今回は小型水槽でのハタゴイソギンチャクの飼育について紹介します。
本記事で分かること
・ハタゴイソギンチャクの飼育について【簡易版】
・ハタゴイソギンチャクを小型水槽で飼育するポイント!
ハタゴイソギンチャクの飼育について
まずはハタゴイソギンチャクの飼育について簡単にまとめていきます。
水槽の大きさ | 30cm水槽~ |
---|---|
環境変化に強いかどうか | 比較的強い |
水温 | 25℃ |
光 | 強い光が必要、白めの浅場系ライト推奨 |
水流 | 弱めでもいいが必要 |
食性/おすすめエサ | 肉食性/与えなくても大丈夫だが、与える場合はアネモネペレットなど |
魚との混泳の相性 | クマノミ類以外は捕食してしまう可能性がある |
サンゴとの相性 | サンゴに触れると弱らせてしまうことも |
特記事項 | 移動性は他のイソギンチャクよりも低め |
総合飼育難易度 | ★★★☆☆ |
こんなところでしょうか。
詳しい飼育法については他の方の記事でも紹介されていますし、MarineLoversでもいずれ紹介しようと思います。
我が家の環境を紹介
我が家では45cm規格水槽(約35L)でハタゴイソギンチャクを飼育しています。
ろ過は外部フィルター(GEX メガパワー6090)のみ。
まとめるとこんな感じです。
水槽の大きさ | 45cm規格水槽(約35L) |
---|---|
環境変化に強いかどうか | 外部フィルター(メガパワー6090) |
ヒーター | NEWセーフカバーヒートナビ120 |
クーラー | クールウェイBK110 |
水流ポンプ | ボイジャーナノ1000(850L/h) |
ライト | グラッシーレディオ RX122リーフ / RX072eディープ |
お魚 | カクレクマノミ / ブラックオセラリス |
その他生体 | ヤドカリ数十匹 / ムシロガイ数匹 / マガキガイ1匹 |
サンゴ | マメスナ / スタポ / ハナヅタ / ディスク / バブルディスク |
また、この水槽にサイズアップする前は30cmキューブハイタイプ水槽(30×30×40cm、約32L)で4ヶ月ほどハタゴイソギンチャクを飼育していました。
その時はろ過は外掛けフィルター「簡単ラクラクパワーフィルターL」のみで飼育していて、水流ポンプもなしでした。
飼育のポイント
ここからは小型水槽でハタゴイソギンチャクを飼育するポイントについて紹介します。
小さめの個体を選ぼう
ハタゴイソギンチャクは非常に大きく成長するイソギンチャクで、自然界では直径60~80cmにもなります。
販売している個体は小型のものが多いですが、30cmくらいの大きな個体が販売されていることもしばしば見かけられます。
しかし小型水槽で大型の個体の飼育には無理もありますし、後述する「水流ポンプ巻き込まれ」リスクも上がってしまうので、小型水槽では10cm~程度の小型個体の飼育にとどめるのが無難です。
水質はシビアになりすぎなくてもOK
「ハタゴイソギンチャクと言えば清浄な海水が必要!」と思われがちです。
しかし我が家で外掛けフィルターや外部フィルターのみでの飼育が行えている現状を考えると、水質に関しては意外と耐性が高いようです。
もちろん硝酸塩が検出されないようなきれいな水質であればそれに越したことはないですが、シビアになりすぎる必要はないと思います。
▼通常の小型海水水槽と同じような管理で大丈夫
上の写真はちょうど干潮時の海岸で撮影した写真で、水深30cmほどしかない場所に生きていたカクレクマノミ家族とハタゴイソギンチャクです。
一時的な干潮とは言え、このような環境では水温・比重がかなり乱高下します。またここは人がとてもよく訪れる海岸だったので、水質に関しても良いとは言えないはずです。
自然界のカクレやハタゴがこんな環境で生きていることを考えると、水槽内で強健なことも少しうなずけるかもしれません。
ここからは一応私の考えなので、必ずしも合っているとは言えないかもしれません。
というのも、ひと昔前はハタゴイソギンチャクは薬物採取されていたり、無理やり引っぺがされて弱っていたりと、あまりよくない形で採取されていることが多かったようです。
おそらくこのせいで飼育開始後にすぐ落ちてしまう個体が多く、そのため難しいと考えられがちだったのではないか、と私は考えています。
現在もないとは言えませんが、このようなことは減っており、外国産の比較的安価な個体でも長期飼育を目指せるような環境になっているようです。
我が家で飼育している個体も5000円くらいの安価な海外産の個体ですが、普通に元気です。
水流は全くないということでなければOK
水流に関しては多少融通が利くようで、ないということでなければ大丈夫です。
我が家では外掛けフィルターからの水流のみでも十分に飼育できていました。
ただ、一応触手が適度に揺らぐくらいの水流はあったほうがよく、現在は我が家の45cm水槽では小型の水流ポンプを使用して適度に水が回るようにしています。
▼小型水槽におすすめの水流ポンプ
光量が最重要
ハタゴイソギンチャクの飼育に最も重要なのが「光」です。
先ほど海岸で撮影したハタゴの写真を載せましたが、そのような環境では太陽光も非常に強いものになっています。
ハタゴイソギンチャクは自然界ではそのような環境で光合成をして生活しているので、水槽での飼育でも光が弱いと長期飼育は厳しいと考えられます。
我が家ではハタゴ用のライトとしてボルクスジャパンさんの「グラッシーレディオRX122 リーフ」を使用しています。
このライトで問題なく2年以上飼育できていますね。
ハタゴはかなり浅場にも生息しているので、ライトは「RX122 リーフ」のような浅場系の白みの強いフルスペクトルのライトがおすすめです。
▼RX122 リーフのレビュー
▼グラッシーレディオの選び方について
混泳魚には注意!
ハタゴイソギンチャクは触手の粘着性・毒性が非常に高いイソギンチャクなので、クマノミ類以外のお魚は触れると肌がキズついたり、最悪そのまま食べられてしまいます。
特に小型水槽では混泳魚の被食リスクが高いので、クマノミ類以外との混泳は避けるほうが無難でしょう。
移動性は低いが…?
ハタゴイソギンチャクは他のイソギンチャクに比べると移動性が非常に低いイソギンチャクです。
▼例えばサンゴイソギンチャクはとてもよく移動するイソギンチャク
ただ移動しないとは言い切れず、まれに移動することがあるようです。
そのような場合に気をつけるのはやはり「水流ポンプ巻き込まれ」でしょう。
イソギンチャクの飼育で最も気をつけるべきなのがこれで、我が家でもサンゴイソギンチャクの移動で巻き込まれが発生してしまったことがあります。
対策としては水流ポンプに網をかけるといったことがありますが、「レイアウトによる対策」もおすすめです。
こんな感じで水槽の真ん中にライブロックをどかんとおいてそこにハタゴイソギンチャクを活着させれば、移動する余地がなくなり水流ポンプに届く可能性も下げられます。
これで完全に防げるというわけではありませんが、このようなレイアウトによる対策は有効だと思います。
おすすめ通販
通販で購入する際におすすめなのは「アクアギフト」さんです。
海外産ですが、安価で高品質なハタゴイソギンチャクをコンスタントに販売してくれています。
安価にもかかわらず雑に扱われているというようなことはなく、調子のいい個体を届けてくださいます。
まとめ
*ハタゴイソギンチャクは小型水槽での飼育も可能!
*小さめの個体を選ぼう
*水質に関してはシビアになりすぎなくても大丈夫
*水流は弱くてもいいが必要
*大光量が必要!浅場系の白いフルスペクトルのライトを使用しよう!
今回はハタゴイソギンチャクの小型水槽での飼育についてお話ししました。
ハタゴイソギンチャクは難しいと思われがちですが、光にさえ気をつければ要求する環境は他のイソギンチャクと変わらないくらいだと感じます。
むしろ動き回りにくい分、他のイソギンチャクより飼育しやすいかもしれません。
個体選びに気をつければ小型水槽での飼育も十分可能ですので、ニモがイソギンチャクに入る様子が見たい!という方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。