最近は百均でもアクアリウム用品が手に入る時代になりました。
その中でも最も使用する機会があるのが「カルキ抜き」です。
本記事で分かること
・百均(ダイソー)のカルキ抜きは大丈夫なのかどうか
・百均のカルキ抜きの良い点・悪い点
成分について
まずダイソーのカルキ抜きの成分を確認します。
主成分は「チオ硫酸ナトリウム」です。これは一般的なカルキ抜きでも主成分となっており、成分の上では問題なさそうです。
ちなみにこちら▼がセリアのカルキ抜き。
同様に主成分は「チオ硫酸ナトリウム」となっており、セリアもダイソーもカルキ抜きの主成分は同じようです。
また、どちらも「淡水・海水用」とされており、淡水海水の両方に利用できるようです。
ダイソーのカルキ抜きは使っても大丈夫?
早速使ってみました。
今回は海水水槽における水替えに利用してみました。
入れる量は、10Lのバケツ1杯でカルキ抜きのキャップの半分程度です。
入れた後にかき混ぜればカルキはすぐに抜け、そのまま利用できます。
そして実際にこの水を足し水や水替えに利用してみました。
その後もしばらく利用していますが、
結論を言うと全く問題ありませんでした。
水槽の魚たちは元気に泳いでいますし、ハタゴイソギンチャクも同時に飼育していますが、元気です。
カルキ抜きとしての利用に関しては全く問題ないようです。
淡水水槽でも使用してみましたが、問題ありませんでした。
百均のカルキ抜きの良い点・悪い点
百均のカルキ抜きの良い点とも悪い点ともいえるのが「カルキを抜く以外の成分が入っていないこと」です。
百均のカルキ抜きのデメリット
多くの成分が入っていないということは「百均のカルキ抜きには塩素を中和する以外の役割はない」ということです。
百均ではない多くのカルキ抜きに入っていることの多い成分は
ビタミン、ミネラル、ヨウ素、粘膜保護剤、重金属を無害化する成分
などです。
例えば▼こちらの商品
ではミネラルなど多くの成分が含まれており、水道水に入れるだけでカルキ抜きと同時に魚にとって優しく、体調を整えてくれる水を作り出してくれます。
また▼こちらの商品
では、なんとコケの発生原因になる水道水中のリン酸を吸着してくれる成分も入っています。
これらのように入れるだけで魚にやさしい水づくりができる商品も多い中、百均のカルキ抜では塩素を中和するだけで他のことはできません。
百均のカルキ抜きのメリット
多くの成分が入っていないということは、デメリットであると同時にメリットでもあります。
これらの成分の中で、問題となりうるのが「粘膜保護剤」と「ビタミン」です。
粘膜保護剤はその性質から飼育水の粘度をあげてしまい、水槽に泡が発生して残りやすい状態になってしまうことがあります。
実際に私も粘膜保護剤による泡が発生してしまったことがありますが、水槽の観賞価値も落ちてしまいますし、あまりよいものではありません。
その時は「RO水を利用した水替えでカルキ抜きを使わない」という対策をとったのですが、「粘膜保護剤の含まれていない百均のカルキ抜きを利用すること」でも十分に泡の発生を防げます。
▼粘膜保護剤による泡への対策についてはこちら
また、ビタミンは魚の体調を整える上ではかなり有用なのですが、粘膜保護剤も含めて、これらを入れるということは水槽に有機物を添加していることになります。
それによって、とりわけ海水水槽においてはプロテインスキマーがいわゆる「噴火」をおこすオーバースキミングが起こる場合もあります。
水替えや足し水のたびに毎回このようなことが起きていたら大変ですし、このような場合にも通常の多くの成分が含まれるカルキ抜きは適さないといえます。
結局どう?
百均のカルキ抜きは品質的には全く問題ありません。魚もこれ1本で元気に飼育できます。
またカルキを抜く成分以外の成分も特に含まれていませんが、これは一長一短といえます。
したがって、「コスパ重視で塩素だけ抜ければよい」という人には非常におすすめできる商品といえます。
また百均はどこにでもありますし、いつでも手に入る手軽さも利点のひとつといえます。
まとめ
*百均(ダイソー・セリア)のカルキ抜きは品質に問題なし
*ビタミン、ミネラル、ヨウ素、粘膜保護剤などの成分は含まれていない
*粘膜保護剤による水面の頑固な泡、オーバースキミング対策には効果あり
*コスパ重視な人には圧倒的におすすめ
百均のカルキ抜きは一見「品質に問題があるのかな」と思わせられますが、中身はカルキ抜きとして十分な機能を果たしてくれる優れものです。
安価で手軽に手に入るので私は今後も使うと思います。節約したいときにはとってもおすすめです。