今回は主に海水水槽で飼育されるソフトコーラルの種類や特徴について、網羅的に紹介していきます。
本記事で分かること
・海水水槽で飼育できるソフトコーラル一覧
・それぞれの簡単な特徴
海水水槽で飼育できるソフトコーラルの紹介
マメスナギンチャク
マメスナギンチャクはソフトコーラルの中でも代表的な種類で、ちっちゃい巾着のような見た目がかわいいサンゴです。
ブドウマメスナギンチャク、フジマメスナギンチャク、クロシオマメスナギンチャクなどの種類があります。飼育は基本的にかなり簡単で、盛んなブリードによって数えきれないくらいの美しい種類が生み出されています。
マメスナ沼は深いです。私もマメスナ集めにハマりつつあります。
なお、高級個体のほうが気難しく飼育が難しい傾向があるので、ワイルド個体のほうが飼育が簡単な珍しいサンゴでもあります。
エサをあげるとよく食べてよく増えるのでそこが楽しいサンゴでもありますね。
ウミキノコ
ウミキノコもポピュラーなソフトコーラルです。
エリンギのようなキノコからポリプが生えたようなおもしろい見た目をしています。ウネタケなどといった近縁の種類もあり、あまり見かけませんが飼育することもできます。
成長速度が速く、水槽内でも大きく成長するので成長の様子が楽しいサンゴでもあります。
高水温に弱めな以外は飼育も難しくなく、水槽に1つあるとおもしろいサンゴですね。
メタリックグリーンの色をしているものはとても美しく、またほかでは人気のカクレクマノミが入る可能性があるサンゴなので、そういった点においての需要もあります。
ディスクコーラルの仲間(ディスクコーラル・バブルディスク・ヘアリーディスク)
ディスクコーラルは円形に近い形をしていてライブロックに張り付くように生えるソフトコーラルです。
飼育が最も簡単なソフトコーラルと言ってもいいくらいで、どんな環境も耐え抜く最強さがあります。また非常に増えやすいという特徴もあり、よく分裂して増えます。
バブルディスクや、ヘアリーディスクといった種類もあり、色々楽しめるサンゴでもあります。
中でもおすすめはバブルディスクですね。適度に増えますし、カラーバリエーションも多くておもしろいです。
スターポリプ
スターポリプはライブロックを覆うように成長するサンゴです。和名はムラサキハナヅタと言います。
ベージュやグリーンのカラーがありますがおすすめはグリーンですね。青いライトを当てたときのメタリックグリーンの美しさは素晴らしいです。
その特徴は何といっても増えやすさで、岩を覆いながら育つ特徴や水流になびく姿からその見た目はさながら海の芝生。
増えすぎて困ることもありますが、飼育自体はとっても簡単で人気のソフトコーラルです。
ポリプの見た目にもいくつか種類があり、単純なようで個性のあるサンゴです。
ツツウミヅタ
ツツウミヅタはスターポリプに近い仲間で、花のように開くポリプが特徴的なサンゴです。
センターグリーンやオレンジライン、スノーポリプなどのカラーやポリプの見た目の種類があり、バリエーションを楽しむこともできるサンゴです。
長期飼育は難しい部類です。水槽に入れてしばらくはポリプもよく開き、短期的には飼育できるのですが、長期飼育していると徐々に衰退してきていずれは忽然と姿を消してしまいます。
我が家の個体も導入から徐々にポリプ数が減っていき、半年強ほどで完全になくなってしまいました。
飼育のコツは正直よくわかりません。長期飼育できていたり、水槽内で増えているという方も見るので環境が合えば十分に飼育ができるみたいです。
ハナヅタ
ハナヅタもこの前に紹介したスターポリプやツツウミヅタに近い仲間です。
見た目はツツウミヅタに似ますが、花びら部分の輪郭がくっきりしておりセンターがグリーンなのが特徴です。
ツツウミヅタとは違い飼育は非常に簡単で、しかも増えやすい、キレイと、サンゴ飼育の楽しさを詰め込んだような存在になっています。
個人的には非常におすすめの種類で、水槽内で問題を起こすことがほとんどないのでとっても優秀なソフトコーラルです。
ただ売ってることが少ないのが玉にキズ。海水魚ショップさん、お願いします!
ウミアザミ
ウミアザミは、幹とそこから伸びるポリプが特徴的で、水流になびく姿が美しいサンゴです。
シロスジウミアザミ、チガイウミアザミ、ブルームウミアザミ、コフキウミアザミなどの種類があり、バリエーションは結構多いほうです。
この仲間は飼育したことがないので正直よくわかりませんが、飼育難易度はソフトコーラルとしては高い方らしいです。
あと環境が合うと増えまくるという話も聞きます。
ポリプをパクパクと開いたり閉じたりする、通称「パクパクウミアザミ(※本名ではない)」もいて、飼育してみるとけっこうおもしろい種類かもしれません。
トサカの仲間(カタトサカ・チヂミトサカ・トゲトサカ等)
カタトサカの仲間
カタトサカの仲間はソフトコーラルの大きなグループであるトサカ類のうちのひとつです。
ナグラカタトサカ、ヤナギカタトサカ、ヤワタコアシカタトサカなどの種類があり、ある程度のバリエーションがあります。この仲間はソフトコーラルの中でも「サンゴらしい」見た目をしている仲間ですね。
飼育難易度は比較的低いものが多く、ある程度の光と水流さえ用意してやれば十分に飼育できます。
水槽内でトサカの森をつくると壮観な光景が広がります。
全体の写真は撮り忘れてしまいましたが、名古屋港水族館のトサカ水槽はカタトサカの仲間の森がすごかった記憶があります。もし行かれる方は是非チェックしてみてください!
チヂミトサカの仲間(好日性)
チヂミトサカの仲間(好日性)はカタトサカの仲間と同じくトサカ類の中のグループのひとつです。
種類としてはチヂミトサカやスジチヂミトサカ、カワラフサトサカなどがいますね。
繊細にポリプを開かせる姿は非常に美しく、私のお気に入りの仲間のひとつでもあります。
チヂミトサカ・スジチヂミトサカの飼育難易度は一般的には高めとされますが、水流の要件さえ突破できればジッサイはそこまで難しくないように感じます。
カワラフサトサカは非常に易しく、初心者さんにもおすすめです。
トゲトサカ等の陰日性トサカの仲間
トゲトサカ等の陰日性トサカの仲間は分類的にはチヂミトサカに近いのですが、飼育方法的には全く異なるので別にまとめました。
種類としてはトゲトサカやビロードトゲトサカ、ベニウミトサカなどがあります。色とりどりでとってもキレイな見た目のものが多いです。
これらのサンゴは「陰日性」ということで、褐虫藻による光合成をせずに、海中の有機物やプランクトンをポリプでとらえて捕食することによって栄養を得ます。
したがって水槽内での飼育でもサンゴフードやコペポーダなどの給餌が必要で、高頻度で給餌しないと痩せてしまいます。
水質変化などにも敏感なようで、飼育難易度はかなり高めとされています。
ヤギの仲間(陰日性・好日性)
ヤギの仲間は木の枝がうちわ状に広がるように育つ種類が多いサンゴの仲間で、光合成を必要としない代わりにエサを食べる陰日性の仲間と、光合成をする好日性の仲間がいます。
よく見るのは陰日性の仲間で、上の写真もそうなのですが、非常に美しい色をしたものが多いです。
陰日性のヤギの仲間はトゲトサカと同じで給餌が必要で、高頻度でエサを与える必要があるのに痩せやすく、飼育は難しいとされています。
見た目は非常に美しいのでいつか飼育してみたい種類ですね。
こっちは好日性のヤギの仲間。
チャームさんなどでたまに販売しているのを見かけますが、こちらは光さえ当てればいいので飼育は難しくないみたいです。ただ色は上の写真のように地味なものが多く、陰日性の仲間ほどきれいではないです。
まとめ
*コレクション性が高い「マメスナギンチャク」
*形がおもしろい「ウミキノコ」
*丈夫さ最強「ディスクコーラル」
*海の芝生「スターポリプ」
*花のようでかわいいが気難しめ「ツツウミヅタ」
*センターグリーンがかわいらしく飼育もカンタン「ハナヅタ」
*種類がいっぱい、見て楽しい「ウミアザミ」
*サンゴらしい見た目が特徴的「カタトサカ」
*繊細なポリプが美しい「チヂミトサカ」
*非常にカラフルだが定期的な給餌は不可欠「陰日性トサカ」
*陰日性も好日性も。木の枝みたいな見た目がキレイな「ヤギの仲間」
今回は海水水槽で飼育できるソフトコーラルの種類についてお話ししました。
ソフトコーラルには様々な種類があり、どれも個性的で奥が深いサンゴ達です。
例外はありますが、飼育のハードルは低めな種類が多いので気になったらぜひ飼育してみてください!
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