今回はキイロサンゴハゼの飼育法とその際の注意点についてお話しします。
本記事で分かること
・キイロサンゴハゼの特徴
・飼育に必要な環境
・飼育法
・飼育の注意点
キイロサンゴハゼの飼育まとめ
キイロサンゴハゼの飼育について簡単にまとめてみました。
水槽の大きさ | 30cm水槽~ |
---|---|
環境変化に強いかどうか | 強い |
水温 | 25℃ |
食性 | プランクトン・小型甲殻類食/肉食 |
性格 | なまいき |
魚や他の生体との相性 | 他種:魚食性の種以外であれば特に問題はない 同種:避けた方がよい |
サンゴとの相性 | 悪くはないがよくもない |
特記事項 | 皮膚に毒を持つ |
これらについてこの先でお話ししていきます。
キイロサンゴハゼの特徴
見た目
キイロサンゴハゼは枝状のサンゴに生息するハゼの仲間で、大きさは最大で4cmほどと非常に小さなお魚です。
その黄色い姿と、ほのかにピンクに染まったほっぺが非常にチャーミングなお魚です。
水槽にサンゴがあれば、その上にちょこんと乗っている姿をよく見ることができます。
キイロサンゴハゼを入手する
海水魚を販売しているショップや通販などで購入できます。
人気のお魚なので高頻度で入荷します。値段は1匹1000~2000円くらいです。
キイロサンゴハゼの飼育について
必要な水槽の大きさ
キイロサンゴハゼは小型種ですし、環境変化に対しても丈夫な方です。
したがって30cmキューブ水槽くらいから飼育可能です。
食性・エサ
キイロサンゴハゼは餌付きにくいと言われることが多いですが、慣れれば人工餌も問題なく食べてくれます。
個体によっては初めから人工の粒エサを食べてくれる場合もありますが、最初は冷凍ブラインシュリンプを与えて徐々に粒エサに移行していくのがおすすめですね。
餌付け中でも他の魚にあげるための粒エサに勝手に反応してくれることもあります。
粒エサに移行後のおすすめはメガバイトレッドSです。
キイロサンゴハゼは体も小さいので、メガバイトレッドSのような小さな粒エサがおすすめですね。
混泳について
他種混泳
他種との混泳は、キイロサンゴハゼを食べてしまうような魚食性のお魚でなければまず問題ありません。
ただ我が家では、キイロサンゴハゼと同じくらいの大きさのカクレクマノミの幼魚にちょっかいを出しているのを見たことがあります。
まあ、所詮はハゼなのでそこまで好戦的ということはなく、自分の縄張りであるサンゴの近くに自分と同じくらいの大きさの魚が来た場合は追い払うこともあるみたいですね。
追い払うだけで、殺してしまうことはないのでそこまで心配はいりません。
同種混泳
避けた方がよいです。
ハゼの仲間なので、同種とは激しく争う可能性があります。水槽が大きくない限りは1つの水槽には1匹までにとどめた方がよいでしょう。
水槽が大きく、複数匹の縄張りを維持できるくらいのスペースがあれば複数飼育も可能です。
サンゴとの混泳
多少の注意が必要です。
キイロサンゴハゼは自然界では枝状のミドリイシの枝の隙間に生息するお魚。エサは水中を漂うプランクトン、ミドリイシの粘液やそれに付着した有機物などです。
しかし水槽内では、ミドリイシがなくても枝状のサンゴがあればその隙間に住み着き、枝状のサンゴがなくても他のサンゴの上に乗っかります。
そのため乗っかられたサンゴのポリプを閉じてたり、すぼませたりしてしまうのです。
例えばトサカの仲間などの枝状のサンゴがあればその中に住み着きます。またクサビライシやキッカサンゴ、カクオオトゲキクメイシやマルハナガタサンゴなどの乗っかることのできるサンゴには容赦なく乗っかります。
ソフトコーラルならまあ大丈夫ですが、ハードコーラルの中でも繊細な種類はこれを嫌がる可能性があります。
またキイロサンゴハゼはサンゴの粘液に捕らえられた有機物などもエサとするようで、水槽内でも時折サンゴにかじりつくような行動を見せます。
粒エサやブラインシュリンプがサンゴにくっついているときは特に顕著ですね。
これをやられるとサンゴが食べるはずだったエサも奪われてしまいますし、サンゴのポリプも一気にすぼみます。
特にこれによってサンゴが死んでしまったことはまだないですが、サンゴにとってストレスはかかるはずなので、注視しておく必要があります。
いずれにせよサンゴとの相性は良好、とは言い切れないですね。かといって悲観しすぎる必要なはなく、常に注意を向けておけばよいくらいでしょうか。
環境変化・水質悪化に強い?
かなり丈夫です。
ハゼ類の例に漏れず丈夫なお魚なので、ろ過についてもふつうの海水魚が飼育できるくらいの水質が用意できれば問題ありません。
▼水槽のろ過を担うフィルターについてはこちらで詳しく解説しています。
水温について
適切な水温は25℃です!
この値をキープできるように、ヒーターやクーラーで管理しましょう。1日での変化量が大きかったりすると弱ってしまう可能性もあるので、なるべく変化させないようにするのが基本です。
▼水槽用のヒーター・クーラーについてはこちらで詳しく解説しています
水換え
水換えは怠らないようにしましょう。
水換えは硝酸塩の除去だけでなく、水質のリセットや微量元素の補給も兼ねているので、定期的に水換えをすることをお勧めします。
▼水換えの適切な頻度について
特筆すべき飼育の注意点
サンゴとの相性に注意!
先述しましたが、サンゴに乗っかって生活するほか、サンゴについた有機物をかじりつくようにして食べることがあります。
デリケートなサンゴはダメージを受ける可能性もあるので、注意が必要です。
まとめ
*初心者さんでも飼育しやすい
*サンゴに乗っかる姿がかわいい!
*30cmキューブ水槽でも飼育可能
*水温は25度が安定
*エサはブラインシュリンプまたは粒状の人工餌がおすすめ
*他種混泳は魚食性のお魚のみ注意
*同種混泳は注意が必要
*サンゴとの相性に注意!
キイロサンゴハゼはその派手な体色とサンゴにちょこんと乗る姿がかわいいチャーミングなお魚です。
非常に飼育もしやすく手に入りやすいお魚なので、皆さんもぜひ飼育してみてください!