地域に住んでいる一般の方でもクリオネの飼育を楽しむことができます。
クリオネの瓶詰めの飼育方法
冷蔵庫にしまおう
飼育方法といってもやることはほぼありません。
クリオネが入っている瓶を冷蔵庫に保存して、観察したい時に取り出して観察する。
これだけです。
クリオネは0℃〜1℃ほどの冷たい水に生きているので、外に出しているとすぐに水の温度が上がって死んでしまいます。
したがって冷蔵庫で保存する必要があります。
ただ通常の冷蔵庫は3〜4℃なので、0℃を保ってくれる「チルド室」が冷蔵庫にある方は、そこで保存した方がよいと思います。
観察する際は、なるべく水が温まらないよう早めに冷蔵庫に戻してあげましょう。
水温が上昇すればするほど弱ってしまいます。
餌は?
餌はあげなくてもいいというより、あげることができません。
餌となるミジンウキマイマイの入手が実際に流氷の海に採取しにいったりしない限り、ほぼ不可能だからです。
ただクリオネは飢餓に強く、餌なしでもかなり長生きします。
瓶詰め状態では最初から最後まで餌を与えることができませんが、その状態でも全く問題ありません。
寿命は?
先ほども言ったように自然界では餌なしで半年〜1年くらい生きるようですが、瓶詰めでは保存環境が冷蔵庫で、さらに餌を与えることができないということもあり、数ヶ月ほどが目安のようです。
水換えは?

まずクリオネは海水に生息していますから、もしする場合は水換えは海水でしなければなりません。
海水といっても溶け込んでいるのは塩だけではありませんから、アサリの砂抜きをするときに使うような食塩水ではいけません。
「天然海水」か、海水水槽用の人工海水の素を溶かした「人工海水」が必要になります。
▼天然海水を購入して水換えに使う場合はこういったものがおすすめです。
▼人工海水であればコチラのような、ペットボトルに塩を入れると正しい比重で人工海水を作れるようになっている商品があるので、そういったものがおすすめです。なお、この商品なら水道水のカルキを抜く必要はありません。
水換え頻度については2週間から1ヶ月に1度、瓶の半分程度で構いません。
あるいは飼育していて海水が濁ってくるようなら水換え時と言えるでしょう。
水換え前には海水を冷蔵庫に入れて水温をしっかりと合わせておきましょう。
そのほかのお世話
飼育していると瓶の中にクリオネの排泄物などが溜まることがあり、これは水質悪化の原因になります。
瓶の中にごみが落ちていた場合は、スポイトなどで取り去ってしまった方がよいでしょう。
底でぐったりしている?
クリオネは水流のある場所で生きるプランクトンなので、海の中では流れに乗って浮かんで生きています。
しかし瓶の中は水流がないので、底でぐったりしているのです。
冷蔵庫から取り出して、瓶を少し揺すってやると泳ぎ始めますので、ぐったりしていても心配はいりません。
瓶で餓死するまで飼育するのはかわいそう?

確かにその通りです。
こちらとしては何もできず、瓶の中でゆっくりと死んでいく様子を観察するしかないのもまた事実です。
ただ、このあたりはどう頑張ってもエゴになってしまうので完全に個人の意見なのですが、流氷とともにやってくるクリオネは、暖かくなってきた頃の流氷の消滅とともにいなくなってしまう運命にあります。
捕まえても捕まえなくてもいずれ死んでしまう運命なら、手元において自らやお子さんの生き物や命というものに対する経験や学びに生かされたほうがいいような気もしませんか?
少なくとも私はそう思います。
捕まえて瓶詰めにされてしまっている時点どころか、流氷とともに日本に流れてきてしまった時点でクリオネの運命は決まっているのです。
ならば最後になにか残してほしい、と感じます。
だから飼え、という話ではありません。
「かわいそうだから飼わない」も、「最後に一花咲かせてあげよう」も、どちらもよい意見だと思います。
ここの部分は、ご自身やお子さんと相談されて判断なさるとよいでしょう。
まとめ

*クリオネの瓶詰めは簡単に飼育できる
*冷蔵庫で十分だが、可能ならばチルド室に保存
*餌はいらない(用意できない)
*天然海水での水換えがおすすめ。水が濁ってくるか2週間~1ヶ月に1回
*ゴミが落ちていたらスポイトなどで吸い出す
*普段はぐったりして動かないこともあるが刺激を与えると動き出す
*結局死んでしまうなら最後に飼ってあげるのも手段のひとつ
今回はクリオネの瓶詰めの飼育方法についてお話ししました。
こんなにかわいい流氷の天使を手元に置いておけるなんて夢のようですよね。
飼育そのものはとっても簡単でお世話もほぼいらないので、みなさんの癒しに1匹いかがでしょうか。
▼ダイビング動画投稿してます。ぜひご覧ください!