【30cm水槽でも】小型水槽で飼育するのにおすすめの海水魚7選!
今回は小型水槽で海水魚を飼育するときにおすすめな海水魚を何種類か紹介していきます。
本記事で分かること
・小型水槽で飼育できる海水魚の特徴
・小型水槽での飼育でおすすめの海水魚
▼小型水槽で海水魚を飼育するときに気をつけることはコチラ

小型水槽で飼育できる海水魚の特徴
小型水槽でも飼育しやすい海水魚の条件は主にふたつ。
それは「体が大きくならないこと」「環境変化に強いこと」が挙げられます。
身体が大きくならないこと
当然と言えば当然ですが、体が大きい海水魚は小型水槽では飼育できません。
30cmキューブ水槽で飼育するなら、最大でも10cm程度の大きさの海水魚にとどめるほうが飼育者にとってもお魚にとっても優しいです。
環境変化に強いこと
小型の水槽は水量が少ないので、水換え時の水質変化や水温変化、お魚の排せつ物やエサの残りでの水質悪化など、急激に環境変化が生じてしまいがちです。
なのである程度の環境変化に耐えられる種類の生き物でないと、弱らせてしまったり最悪☆にしてしまう可能性もあります。
そのため小型水槽で海水魚を飼育する際は、環境変化に強い種類を選んであげましょう。
▼小型水槽で海水魚を飼育するときに気をつけること

小型水槽で飼育するのにおすすめな海水魚
ここからはジッサイに小型の海水魚水槽で飼育するのにおすすめな海水魚を紹介していきます。
スズメダイの仲間

宮古島で撮影したルリスズメダイ。スズメダイの仲間は、環境変化の激しい礁池(イノー)に生息している種類も多く、みんなとても丈夫
スズメダイの仲間はどの種類も非常に強健で病気知らずです。身体が大きくならない種類も多く、小型水槽での飼育に最も向いている仲間といえるでしょう。
ただ気が非常に強く、スズメダイを入れてしまうと他の海水魚が飼えない場合が多いんですよね(スズメダイがいじめて殺してしまうから)。
そこで出てくるのがデバスズメダイ。

ヨコハマおもしろ水族館で撮影したデバスズメダイ
デバスズメダイはスズメダイの仲間の中で唯一といえるほど温厚な種類で、複数飼育に向いたスズメダイです。
スレに弱い以外は病気にも強く、小型水槽での飼育にも向いています。
光の当たり方によってエメラルドグリーンやライトブルーに体色が変わるなど、非常に美しい見た目もGOODポイントですね!

カクレクマノミ

ヨコハマおもしろ水族館で撮影したカクレクマノミ
海水魚の代表、カクレクマノミも小型水槽で飼育できます。
環境変化には強く餌付けもしやすいと初心者さん向けの海水魚としても100点満点。


我が家の30cmキューブハイタイプ水槽で飼育していたハタゴイソギンチャクとカクレクマノミ
水質・光・水流の要求度がやや上がってしまうのですが、環境さえ整えればイソギンチャクを飼育して共生を楽しむことも十分できます。

イソギンチャクがハードルが高いという方でも、イソギンチャクなしでの飼育でもまったく問題ありません。
ウミキノコなどのサンゴに共生する可能性もあるので、そこに期待するのもありですね!


遊泳性ハゼ(ダートゴビー)の仲間

サンシャイン水族館で撮影。藤色のグラデーションが美しいアケボノハゼ(上)と赤のグラデーションが美しいハタタテハゼ(下)
遊泳性ハゼはその名の通り中層に出てきて泳ぐハゼの仲間で、非常に美しい見た目をしているものが多いのが特徴です。
ハゼの仲間は臆病で、水槽からの飛び出しに注意が必要なのですが、スズメダイの仲間と同じく病気知らずで人工エサへの餌付きもいいです。
最も代表的でポピュラーなのはハタタテハゼ属のハタタテハゼ。その仲間としてアケボノハゼとシコンハタタテハゼがいます。


またクロユリハゼ属のクロユリハゼやゼブラハゼ、オグロクロユリハゼ、スミゾメハナハゼなども人気の仲間です。

ヨコハマおもしろ水族館で撮影したクロユリハゼ。シックで奥ゆかしさを感じる色合いが魅力
他にもレインフォーズゴビー(厳密にはベントスゴビーだがよく泳ぎまわる)などダートゴビーの仲間は非常に多いので、お気に入りの種類を探してみてください!

独特の模様がおもしろいレインフォーズゴビー。志摩マリンランドで撮影

共生ハゼの仲間

代表的な共生ハゼであるギンガハゼ。しながわ水族館の「共生水槽」で撮影
共生ハゼの仲間は、テッポウエビと協力して生きる姿がけなげでかわいいハゼの仲間です。
テッポエビが巣を掘り、ハゼは周りの危険を監視する代わりにエビがつくった巣に住まわせてもらいます。
代表的な種類はヒレナガ(ハタタテ)ネジリンボウ、ヤシャハゼ、ギンガハゼ、ニチリンダテハゼなど。
共生相手となるエビはランドールズピストルシュリンプ(コトブキテッポウエビ)やニシキテッポウエビなどです。



我が家で飼育しているニチリンダテハゼとニシキテッポウエビ
ハゼもエビも環境変化には強めで、しかも巣の周りからあまり動かないので小型水槽での飼育に向いています。
テッポウエビが砂に穴を掘りまくってレイアウトを崩しがちなので、単独で20cmキューブ水槽など超小型水槽での飼育もおすすめです。
▼我が家では25cmキューブ水槽でニチリンダテハゼとニシキテッポウエビの共生水槽を運営しています!

マンジュウイシモチ・プテラポゴンカウデルニー

鳥羽水族館で撮影したマンジュウイシモチ
マンジュウイシモチは「いちごパンツ」の別名でも親しまれるお魚で、水中でホバリングするように泳ぐ様子が美しい種類です。
環境変化には強く、小型水槽での飼育も十分に可能です。

ヨコハマおもしろ水族館で撮影したプテラポゴンカウデルニー
プテラポゴンカウデルニーもマンジュウイシモチに似た魚で、長いヒレを優雅にたなびかせて泳ぐ様子が人気の海水魚です。
マンジュウイシモチ、プテラポゴンカウデルニーともに群れでの飼育に向いていて、小型水槽で数匹泳がせると壮観な水景を作ることができます。

カエルウオの仲間

土管から顔を出すフタイロカエルウオ
カエルウオの仲間は、おとぼけ顔がかわいい底生魚に近い生活をするお魚の仲間です。
一般的に草食性の種類が多く、水槽のコケ取りとしても人気。環境変化に強く小型水槽でも飼育できます。

宮古島の海岸からのシュノーケリングで撮影したヤエヤマギンポ
種類としてはフタイロカエルウオ、イシガキカエルウオ、モンツキカエルウオ、テールスポットブレニー、ヤエヤマギンポなどがいます。
遊泳性の強いお魚のみの飼育だと寂しくなりがちな水槽の底まわりを華やかにしてくれる存在です。
ただ飛び出しの可能性と、他の底生魚に対して攻撃的という点には注意。水槽のフタと混泳魚には気を使う必要があります。
ジョーフィッシュの仲間

我が家で飼育していたパーリージョーフィッシュ
ジョーフィッシュは自らサンゴ砂を掘って巣をつくる仲間です。巣穴からひょっこり顔を出す姿がチャーミングな仲間でもあります。
環境変化には強く、大型水槽だと逆にどこにいるのかわからなくなってしまいがちという部分もあるので小型水槽で飼育するお魚としておすすめです。

京都街なか水族館で撮影した中型のジョーフィッシュの仲間(種類不明)
種類としてはパーリージョーフィッシュ、イエローヘッドジョーフィッシュ、ゴールドスペックジョーフィッシュ、ブルースポットジョーフィッシュなどがいます。
小型種のパーリーとイエローヘッドは、多少異なりますがほぼ同じ見た目で飼育方法も同じ。小型水槽で他種のお魚と混泳したいならこの2種がおすすめです(少々高価ですが…)。
その他の種類はやや大型になるので、30cmキューブ水槽なら単独飼育がおすすめ。
飛び出しの可能性と、人工餌への餌付けがやや難しい点には注意が必要になります。



おすすめの組み合わせを紹介!
総水量25L程度である30cmキューブ水槽では、適切なろ過能力が確保できているという前提なら、お魚の大きさにもよりますが飼育匹数は2~5匹くらいが目安です。
それと混泳相性などを踏まえて、組み合わせを考えていきます。
▼水槽別に飼育できる海水魚の匹数の目安について

カクレクマノミペア & ハタタテハゼorアケボノハゼ
私が初めて海水魚を飼育した30cmキューブハイタイプ水槽で行っていたのがこの組み合わせです。
安価で揃えられて飼育しやすい最強の組み合わせで、ここから海水魚飼育沼に引き込まれること間違いナシ。
混泳相性も悪くないですが、この組み合わせをしたいときはより臆病なハゼを先に水槽に入れて慣れさせておくことをおすすめします。
デバスズメダイ数匹 & イエローヘッド(パーリー)ジョーフィッシュorカエルウオ
デバスズメダイの群泳を楽しみつつ、水槽の底もおろそかにしない組み合わせ。
底生魚どうしは相性がよくないので、デバの他にはジョーかカエルウオのいずれか1匹の導入がおすすめ。
水槽のどこを見てもお魚がいるので、にぎやかな水景がつくれます。
赤系の色が弱いので、ホワイトソックスなどの鮮やかな赤系のエビを導入してあげると色のバランスが取れてもっと楽しい水景になるでしょう。

ニフレルで撮影したホワイトソックス(シロボシアカモエビ)。鮮やかで美しい赤色の体は水槽内の色のバランスを整える存在に!
マンジュウイシモチorプテラポゴンカウデルニーの群泳
なんといっても群泳、とにかく優雅な群泳を楽しみたいときにおすすめの組み合わせ。
マンジュウやカウデルニーは他種との混泳でももちろん映えますが、同種のみでの群泳がもっとも美しく壮麗だと思います。
海水魚では珍しく群泳が可能な仲間で、自然界でも群れて生活する種類なので、それを自宅で再現してあげるという楽しみもあります。
サンゴのレイアウトでカラフルな背景を演出すればさらに美しい水景に。
30cmキューブ水槽なら小型の個体を4、5匹程度がいいでしょう。
共生ハゼ & テッポウエビ & ダートゴビー
個人的には最もおもしろそうな組み合わせ。
というのも、自然界では共生ハゼとテッポウエビの巣に、ハタタテハゼやクロユリハゼのようなダートゴビーが居候させてもらうという関係がよくあるんです。
▼ウニ駆除で有名なスイチャンネルさんでも紹介されている動画がありましたのでぜひ
このおもしろい関係は水槽内でも再現することが可能で、なんらかの共生ハゼ(中型以上の大きさが望ましい)とテッポウエビ、ダートゴビー(どの種でもいいはず)を混泳すると、そんな状況が観察できます。
なぜダートゴビー側が追い出されないのかはわかりませんが、非常に興味深く楽しい関係なので、水槽で再現してみるのも一興です。
▼チャームさんではこんなセットも販売されていました!
まとめ
*小型水槽での海水魚飼育には、大きくならず環境変化に強い種がおすすめ
*強健で美しい「スズメダイの仲間、特にデバスズメダイ」
*王道中の王道「カクレクマノミ」
*バツグンの多彩さとかわいらしさ「遊泳性ハゼ(ダートゴビー)」
*見て楽しい知って楽しい共生関係「共生ハゼ&テッポウエビ」
*美麗に群泳する「マンジュウイシモチ・プテラポゴンカウデルニー」
*おとぼけ顔がチャーミング「カエルウオ」
*せっせと穴掘り巣をつくる「ジョーフィッシュ」
今回は小型水槽で海水魚を飼育するときにおすすめの種類や組み合わせを紹介しました。
今回紹介したどの種類も特徴的で魅力的なお魚たちばっかりです。
みんなおすすめの種類たちですので、皆さんがもし小型水槽で海水魚飼育を始めようとしているなら、ぜひ参考にしてくださるとうれしいです!
▼海水水槽を始めるときに必要なもの10選

▼小型水槽で海水魚を飼育するときに気をつけること
