今回は海水水槽での利用におすすめなバクテリア剤を3種類紹介していきます。
本記事で分かること
・海水水槽でおすすめのバクテリア剤
・それぞれの商品の使い方や、向いている使い方
おすすめのバクテリア剤3選
【硝化菌】GEX「サイクル」
サイクルはGEXさんから販売されているバクテリア剤です。
ラインナップは120mL、250mL、500mLがあります。
特徴としては好気性のバクテリアとしてメジャーな「ニトロソモナス」や「ニトロバクタ―」など、全5種類のバクテリアが入っているようです。
サイクルは、お魚の排せつ物や残りエサを速やかに「アンモニア→亜硝酸→硝酸」と分解していく硝化菌に特化していることが特徴です。
淡水でも海水でも、水槽のろ過において最も重要なのがこの硝化菌の存在です。猛毒のアンモニアや亜硝酸を分解してくれるバクテリアの存在はなくてはならないですからね。
しかし水槽立ち上げ初期はこれらのバクテリアの数が少ないので、水槽環境が不安定になりがちです。
そこでこのサイクルで硝化菌を補給してやると、水槽の立ち上がりが早くなったり、立ち上げ初期の安定感を高めることができます。
使い方としては、水槽セット時の初日は飼育水10Lあたり10mL、2、3日目は10Lあたり4mLが目安で、多少多くなってしまっても問題ないようです。
そして水換え、足し水時は10Lあたり2mLが目安です。
総じて水槽のろ過が不安定な時におすすめのバクテリア剤といえますね。
【脱窒菌】べっぴん珊瑚「土壌バクテリア F1」
土壌バクテリアは、サンゴ飼育で実績のある添加剤ブランドの「べっぴん珊瑚」の中のひとつです。
300mL入りのものが販売されています。
「土壌」というのは土壌の改善バクテリアという意味らしく、海水水槽用に好気性バクテリアと嫌気性バクテリアがバランス良く配合されています。
中でも嫌気性バクテリアの「脱窒菌」がメインとなるバクテリアで、この脱窒菌は水槽内の硝酸を還元し大気中に戻す働きをします。
なので、この土壌バクテリアの添加によってろ過の最終的な産物である硝酸を減らす効果があります。
水槽の大きさにもよりますが、我が家(総水量130L)でこれを使っていた時はキャップ半分から1杯程度を週に2、3回添加していました。
楽天市場でのレビューを見ると「コケが減った」「水が輝いて見える」などの好意的なものが多いです。
水が輝くかどうかはわかりませんが、これを使っていて私が感じるのは明らかにコケが減るということですね。これを使ってからコケの発生量が明らかに減っています。
また硝酸も測定する限り低く抑えられています。
脱窒菌に限らず、水質の安定を求める方には「土壌バクテリア」はこれ以上ないほどおすすめです。
もちろん、水槽の立ち上げ時に使っても水質の安定が図れます。
▼土壌バクテリア。楽天で販売しているのはアクアギフトさんのみのようです
【多様なバクテリア】「ビオアクアマリン」
ビオアクアマリンは有名海水魚ショップのナチュラルさんプロデュースのバクテリア剤で「食べてろ過するバクテリア」と銘打たれています。
内容量は20gです。
その特徴はどれか数種類のバクテリアに特化したものではなく、あらゆる種類のバクテリアが入っているということにあります。
含まれているバクテリアは、ナチュラルのリンタロウさんのブログによると
乳酸菌、酵母菌、たんぱく質分解菌、脂質分解菌、デンプン分解菌、セルロース分解菌、亜硝酸菌、硝酸菌、脱窒菌
窒素固定菌、マンガン酸化菌、マンガン還元菌、硫黄細菌、鉄酸化菌、鉄還元菌、硫酸還元菌、酢酸菌 などなど
と、本当にすごいです。何らかのバクテリアに特化したバクテリア剤は今までもあったんですが、こうして多様性を重視したバクテリア剤はほかにありません。
バクテリア界もダイバーシティの尊重が必要な時代になってきたんでしょうか…
このバクテリアの多さによって、ビオアクアマリンを添加することによる水槽内の生物相を強化する効果が非常に高いんです。
水槽内は自然界と異なる環境のため、自然界では絶妙に成り立っているバクテリアバランスが偏りがちです。
それによって例えばシアノバクテリアや、ダイノス、コケなど、特定の生物種が爆発的に増殖してしまう可能性があるんです。
白点病の原因となる白点虫などもそうです。
実際に我が家では生物相の偏りにより、悪名高きダイノスが大繁殖してしまっていました。
しかしこのビオアクアマリンの添加によって、ダイノスの勢いを弱めることに成功したんです。
▼ビオアクアマリンでダイノスが減った話
ビオアクアマリンのすごい点はもうひとつあって、それは魚に食べさせることで最大の効果を発揮するという点ですね。
方法としてはいつものお魚のエサに5~10%程度混ぜる感覚で2、3日に1回の添加を行います。
お魚さんがエサと間違えて食べることで魚の腸内で活性化し、魚の健康を整えるとともに糞として出てきた後には水槽のろ過に貢献するようです。
もちろん、魚が食べないでそのままでも水槽内で活性化し効果をもたらします。
偏りがちの水槽の生物相を強化する目的にはもってこいのバクテリア剤ですね。
特にダイノスやコケを減らす効果はとても実感しています。
もちろんそんな問題がなくても、水槽の環境をより自然界に近づけて、全体的な水槽の調子と安定感を引き上げるのには非常に有効なバクテリアだと感じます。
ナチュラルさんの販売ページはこちら
まとめ
*水槽立ち上げ初期におすすめな硝化菌「サイクル」
*コケ・硝酸塩対策におすすめな「土壌バクテリア」
*水槽全体の調子を引き上げる、圧倒的な生物相の強化力「ビオアクアマリン」
今回は海水水槽で使うのにおすすめのバクテリア剤を3種類紹介しました。
どれも非常に優秀で、しっかりと住み分けができているので目的別に使い分けるとGOODだと思います。
なかでもおすすめは「ビオアクアマリン」ですね。
どのバクテリアも水槽環境の安定にもたらす効果が非常に高いので、気になったらぜひ使ってみてください!
水槽の初心者です。ご質問させてください。
硝酸塩対策の土壌バクテリア自体を培養する事は難しいのでしょうか??
コメントありがとうございます!
土壌バクテリアを入れた時点で水槽内に脱窒菌を持ち込めていると考えられるので、それが水槽内のライブロックの中や底砂の中に入り込み、増えるという可能性は考えられます。
なのでそもそも水槽内に脱窒菌を導入さえすれば、その効果は継続的に見込めると考えるのが妥当です。
土壌バクテリアのみ別で培養する、というのは不可能というか、販売者のミニミニさんがどのように扱っているのかわからないのと、バクテリアの個人培養をすると何か変なバクテリアが入って増えてしまうリスクもあるので、現実的には不可能でしょう。
あと、水槽内はずーっと同じ環境が続くので、生息するバクテリアや微生物が単一化して悪い影響を及ぼすことがあります。そのため定期的にバクテリアを導入して、環境をリセットするのも良い状態を維持するのに役立つ手段です。
そう考えると個人で培養したものよりは、値段はかさみますが毎回購入して導入するのが安全かつ優良な方法と言えるかもしれません!