今回は共生ハゼ&テッポウエビに狙った場所に巣をつくらせる方法についてお話しします。
本記事で分かること
・共生ハゼ&テッポウエビに狙った場所に巣をつくらせる方法!
共生ハゼの巣について
「共生ハゼ」はご存じの通り、テッポウエビが砂を掘ってつくった巣に、周りの監視をする代わりにハゼが住まわせてもらう、という協力関係で生活しています。
▼共生ハゼについてや、おすすめの種類について詳しく知りたい方はコチラ
テッポウエビがつくる巣は下方向に70cm、横方向に1mにもなります。また、石やサンゴ骨格などの構造物があるとそれを基盤として巣の支えに使います。
水槽内で飼育していると、置いてあるライブロックを基盤としてその下に巣をつくることが多いです。
また、種類によるところも大きいですが、特にマリンアクアで飼育されることの多い種類は「砂と小石が混ざったような砂質」を好みます。
この写真はジッサイのダイビングで撮影したものですが、こんな感じで砂と小石が混じりあったような砂質の場所に生息する共生ハゼとテッポウエビが多いです。
このような巣の性質は、狙った場所に巣をつくるときに役立つ情報になります。
狙った場所に巣をつくらせる方法
構造物を用意しよう
ライブロックなどの構造物があると、それを基盤として巣をつくることが多いことを利用して、そのような構造物を用意してやるとその下に巣を作ってくれる確率が高いです。
特におすすめなのは「塩ビ管」。
巣と勘違いするのかわかりませんが筒状のものが好きなようで、塩ビ管を入れてやるとテッポウエビが巣として利用することが多いです。
我が家でもすでに3種類の共生ハゼが塩ビ管を巣として利用しているので、これはかなり人気のようです。
水槽内に人工的な構造物が入ってしまうので人によっては合わないかもしれませんが、共生ハゼとテッポウエビに狙った場所に巣を作ってもらうには非常に有効な手段と言えます。
なので小さな水槽では、水槽にひとつのライブロックや塩ビ管などの構造物を設置すればその場所に巣を作ってくれることが多いです。
砂質を調整する
テッポウエビは細かい砂と小石が混じりあったところに巣をつくりやすいです。
そのため、水槽に意図的にそのような場所を作ってあげることもおすすめです。
水槽全体の砂が細かめなら、意図的にテッポウエビに巣をつくってほしい場所に大きめの粒をばらまいておくことで、その場所に巣を作ってもらえるかもしれません。
必ずしもそこに作ってくれるとは限りませんが、例えば上で紹介した構造物による誘導と組み合わせれば、狙った場所に巣を作ってもらえる可能性は高くなるはずです。
まとめ
*テッポウエビは構造物を基盤として巣をつくる
*塩ビ管が結構好きらしい
*種類によるが、細かい砂と大きな粒が混じりあった環境が好き
ここで紹介した方法で必ずしも狙った場所に巣を作ってもらえるわけではありませんが、このように生態を知ってそれを活かす方法をとれば、生きものにとっても飼育者の人にとってもいい環境が築けるんじゃないかな、と思います!
この記事が少しでも皆さんの手助けになれば幸いです。
それでは、皆さんの水槽の共生ハゼとテッポウエビがうまく狙った場所に巣をつくってくれますように。
▼共生ハゼの飼育について
※本記事を執筆するにあたり使用した参考文献
林公義・白鳥岳明(2004)「ハゼガイドブック」阪急コミュニケーションズ
野村恵一(2003)「日本に産するハゼ類と共生するテッポウエビの分類学的検討」日本生物地理学会会報第58巻、49-70