というわけで、今回は海水水槽におすすめの底砂の役割や、おすすめの商品をご紹介します。
本記事で分かること
・海水水槽に底砂が必要な理由
・海水水槽におすすめの底砂
底砂とは
底砂とその役割
底砂とはその名の通り「水槽の底に敷く砂」のことです。
底砂には大きく3つの役割があります。
1.水槽の景観を整える
2.生きものやライブロックの基盤になる
3.バクテリアが繁殖し、ろ過の手助けを行う
水槽の景観を整える
底砂がない水槽は管理は楽なのですが、見た目に「人工物感」が出てしまい自然な美しさが失われてしまいます。
南国の海のような美しい環境を再現するのであれば底砂の使用をおすすめします。
生きものやライブロックの基盤になる
底砂は生きものの住みかになります。砂に潜って寝るお魚や貝などもいますし、砂の中の有機物をエサにしている生物もいます。
また底砂はライブロックの基盤になります。底砂があることでしっかりとライブロックの下面が安定するうえ、直接ガラス面にライブロックが触れなくて済むので水槽も傷つきにくくなります。
バクテリアが繁殖し、ろ過の手助けを行う
底砂には水槽のろ過を担うバクテリアが繁殖します。このバクテリアは水槽にとって有害なアンモニアや亜硝酸を分解してくれるもので、水槽にとって非常に重要なものです。
したがって底砂がある水槽の方がろ過が安定しやすいです。
海水水槽に使う底砂は「サンゴ砂」
結論から言いますと、海水水槽において底砂の選択肢は基本的にひとつで、「サンゴ砂」のみになります。
海水水槽はpHを7.5-8.0程度の弱アルカリ性で維持する必要があります。そのためpH調整能力がある「炭酸カルシウム」を主成分としたサンゴ砂が最も海水水槽に向いているんです。
おすすめの底砂
サンゴ砂~パウダー(1mm未満)~
サラサラのパウダー状のサンゴ砂。その最大の特徴は見た目の美しさです。
南国の海を想起させるキラキラと輝く砂は非常に美しく、水槽を一段と華やかにしてくれます。
生きものも砂に潜りやすく、優れた点の多い粒の大きさといえますが、ひとつだけ欠点があります。
それが汚れの溜まりやすさ。パウダー状のサンゴ砂は隙間にデトリタスと呼ばれる汚れや菌が溜まりやすく、健全な状態で維持するためには定期的にプロホースなどで毒抜きを行う必要があります。
ムシロガイやマガキガイ、ミズタマハゼなどによる砂の攪拌も有効ですが、いずれにせよ管理に注意は必要になります。
サンゴ砂~小粒(1~5mm程度)~
個人的に最もおすすめしているのがこの大きさ。一般的に「小粒」「細粒」「細目」「スモール」「S」などと呼ばれる1~5mm程度の大きさの粒のサンゴ砂です。
この大きさは自然界でも多くの生きものや魚が生息している環境の砂と似ており、自然な見た目を演出するのに向いています。
またパウダータイプよりも汚れが溜まりにくく(毒抜きや生物による攪拌は必要)、管理も比較的容易です。
また生きものも問題なく潜ったり口に含んだりできる粒の大きさなので、非常にバランスが良く管理しやすい粒の大きさといえます。
サンゴ砂~大粒(5mm以上)~
5mm以上から小石くらいの粒で構成される大粒のサンゴ砂です。「大粒」「粗粒」「粗目」「M」「L」などの呼び方があります。
このくらいの大きさになると、自然な感じや美しさは下がってきて、鑑賞性にはやや劣ります。
しかしその分、粒同士の隙間が大きく汚れが溜まりにくいというメリットがあります。
砂に潜る生体がいない水槽では、むしろこの大きさの方が管理が楽になるので用途次第ではおすすめのサイズです。
また、小石くらいの大きさになってくるとろ過槽に入れてろ材として使う、という方法もあるので、うまく使い分けると良いでしょう。
ライブサンド(粒はお好みで)
「ライブサンド」は通常のサンゴ砂を海水で培養し、ろ過バクテリアを付着させたものです。
バクテリアがすでに付着しているので、ライブサンドを使用することで水槽の立ち上げが速くなるというメリットがあります。
またライブサンドは、水槽に入れる前に洗う必要がありません。というよりも、水道水で洗うと付着したバクテリアが死滅してしまうので、洗ってはいけません。
普通のサンゴ砂では、混ざっているゴミや不純物、濁りを取り除くために水槽に入れる前にしっかりと洗う必要があります。
このサンゴ砂を洗う作業、まっっっっじでめんどくさいので、洗わなくてよいのはライブサンドの大きなメリットといえます。
アラゴナイトサンド
アラゴナイトサンドは通常のサンゴ砂に石灰藻や貝殻の破片が含まれたもので、サンゴ砂に比べて水に溶けだしやすく「水質維持能力」が優れています。
具体的には、通常のサンゴ砂よりも「pHの低下を防ぐ効果」と「KH(炭酸塩硬度)を維持する能力」が高いです。
また「生体に必須なミネラルや微量元素を飼育水に溶け込ませる能力」も高いので、総じて水質維持に貢献する砂といえるでしょう。
カルシウムサンド
カルシウムサンドはその名の通りカルシウムを主成分とした砂で、通常のサンゴ砂よりも成分が溶け出しやすいように作られています。
したがって前述のアラゴナイトサンドと同じように、「水質維持能力」が非常に優れています。
ではアラゴナイトサンドと何が違うのかというと、アラゴナイトサンドは粒の大きさがバラバラなのに対して、カルシウムサンドは非常に均質で扱いやすいです。
また純白の色合いは非常に美しく、水槽の鑑賞性を大きく向上させることができます。
まとめ
*底砂は水槽の鑑賞性を向上させ、生物やバクテリア、レイアウトの基盤になる
*サンゴ砂は海水水槽で唯一の底砂
*サンゴ砂は粒の大きさや水質維持能力が重要
今回は海水水槽の底砂「サンゴ砂」について、なぜ必要なのかやおすすめの商品についてご紹介しました。
サンゴ砂を上手く選ぶことでマリンアクアライフの質が一段と向上しますので、目的に合わせてあなたの水槽に合ったサンゴ砂を選んであげてください!
▼サンゴ砂の厚さはどれくらいがいい?