今回は小型水槽で海水魚を飼育するときに気をつけるべきことを紹介します。
本記事で分かること
・小型水槽ってどのくらい?
・小型水槽で海水魚を飼育するときに気をつけること
小型水槽ってどのくらいの大きさ?
あくまで私の意見ですが、海水水槽でいう小型水槽はだいたい水量が30L程度までの水槽だと考えています。
淡水水槽なら魚種によっては水量2Lとかでも飼育が成り立ったりしますが、海水魚は水質にシビアなため基本的には最低10L弱程度の水量が必要になってきます。
30Lをやや超える程度の水量の水槽は、30cmキューブハイタイプ水槽(30×30×40cm、約30L)や、45cm規格水槽(45×30×30cm、約35L)くらい。
というわけで、具体的には海水水槽における小型水槽は30cmキューブハイタイプ水槽や、45cm規格水槽以下の水槽ということに、この記事では定義します。
小型水槽で海水魚を飼育するときに気をつけること
というわけでここからはジッサイに小型水槽で海水魚を飼育するときに気をつけることについて紹介します。
比重の変化
小型水槽では蒸発によって水が減るのがとても速いです。というか、些細な蒸発でも水量が少ないので影響が大きい感じですね。
ジッサイ我が家の25cmキューブ水槽(約13L)では、毎日コップ1杯の水道水を足し水しています。
これを何日も怠ってしまうと、海水の比重が上がりお魚にとって住みにくい環境になってしまいます。
また比重を元に戻したとしても、その時の変化が急ならこれもまたお魚に負担がかかります。
水換えのときも、しっかりと飼育水と新しい人工海水の比重を合わせたうえで水換えをする必要があり、比重の変化が急激に起こらないように注意しなければならないんですね。
水温の変化
小型水槽は水量が少ない分、水温の変化が急です。
ヒーター・クーラーがもし故障したりしてしまって、それに気づくのが遅れると致命的になり得ます。
また水換え時も、夏や冬には水道水が極端な温水や冷水になっているときがあり、しっかりと飼育水と水温を合わせてから水換えをしなければなりません。
水換え時の水道水の水温が正しくないと比重も正しく測れないので、ここはしっかりやることをおすすめします。
水質の急激な変化・悪化
小型水槽は水量が少ないため、水質も急激に変化してしまう可能性があります。
例えば水槽にエサを与えすぎて残りエサがたくさん出てしまうと、一気に水質が悪化してお魚に悪影響が出る可能性もあります。
また水換え時にも、一気に水量の多くを水換えしてしまうと急激な水質の変化によりお魚にストレスがかかってしまいます。
これは人工海水の素を変更するとき(水質がけっこう変わる)や、添加剤を添加するとき(過剰添加だけはゼッタイNG)にも同じです。
飼育匹数の限界・混泳の相性
海水水槽での飼育匹数の上限は水量10Lで小型海水魚1匹と言われていますが、だいたいその通りで、小型水槽ではたくさんの海水魚を飼育することはできません。
水質悪化の問題があるからです。
魚種にもよりますが、30cmキューブ水槽でだいたい小型種5匹とかが限界ですね。
▼海水水槽で飼育できるお魚の数の目安はコチラ
またスペースが小さいために、海水魚の相性問題が顕在化しやすいです。
例えば我が家では以前、60cm規格水槽(60×30×36cm)でハタタテハゼとアケボノハゼを混泳していたとき、アケボノがハタタテをいじめてしまって困ったことがありました。
しかし60cmワイド水槽(60×45×45cm)に引っ越しをしてからは、お互いがお互いの視界に入らなくなったからなのか、喧嘩はほとんどなくなりました。
▼ハタタテとアケボノの喧嘩について
このように小型水槽では相性の良くないお魚同士の喧嘩が起きやすかったり、起きたときに弱い方が逃げ込める場所が少なかったりと混泳の問題は起きやすいです。
さらにそもそも小型水槽で飼育できる魚種はある程度決まってきます。
なので飼育する魚種についてはしっかり考える必要があるでしょう。
▼小型の海水水槽で飼育するのにおすすめの海水魚
まとめ
*蒸発や水換えによる比重の変化に注意!
*水換え時などの水温変化は小さく抑えよう
*エサの与えすぎや人工海水を変更するときなどの水質変化に気をつける
*飼育匹数や混泳相性、そもそも小型水槽で飼育可能な魚種なのかを事前にチェック!
今回は小型水槽で海水魚を飼育するときの注意点についてお話ししました。
ジッサイ小型水槽で海水魚を飼育すること自体は十分に可能なのですが、要求されることが多いので意外と難しかったりもします。
ただ小型水槽ゆえの取り回しの良さ(水換えが楽とか)は感じます。
もし初心者さんがこの記事を読んでいらしたら、個人的には30cmキューブハイタイプ水槽(30×30×40cm、約30L)で海水魚飼育を開始することをおすすめします。
30Lもあれば水質・水温はかなり安定しますし、高さがあるのでレイアウトにメリハリがつけやすいのがいい点ですね。
また45cm規格水槽(45×30×30cm、約35L)も、それ向けの商品が多くつぶしが効きやすいという点で非常におすすめです。
今回紹介したことに気をつければ十分に海水魚の飼育は可能なので、もしスペースがなくて大きな水槽が設置できないという方でも、ぜひ小型水槽で飼育を開始してみてください!
▼海水魚飼育を始めるときに必要なもの
▼ライブロックのレイアウトについて