というわけで、今回はシュノーケルをするときに注意すべき「離岸流」とその危険性・対策についてお話しします。

本記事で分かること
・離岸流の危険性と対策について

離岸流ってそもそもなに?

離岸流とは、その名の通り海岸から離れる方向(沖)へ進む強い流れのことです。幅は10~30m程度、長さは数十m~数百m程度と局所的に発生するのが特徴です。
この離岸流に乗ってしまうと岸からどんどん離れていくので、夏のレジャーシーズンによく事故を発生させる原因にもなっています。
というわけで次からはジッサイに離岸流の原因と対策を紹介します。
離岸流が起きる理由
種類と原因
離岸流には大きく分けて「リップカレント」と「リーフカレント」の2種類があります。
それぞれ原因をお話しします。
リップカレント
リップカレントは通常の海岸において、まず海岸に打ち寄せてきた海水(向岸流)が岸と並行に流れ(並岸流)、それが集まったところから沖に帰っていくように流れるものです。

絵にするとこんな感じ。
リーフカレント
リーフカレントは日本では沖縄のようなサンゴ礁がある暖かい海で注意が必要なものです。
サンゴ礁がある海岸では、こんな感じで海岸から少し離れた場所に礁嶺(リーフ)があります。
リーフ内の礁池は波が穏やかで生き物も多いので、シュノーケリングなどのレジャーにぴったりです。


しかしリーフには切れ目(リーフギャップ)があり、この切れ目からリーフ外に向かう強い流れが「リーフカレント」です。

リーフカレントは満潮時にリーフ内にたまった海水が、潮位が下がっていくときにリーフ内から外洋に流れ出ようとするときに特に強く発生します。
また、波が高いときに波によってリーフ内に侵入した海水が外洋に流れ出ようとして発生することもあります。
対策について

海に入る前に…!
海のレジャーに行く旨を家族や知り合いに伝える
シンプルすぎて見落としがちですが、重要です。
事前に「○日の△時ごろ~□時ごろに、××県の●●海岸に、~~とシュノーケリングに行く」ということを誰かに伝えておけば、万が一流されてしまって連絡が途絶えたときに消防などに救助の連絡をしてくれる可能性が高いです。
初歩的ですが最悪の可能性を減らすことができるので、海のレジャーに行くときは必ず事前に「いつ、どこに、だれと、何をしに行くのか」を誰かに伝えておきましょう。
*誰かに海に行くことを伝える
事前の情報チェック!
次に重要なのは、離岸流が発生する可能性を理解しておくことです。
地形的に離岸流が発生しやすい海岸、そうでない海岸があります。
発生しやすい海岸では注意を呼び掛ける看板があることも多いので、海に入る前にそういった情報をきちんとチェックしておくことが重要です。

離岸流が起きやすい海岸はネットで有名になっていることも多いため、ネットで事前に情報を調べておくとさらに安心です。
また、特にリーフカレントは「満潮から干潮に向かう時間帯」「波が高いとき」に発生しやすいです。
そのため事前に潮位や波浪の情報のチェックをおすすめします。
*離岸流の発生情報
*潮位の情報
*波浪の情報
を事前にチェックしよう
シュノーケル・ライフジャケットを正しく着用する

もし流されてしまったときでも、シュノーケルやライフジャケットを正しく着用していて呼吸の確保が問題なければ、直ちに命にかかわることはありません。
呼吸さえ確保できていれば、落ち着いて対処することが可能です。
そのため特に慣れない方やお子さんは必ずライフジャケットを着用するべきですし、シュノーケルの正しい使い方を理解しておくことがとても重要になります。
▼シュノーケルの正しい使い方について!
Coming soon…
*シュノーケル・ライフジャケットは正しく着用しよう
それでも流されてしまったら
落ち着く!
まず重要なのは「あれ、なんか流されてるな」と思ったときにパニックにならないことです。
離岸流は確かに危険ですが、発生している場所は局所的です。離岸流のみに何十kmも流されてしまうことはありません。
そのため流されていることに気づいてもまずは落ち着くことを意識しましょう。

*流されてしまっても落ち着いて状況を把握しよう
横(岸と並行)に泳ぐ
落ち着いて状況を把握したら、次に岸と平行な方向に泳ぎましょう。
この対策は、リップカレントでもリーフカレントでも同じです。


離岸流の幅はせいぜい数十m程度なので、岸と平行に泳ぐことで沖への流れから脱することができます。
また離岸流の長さは長くても数百m程度なので、浮いたまま流されていればいずれ流れが弱い場所にたどり着きます。
そのため「流されなくなってきたな」と感じたら、岸と平行に泳ぎだして離岸流の流れから抜け出します。
抜け出したら今度は岸の方向に泳ぎだし、岸まで戻りましょう。
離岸流が起こっていない場所では流れが弱いか、または岸に向かう流れがあるため、体力に問題なければ岸に戻ることが可能です。
*岸と平行に泳いで流れから抜け出す
*抜け出したら岸に戻る
まとめ

離岸流について
*離岸流には種類があって、発生原因が異なる
*局所的に発生し、決まった場所で起きやすい
海に入る前に
*海のレジャーに向かうことを誰かに伝えておく
*事前にネット、看板等で情報をチェックしておく
*シュノーケルとライフジャケットを正しく着用
流されてしまったら
*流されてもまずは落ち着いて状況把握・呼吸の確保
*流れに逆らわず岸と平行に泳ぐ
*流れから抜け出したら岸に向かう
今回は離岸流の発生原因と対策について解説しました。
たしかに死亡例もある危険な流れですが、きちんと対策しておけば事故に遭遇するリスクを下げることができますし、事故になってしまっても最悪の事態になる可能性を下げることができます。
大切なのは離岸流について「正しく理解して」「むやみに恐れすぎず」そして「しっかりと海を楽しむこと」です。
しっかり対策してマリンレジャーを満喫しましょう!
▼シュノーケリングで気を付けるべき危険生物とその対策

▼シュノーケリングするときに必要な道具
