というわけで今回はサンゴイソギンチャクが伸びてしまう理由についてお話しします。
本記事で分かること
・サンゴイソギンチャクが伸びる理由
・伸びてしまったらどうすればいい?
▼サンゴイソギンチャクの飼育法についてはこちら
サンゴイソギンチャクはなぜ伸びる?
サンゴイソギンチャクが伸びる理由は「光」です。
サンゴイソギンチャクは光合成をし、生きるために必要な栄養を得ます。
しかし今いる場所で必要な光量が足りない場合、より強い光を求めて身体を伸ばすのです。
ちなみにサンゴイソギンチャクに必要な光量は他のソフトコーラルと同程度で、強めのLEDで照らしてやれば十分です。
具体的にはグラッシーレディオrx072のようなスポットライトや、トライアングルLEDマリンのようなそこそこの光量を持つバータイプのLEDがおすすめです。
逆にメタハラなどの強すぎる光量を与えてしまうと強光障害といって、弱ってしまうこともあります。
▼こちらはソフトコーラルの飼育におすすめのLEDライトについての記事ですが、イソギンチャクについてもライトについては全く同じ目安で考えることができます。合わせてごらんください。
間延びとの違い
光を求めて身体を伸ばすといえば、同じような例としてマメスナギンチャクなどのソフトコーラルがあります。
▼マメスナギンチャクの間延びについて
これは光量がないため必要な栄養が作れず、より光を求めて弱々しくひょろ長に育ってしまったことによります。
サンゴイソギンチャクもこれと同じ「間延び」も理由として考えられますが、イソギンチャクは必要な光量がない場合、弱々しくしぼんだり逆に風船のように膨らんだりすることがあります(我が家のハタゴがこれでした)。
したがって光量不足による間延びではなく、サンゴイソギンチャクの伸びは光を求めての伸縮である場合が多いです。
これは水槽内の光量は足りているものの、サンゴイソギンチャクが光が当たりづらい場所に定着したために身体を伸ばして光を浴びにいく、という行動です。
実際我が家で飼育していたサンゴイソギンチャクでは、そのような行動が見られました。
サンゴイソギンチャクの特徴として、適度な水流とくぼみがある場所に定着しやすいというものがあります。
サンゴイソギンチャクはこの条件を満たす場所なら光は省みずに定着してしまうことがあり、そのような状態だと必要な光を求めて身体を伸ばします。
これがサンゴイソギンチャクが伸びる理由なのです。
伸びてしまったらどうすればいい?
イソギンチャクは元々伸び縮みや膨張・収縮が激しい生き物です。
今回紹介したような事例による伸びでなくても、サンゴイソギンチャクはよく大きくなったり小さくなったり、長くなったり短くなったりします。
これはイソギンチャクの生態行動ですので、伸び縮みが激しくても何日も縮こまっているとかでない限り、イソギンチャクの調子の心配はいりません。
したがって基本は気にしなくてよく、そのままにしておいても問題ありません。
また今回紹介した光を求めての伸びも、水槽内ではよくみられることなので心配はいりません。
ただ鑑賞において伸びたイソギンチャクの見た目が気になる場合は、光がよく当たる場所に定着させれば伸びは治ります。
具体的には、光がよく当たる場所にイソギンチャクの触手がなびく程度の適度な水流を当てて、ライブロックなどでくぼみを作ってやれば定着させやすいです。
▼サンゴイソギンチャクの移動と定着についてはこちら
また逆の事例として、光が当たっている時に縮こまって、当たらないときに膨らむということもあります。これは先ほども出てきた強光障害によるものだと考えられます。
総じて、イソギンチャクを見た目よく飼育するには適度な光、適度な水流、くぼみが必要ということですね。
まとめ
*サンゴイソギンチャクは光を求めて伸びる
*サンゴイソギンチャクは定着場所として光よりも水流とくぼみを重視する
*伸びても心配はいらない
*見た目が気になれば明るい場所に定着させれば伸びない
*光が強すぎて強光障害にならないように
サンゴイソギンチャクはイソギンチャク入門種とも言われますが、案外気難しい部分もあったりします。
その分うまく定着させて状態よく飼育できた時の喜びは大きいです。みなさんもサンゴイソギンチャクに良い環境を作ってあげましょう!