今回は甲殻類の脱皮不全とヨウ素不足についてお話します。
なお、この記事はオカヤドカリについてではなく、海水中に生息するヤドカリについての内容です。
本記事で分かること
・我が家で発生した甲殻類の大量死について
・原因はヨウ素不足?
・対策について
ヤドカリやエビの大量死事件
この記事の執筆時点(21/10)で2、3か月ほど前の話です。写真は残っていないのですが、ある日水槽を覗くとその時飼育していたツマジロサンゴヤドカリが殻から出てしまっていました。
なんとか殻に戻ってもらおうとしたのですが戻ることはなく、そのヤドカリはそのまま亡くなってしまいました。
その後同じような出来事が数件続き、さらにその時飼育していたイソギンチャクモエビまでもがある日、体の片側の脚を失った状態で見つかり、そのまま亡くなってまいました。
また数匹いたはずのスカーレットリーフハーミットクラブまでもがいつの間にか姿を消しました。
その結果「我が家の水槽にいた甲殻類がほぼ全滅する」という事態に陥ってしまったのです。
原因について
脱皮不全
この時起こっていたことが何かと考えると、それはひとつにたどり着きます。
ヤドカリが殻を保持できなくなる、あるいは殻から出てしまうというのは、それだけ弱っているということと、脱皮がうまくできなくて居心地が悪くて出てしまうということがあるようです。
またイソギンチャクモエビの脚がなかったのは明らかに脱皮の失敗によるものでしょう。
甲殻類は突発的な水質や比重の変化があったときに脱皮の準備ができていないのに脱皮してしまい…ということもあるようですが、この時そのような突発的な変化をもたらしたものについての心当たりがありません。
しかしいずれにせよ、この時の甲殻類大量死の主原因は「脱皮不全」ということになります。
ヨウ素不足?
ヨウ素は海中に微量しか存在しない成分ですが、魚やサンゴの健康維持や甲殻類の脱皮に必要不可欠な成分です。
しかし閉ざされた環境の水槽内ではすぐに失われてしまうため、欠乏が起こりがちです。
私はこれらを考えて、今回の大量脱皮不全死事件は、ヨウ素不足によって引き起こされたとの結論に至りました。
ここの中でも「ヨウ素は水槽内で欠乏しやすく甲殻類の脱皮に深くかかわる」というところがポイントになってきます。
対策について
甲殻類の脱皮不全を起こさせない対策法としては、やはり「水槽内に適切な量のヨウ素をしっかりと含ませておくこと」でしょう。
ではどうすればよいかということですが、ひとつは「水替えによる補給」です。
人工海水には必要な成分が含まれているので、水替えによってヨウ素を補給することでできます。
しかしヨウ素は特に水槽内から失われてしまいやすいということもあり、ヨウ素を保つためならかなりの高頻度(数日に1回とか)で水替えをしなければなりません。
そこでおすすめなのが「添加剤による補給」です。添加剤ならかかる手間はかなり少なくなります。
決して添加剤は万能ではないのですが、経験上、ヨウ素だけは添加剤を使ったほうがいいような気がしています。
ヨウ素の添加におすすめなのはこちらのパープルアップです。
パープルアップを使えばヨウ素に限らず、カルシウムやストロンチウムなどの多くの微量元素をまとめて添加することが可能です。
環境が整えば美しい石灰藻の増殖にも効果的です。
▼パープルアップのレビュー
我が家でも大量脱皮不全死事件以降、パープルアップの添加を開始したのですが、その後に導入したヤドカリの脱皮不全死は起こっていません。
ヨウ素の大切さを切に感じます。
▼切り口は違いますが、ヨウ素の重要性とおすすめの添加剤についてはこちらでもお話ししています。
まとめ
*甲殻類の大量死の原因は脱皮不全
*脱皮不全はヨウ素が不足しているか、急激な環境変化の際に起こりやすい
*ヨウ素添加には「パープルアップ」がおすすめ
ヤドカリやエビなどは意外とデリケートな生体で、急激な水質変化やヨウ素の欠乏には弱い面があります。
我が家ではパープルアップの添加開始以降、甲殻類の脱皮不全が起こっていないことからも、我が家での事件の原因はヨウ素不足であったことは確実でしょう。
必ずしも甲殻類の死亡の原因がこのヨウ素不足とは限りませんが、リスクを減らす意味や他の生体の健康管理の面でも、水槽内のヨウ素には気を配っておくといいかもしれませんね。