というわけで、今回は海水水槽の立ち上げにおすすめの「ライブサンド」についてお話しします。
本記事で分かること
・ライブサンドとは
・海水水槽の立ち上げにライブサンドがおすすめの理由
・おすすめのライブサンド商品
ライブサンドとは
ライブサンドとは「バクテリア付きのサンゴ砂」のことです。
採取してきたサンゴ砂を、企業さんがすでに立ち上げてある専用のタンクに入れて養生し、バクテリアを付着させたものが多いです。
バクテリア付きなので、バクテリアを生かすために袋を開けると濡れた状態になっていることも特徴ですね。
それらを紹介していきます。
▼通常のサンゴ砂の効果と使い方についてはこちら
ライブサンドがおすすめの理由
洗う必要がない
普通のサンゴ砂では、混ざっているゴミや不純物、濁りを取り除くために水槽に入れる前にしっかりと洗う必要があります。
しかしライブサンドは洗う必要がありません。
というよりも、水道水で洗うと付着したバクテリアが死滅してしまうので、洗ってはいけません。
どうしても洗いたい場合は人工海水か、別の海水水槽の飼育水で洗うことになりますね。
しかしここは大きなメリットで、正直、サンゴ砂を洗うのはちょ~~~めんどくさい!本当にめんどくさい!
なので洗わなくてもいいのはめっちゃ楽です。
立ち上げ速度が速くなる
海水中ではバクテリアの繁殖が早くないので、海水水槽の立ち上げには非常に時間がかかります。
水槽をセットしてから魚を入れるのは最低2週間は待てとよく言われている気がします。
しかし、ライブサンドには元からバクテリアがついているのでこの立ち上げ期間の短縮が図れます。
まあ、ライブサンドを利用していても立ち上げ期間はしっかりと設けたほうがいいですが、水槽内の環境が安定するまでの速度は、ただのサンゴ砂より早いと感じます。
※ライブサンドについているバクテリアが餓死してしまうので、ライブサンドを立ち上げに使った時にはアンモニアを供給するために、パイロットフィッシュ然り何らかの生体は初めからいれておいた方がいいという意見もあります。
ライブロック無しでの立ち上げにも活躍
海水水槽の立ち上げには「ライブロック」を使用して、生物相の強化やバクテリアの供給を行うのが一般的です。
しかしライブロックを利用すると、ウミケムシなどの招かれざる客の侵入を防ぐことはむずかしく、自然物なので思ったとおりのレイアウトを作りにくいという欠点があります。
したがってライブロックレプリカ(ドライロック)での立ち上げを行うことで、招かれざる客が侵入することを防ぎつつ、自由なレイアウトを作成することが可能なんですね。
しかしこの場合、水槽内にバクテリアや多様な生物相を持ち込めないので、水槽の環境が不安定になりがちです。
そんな時に向いているのが「ライブサンドの利用」なんです。
ライブサンドを利用することでライブロック無しでも水槽内に多様なバクテリアを持ち込めるので、水槽環境の早期安定化を図ることができます。
またライブロック利用に際してのリスクもありません。ライブロックレプリカなら好きなレイアウトも組みやすいですしね。
したがってライブロックレプリカやドライロックなどを利用した、ライブロック無しでの立ち上げにはライブサンドの利用がおすすめです。
注意点も
病原菌侵入のリスク
ライブサンドには一応注意点もあり、自然界からそのまま採取してきたままの砂にバクテリアを付着させたものもあります。
なのでライブサンドの利用によって自然界に存在する病原菌をそのまま持ち込んでしまう可能性もあります。
例えば我が家ではライブサンドを使って立ち上げた水槽で、立ち上げ初期に軽く白点病が発生してしまったことがあります。
その水槽はライブロックを利用しない立ち上げだったので、白点虫は砂からの侵入でまず間違いないと思います。
▼白点病の対策には殺菌筒や、メディマリンを用いた食事療法もおすすめ。オキシドールによる治療にはデメリットもあるので注意
ただ、ライブロックを使用した水槽の立ち上げでも、有効な生物相だけでなく病原菌を持ち込んでしまうのも同じなので、ライブサンドだけをあまり気にする必要はないかもしれません。
おすすめのライブサンド商品
ここからは実際にライブサンドを使うときにおすすめの商品を紹介していきます。
ばくとサンド
charmさんから販売されている商品です。
サンゴ砂を天然海水の中で1か月以上ストックしてバクテリアを付着させたものが販売されているようです。
一番シンプルなライブサンドですね。
ライブアラゴナイトサンド
こちらもcharmさんから販売されています。
アラゴナイトサンドにバクテリアを付着させてライブサンド化したものです。
アラゴナイトサンドは簡単に言うと、質のいい炭酸カルシウムの砂です。
サンゴに限らず貝殻の破片なども入っており、pHを整える能力や、KHやカルシウムを飼育水に供給する能力が高いです。
サンゴ砂と違って粒の大きさを選ぶことはできませんが、バクテリア以外でも水質の安定や向上を求める場合におすすめですね。
▼アラゴナイトサンドについて
アラガライブ
カリブシーが製作しカミハタが販売している商品です。
公式サイトはこちら
粒が0.1~1.0mmのバハマオーライト、1.0~2.0mmのSPグレード リーフサンド、0.5~1.5mmのフィジーピンク、2.5~5.5mmのフロリダクラッシュドコーラルの4種類があり、どれもバクテリア付きです。
4.5kgと9.0kgの商品があります。
カミハタさんによるとコケの原因になる有機物、リン、窒素の含有量が少なく、微量元素やミネラルを砂から安定供給することが可能とされています。
また、ドライ状態のアラゴナイトに人工のバクテリア(おそらく人工繁殖したバクテリアってこと)を付着させているので、病原菌侵入のリスクも抑えられています。
個人的なおすすめはSPグレード リーフサンドかフロリダクラッシュドコーラルですね。
我が家の60cmワイド水槽(60×45×45cm)では、SPグレード リーフサンドの4.5kgを使っています。
厚さは1.5cmくらいでしょうか。
我が家ではミズタマハゼの働きで砂の汚れを掃除してもらって真っ白に保っています。
まとめ
*ライブサンドはバクテリア付きのサンゴ砂
*洗う必要がない!
*水槽の立ち上げに貢献する
*ライブロック無しでの立ち上げにも役立つ
*ばくとサンド、ライブアラゴナイトサンド、アラガライブなどがおすすめ
今回は海水水槽の立ち上げにおすすめの「ライブサンド」についてお話ししました。
正直、私は今後の水槽の立ち上げには絶対ライブサンドを使うと思っているくらいには便利な商品だと感じます。
立ち上げ後の安定はともかく、洗わなくていいのが最高ですね…。
皆さんもぜひ海水水槽の立ち上げ時には利用してみてください!
▼海水水槽の立ち上げに必要な物10選
▼アラゴナイトサンドについて
▼サンゴ砂の厚さはどれくらいがいい?