今回は硝酸塩を減らしたいときにおすすめの脱窒効果を持つろ材を 種類ご紹介します。
本記事で分かること
・脱窒菌について
・硝酸塩を減らしたいときにおすすめのろ材
「硝酸塩を減らす」とは?
硝酸塩を減らす方法
海水水槽において、よく問題になる「硝酸塩」。これはお魚や残りエサから出たアンモニアがバクテリアによって酸化された成れの果てです。
硝酸塩が高濃度になるとお魚やサンゴに悪影響が出るので、マリンアクアリストは必死にその硝酸塩を減らそうと努力しています。
硝酸塩を減らすまたは増えにくくする方法は「プロテインスキマーの使用」「水換え」などいろいろありますが、特に「脱窒菌の働き」によって減らす方法はコンスタントに効果を得やすいため人気の方法です。
脱窒菌は硝酸塩を還元し、窒素に戻したうえで大気中に戻してくれる働きをします。したがって水槽内で脱窒菌の働きを活性化できれば効率よく硝酸塩を減らすことが可能です。
▼硝酸塩を減らす方法について詳しくはコチラ
▼脱窒菌を活性化させて硝酸塩を減らす「炭素源添加」についてはコチラ
嫌気性の脱窒菌
しかしこの脱窒菌は「嫌気性」。つまり簡単に言ってしまうと酸素が嫌いなバクテリア。
通常のろ過は水通しを良くし、好気性のバクテリアにたくさんの酸素を供給することでアンモニアを酸化してもらいますが、そのような環境では脱窒菌は増えることができません。
そこで底砂を厚く敷き、底砂の下部の水通しをあえて悪くすることによって脱窒菌に増えてもらい、硝酸塩を低く保つという手段があります。
しかしこれには重大な落とし穴が。
実は脱窒菌以外にも嫌気的な環境を好むバクテリアがたくさんおり、その中でもヤバいのが「硫酸還元菌」。
硫酸還元菌は硫酸を還元し硫化水素を発生させます。これがヤバい。
硫化水素は生体にとって致命的で、底砂を誤って掘り返してしまったりして水槽内で放出させてしまうと、水槽内のお魚や甲殻類をことごとく滅ぼします。
硝酸塩除去に効果的なろ材
コトブキ ドクターバイオ
「コトブキ ドクターバイオ」は硝酸およびリン酸を除去する効果のあるろ材です。
使い方は、フィルター内などの水流のある場所設置するだけ。これ1つで60cm水槽まで効果があります。
3か月交換する必要があるのがややデメリットですが、短期的に硝酸塩を減らしたい場合におすすめのろ材です。
ナノテック バイオスフィア
「ナノテック バイオスフィア」は、1個でライブロック1個に匹敵するほどバクテリア定着面積が広いろ材です。
また穴が大きいため、通水性にも優れています。ろ材内部で好気性と嫌気性のバクテリアがバランスよく繁殖するようで、水槽の水質維持効果がとても大きいです。
長期的に効果をもたらしてくれるので、オーバーフロー水槽周防サンプや外部フィルター内に設置して使うのがおすすめですね。
ネクストジェネレーション バイオメディア
「ネクストジェネレーション バイオメディア」は珍しいスポンジ状のろ材。
サイズはS、M、Lがありますが、特に脱窒効果を発揮するのがLサイズ(15×15×10cm)です。内部に脱窒菌を繁殖させることで、素晴らしい脱窒効果をもたらしてくれます。
オーバーフロー水槽であればサンプにひとつ入れておいて損はないろ材です。飼育水で洗ってもバクテリアが落ちない加工がされているようなので、安心して洗えるのもGOODポイント。
シーケム マトリックス
「シーケム マトリックス」は小石状のろ材で、非常に多孔質なのが特徴。
表面に好気性のバクテリア、内部に嫌気性のバクテリアが繁殖するため水質を安定させる効果が非常に高いです。
高価なため外部フィルターの一角に入れるなどのピンポイント使用がおすすめ。
シーケム デ・ナイトレイト
「シーケム デ・ナイトレイト」は、マトリックスよりもさらに脱窒効果に優れたろ材です。
脱窒効果を持つ嫌気性バクテリアが繁殖しやすいような構造になっているようですね。
まとめ
*硝酸塩を減らしたいときは脱窒菌が繁殖するろ材を選ぼう
今回は硝酸塩を減らしたいときにおすすめのろ材を5種類ご紹介しました。
どれも優秀なろ材なので、組み合わせて使ったりするともっと面白いかもしれません!
ぜひあなたの水槽に合ったろ材を見つけてみてください!