というわけで今回はソフトコーラルへの添加剤についてお話しします。
本記事で分かること
・ソフトコーラルに添加剤が必要かどうか
・添加したほうがよい成分
・おすすめの添加剤
ソフトコーラルに添加剤は必要?
結論から言うと、
ほとんどのソフトコーラルにおいて添加剤は必要ありません。
ソフトコーラルは丈夫な種類が多く、ハードコーラルのようにしっかりとした骨格を持たないため必要とする成分が少ないからです。
添加剤の目的は水槽内の成分の補給ですから、そもそも多くの成分を必要としないソフトコーラルに添加剤は必要ないということになるのです。
実際に水替えをせずに古くなってしまった水でも元気に飼育できる種類もいます。
ただ、全く必要ないというわけではなく、水替えをしないでいると調子を崩したりやせてしまうソフトコーラルもいます。硝酸塩も高すぎると悪影響です。したがってソフトコーラルの飼育においても水替えに関してはしっかりと行いましょう。
魚の数や水槽の大きさにもよりますが、硝酸塩が増えすぎてしまわないなら週に水槽の総水量の10%程度の水替えで十分です。
▼水槽管理における適切な水替えについてはこちら
人工海水の中には海水魚やソフトコーラルが必要とする成分はすべて含まれていますので、基本的には水替えですべて対処できます。
しかし例外もあります。
添加したほうがよい成分もある
基本的にはそうなんですが、唯一添加したほうがいい成分は「ヨウ素」です。
ヨウ素は重要な成分です。自然界の海水中には0.000005%しか含まれていない(wikipediaより。MarineLoves調べ)にも関わらず、魚やソフトコーラルを含むサンゴの活力維持・成長に必須で、甲殻類に至ってはヨウ素がないと脱皮不全になってしまいます。
それなのにもかかわらず、水槽内ではすぐに失われてしまいます。
消費量が多く、反応性の高さから有機物と結合してプロテインスキマーや活性炭によって取り除かれてしまうのです。プロテインスキマーがついている水槽では水替えをしても1日で失われてしまうという話もあるほどです。
また、光合成や魚の体調維持に必須な「マグネシウム」や、その他あらゆる「微量元素」も、ソフトコーラルの飼育には必要になってきます。
成分が不足すると…
これらの成分が不足すると、ソフトコーラルとはいえ瘦せたり、ポリプの開きが悪くなったり、最悪死んでしまうこともあります。
我が家では実際に、ソフトコーラルである「カワラフサトサカ」が痩せてしまい困っていたところ、添加剤によって元のぷっくりした姿に戻ったことがあります。
添加剤のメリットとは
ソフトコーラルや海水魚の飼育において添加剤最大のメリットは、「水槽の水換えまでの期間を延ばせる」ということです。
面倒な水換えの手間を減らしても、毎日の添加剤で水槽の環境を維持することが可能です。
また、先ほども紹介したように「必須なのにすぐになくなってしまう成分の補給」というのも、添加剤の大きな目的のひとつといえるでしょう。
添加剤の使用において気をつけなければならないこと
添加剤の使用において最も気をつけなければならないのが「過剰添加」です。いくら生体によい成分だからといって添加しすぎると、コケの大発生や最悪は生体の死亡など、水槽崩壊を招きます。
商品ごとに示されている添加量は必ず守りましょう。
またもうひとつの気をつけるべきことは「水換えを完全に無くせるわけではない」ということです。
確かに水換えの頻度は減らせますが、添加剤とはいえすべての成分をカバーできるわけではなく限界はあります。何か問題が起きたときに頼れるのは結局のところ水換えです。
頻度は減らしたとしても、定期的な水換えもきちんと行いましょう。
▼添加剤を添加していても不調になってしまったカクオオトゲキクメイシの話。水換えで復活した
▼適切な水換え頻度について
ソフトコーラルにおすすめの添加剤
今回は、ヨウ素を中心に、マグネシウムやその他微量元素を補給できる添加剤を紹介していきます。
アイオディオン
マーフィードさんから販売されている添加剤「ブライトウェル」シリーズのひとつで、ヨウ素の添加剤です。
高濃度で、天然のヨウ化物から作られているため効果的に作用します。
ブレンドアイオダイン
ライブシーさんから販売されています。
シンプルなヨウ素添加剤です。アイオディオンが250mLしかないのに対しこちらは量が多いものもあります。
水槽が大きな方や何本も運営されている方など普段の添加量が多い方にどうぞ。小さめサイズもあるためお試しにもおすすめです。
▼100mL
▼250mL
▼1000mL
パープルアップ
カルシウム、ストロンチウム、ヨウ素を中心としてあらゆる成分を含んでいる総合型添加剤です。我が家でも利用しています。
ヨウ素の補給に限らず、その他多くの微量元素も同時に補給できるため非常におすすめです。
▼120mL
▼240mL
▼480mL
▼パープルアップを添加した効果について
▼パープルアップの添加によるヨウ素の補給で、ヤドカリの脱皮不全を抑制できた話
海養水
マグネシウムを中心とした塩化ナトリウム以外のあらゆる成分を補給します。私も利用しています。
こちらもマグネシウムを含めたほぼ全ての微量元素を補給できるため、非常におすすめです。
私の水槽(総水量140L)だと450mLでも3ヶ月ほどで使い切ってしまうのが玉にキズですが、週に1、2回の添加で水槽内のマグネシウム、微量元素を調節できるので簡単でとっても楽です。
ヨウ素の含有量は少ないようなので、先ほどのパープルアップとセットで使うのがおすすめです。
▼450mL
リプレニッシュ
リプレニッシュは先ほども紹介した「ブライトウェル」シリーズのひとつで、こちらは微量元素添加剤です。
29種類の微量元素を海水と同比率で含んでいて、逆に必要ない成分は徹底的に抑制されています。
微量元素の添加を確実に、効果的に行いたい場合におすすめです。
▼250mL
▼500mL
まとめ
*ソフトコーラルには基本的には添加剤は必要ない。
*ヨウ素などの一部の成分は添加したほうがよい
*添加剤により水替え頻度を減らせる
*過剰添加はNG
*水替えが必要なくなるわけではない
*ヨウ素添加にアイオダイン、ブレンドアイオダイン
*微量元素にリプレニッシュ
*ヨウ素中心の微量元素はパープルアップ
*マグネシウム中心の微量元素は海養水
ソフトコーラルは添加剤無しでも維持が可能ですが、添加剤の使用で水槽の環境を整えたり水替えの手間を減らしたりすることが可能です。
特におすすめなのは私も利用している「パープルアップ」と「海養水」のセット利用です。
この2つだけで水槽内のあらゆる成分を補給できるので、ソフトコーラルや海水魚の飼育であれば卓越した効果を発揮してくれます。
ちなみに我が家で痩せたカワラフサトサカを復活させたのもこのセットです。
気になったらぜひ添加剤を用いてみてください。
それでは皆さんがよいサンゴライフを送れますように。
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