というわけで今回はマメスナギンチャクの株分けを実際に行ってみましたので、その方法をお話ししていきます。
本記事で分かること
・マメスナギンチャクはどのように株分けすればよいか
・株分けに必要な道具
・実際の株分けの様子
マメスナギンチャクの株分けについて
マメスナは株分けできる!
マメスナギンチャクは飼育しやすいソフトコーラルとして有名で、増やすこともでき初心者さんにもおすすめできるサンゴです。
増えすぎた場合や、群体を増やしたい場合には「株分け」を行なって増やすことができます。
▼マメスナギンチャクの飼育方法についてはコチラ
株分け方法は簡単で、マメスナギンチャクの生えたライブロックやプラグを水槽内から一旦取り出し、マメスナの共肉部分をカッターなどで切断します。
共肉はここ↓。
その後マメスナが活着している底部にカッターの刃を入れて活着をはがし、取り外したマメスナを接着剤でプラグやライブロックに貼り付けて終わりです。
その後多くの場合は、リーフディップなどの殺菌・活性剤にしばらく漬けて傷口からの細菌感染を防ぎます。
株分けに必要な道具
切れ味のいいカッター
マメスナの共肉を切断するために、切れ味の良いカッターやメスなどが必要になります。
今回はこちら↑のソフトコーラルスカルペルを使用しました。やはりサンゴ用のものが一番安心感がありますね。
接着剤
取り外したマメスナを再びプラグなどに貼り付けるために、接着剤が必要になります。
シンプルなものでよいですが、あまり変なものだと水槽に悪影響を与えかねないのでこちらもアクアリウム用のものがおすすめです。
ライブロックやプラグ
株分けしたマメスナを貼り付けるためのプラグやライブロックも必要になります。
個人的には小さくて見た目も良いマメプラグがおすすめ。取り回し重視であれば通常のフラグでよいでしょう。
リーフディップ
実は結構重要なリーフディップ。
サンゴの株分けではどうしてもサンゴの身体を切断する必要があるので、その傷口から細菌感染などを起こし株分け後に溶けてしまうことがあります。
そのような不幸な事故を防ぐために、株分け後には殺菌・活性剤にしばらく漬けて傷口を消毒する必要があります。
それにうってつけなのがリーフディップ。
これで薬浴するとヨウ素の力で傷口を消毒しつつサンゴに活力を与えてくれるので、株分け時に必須の道具です。
実際に株分けしてみた
道具の準備
ここからは実際の様子を紹介します。
株分けするのはこちらのマメスナ、名前もちでその名はキャンディーアップルです。
2年くらい前に購入したときはたった2粒だったのですが、そこから増殖に増殖を重ね今では30ポリプ程度になっています。
我ながら失敗だったなと思っているのですが、購入したフラグを百均で買った陶器の歯ブラシ立てに乗せていたら増えすぎてその陶器部分にまで侵食してきました。
今回はこれを盛大に株分けしていきます。
まずはバケツにとった飼育水にリーフディップを入れて、薬浴用の海水を作ります。
分量は飼育水4Lにつきリーフディップをフタ1杯(5~10mL)。
続いてソフトコーラルスカルペル。
付属の刃を持ち手に付けて準備完了。かなり刃が鋭いので指を切らないように注意です。
プラグや接着剤も用意しておきましょう。
切断・接着
準備が完了したらマメスナを取り出して、どのあたりを切るか目星をつけます。
例えばこれなら…
こことここがいいですね。
これなら…
この2か所がいいでしょうね。
目星をつけたら実際に切断していきます。さすがに切ってる途中の写真は撮れませんでした。スミマセン。
代わりに絵で示します。こんな感じです。
こんなマメスナの群体の場合、
まず「共肉」を切断し、その後「マメスナがライブロックに張り付いている底部」に刃を入れてマメスナを剥がしていきます。
この際マメスナ本体を切ってしまわないように気を付けます。
切ってしまっても再生するので大丈夫な場合が多いですが、ダメージで溶けてしまう可能性もあるのでなるべく底部を剥がすように刃を入れるとGOODです。
またもうひとつ注意ポイントがあり、マメスナは空気中に出していると身体に含んでいた水分をどんどん放出してきます。
この水がなんだか茶色っぽくてカーペットや服につくと取れなくなる可能性もあるので、水がこぼれてもいいようなシートを敷いたり、エプロンを着て作業することをおすすめします。
マメスナを切り取ったら、一旦横に置いておいて、今度はフラグに接着剤を付けます。
接着剤の量は切り取ったマメスナをしっかりと接着できるくらいの面積に出せばOK。
接着剤を出せたら、その上に切り取ったマメスナを乗せれば…
株分けは完了です!
後は用意しておいたリーフディップを入れた飼育水に株分けしたマメスナを15~30分程度浸して、傷口を消毒します。
作成したフラグだけではなく、元となった株の方も浸すのを忘れずに!
経過観察
株分け後にはしっかりと経過観察を行いましょう。
上の写真は株分け翌々日のマメスナ達。きちんと株分けできて細菌感染などもなければ、株分け後には閉じていたマメスナ達もしばらくのちにしっかり咲いてきます。
元となった株も大丈夫そう。だいぶこじんまりとしましたね。
この時に溶けてくるようであれば細菌感染などを起こしている可能性が高いので、もう一度リーフディップに漬けたりして様子を見ます。
まとめ
*マメスナギンチャクは簡単に株分け可能
*切れ味の良いカッターで共肉部分を切断して剥がす
*接着剤でフラグに貼り付け、活着させる
*株分け後のリーフディップ浴が非常に重要
マメスナギンチャクは簡単に株分けでき、増やす楽しみがあるサンゴです。
株分けができるようになるとマリンアクア仲間とフラグの交換も行えるようになり非常に楽しくなってくるので、ぜひ皆さんも株分けに挑戦してみてください!