【父島】アカガシラカラスバトは公園で会える絶滅危惧種〈マリラバ生物探訪〉

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アカガシラカラスバト Columba janthina nitens

アカガシラカラスバト Columba janthina nitens
目:ハト目 Columbiformes
科:ハト科 Columbidae
属:Columba属

小笠原でしか見られない固有のハト(正確にはカラスバトの固有亜種)で、その名の通り赤い頭と首元の青緑のグラデーションが美しいです。

人間が持ち込んだ猫やネズミの影響で、最も減った時期には数十羽にもなったとか。

これほどまでに数が減ったのは、地上に枝で簡単な巣を作り1つの卵を雌雄交代で大切に温めるという生態による、「繁殖力の弱さ」も影響しているかもしれません。

なお現在は保護活動により徐々に数を増やしています。

彼らは小笠原諸島では「あかぽっぽ」と呼ばれ親しまれています。

離島暮らしで天敵が少ないからか警戒心は薄く、撮影はしやすいです。じっくり観察していると、ゆったりと彼らの生活の一端を覗かせてくれます。

上の映像ではエサの果実をついばむ瞬間も映っていますね。

公園ではこんな感じで階段を歩いていることも。

ちなみにこの子を観察したのは市街地の大神山公園ヒメツバキの谷です。

あかぽっぽはうっそうとした森を好み、大神山公園、東平サンクチュアリ、小港海岸などで見られます。

大神山公園では朝の時間帯によく見られるようですね。私が観察したのも朝の7時頃でした。

ちなみに私は大神山公園の他では釣浜に向かう階段の途中でも出会うことができました。案外色々なところにいるみたいです。

そのときは、ガサガサと音がした方向を見るとあかぽっぽが地上を歩いている、というような感じでした。かわいかったです。

木の実(ムニンシロダモ?)をついばむアカガシラカラスバト

ちなみにあかぽっぽは足輪の調査によってとても行動範囲が広いことが分かっています。

父島から兄島・弟島、50km離れた聟島や母島、最長では230km離れた北硫黄島でも見つかっています。

これは季節によって島ごとにエサがある時期とない時期があることにより、島を移動してエサを確保しているためと考えられています。

羽づくろいをするアカガシラカラスバト

絶滅危惧種ながら父島では市街地の公園でも普通に見られるあかぽっぽたち。

時間帯と場所を選べば案外簡単に観察できますので、ぜひ彼らに会いに行ってみてください!

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