今回はマメスナギンチャクの飼育法とその際の注意点についてお話しします。
本記事で分かること
・マメスナギンチャクの特徴
・マメスナギンチャク飼育に必要な環境
・マメスナギンチャクの飼育法
・マメスナギンチャクの増やし方
・飼育の注意点
▼海水魚飼育をはじめる時に必要なものをまとめています!「これから始めよう」という方は参考にしてください!
マメスナギンチャクの飼育早見表
マメスナギンチャクの飼育難易度についてまとめてみました。星の数が多いほど難易度が高いです。
水質 | ★☆☆☆☆ |
---|---|
光 | ★★☆☆☆ |
水流 | ★☆☆☆☆ |
エサ | ★☆☆☆☆ |
成長・増殖の難易度 | ★★☆☆☆ |
総合飼育難易度 | ★☆☆☆☆ |
マメスナギンチャクの特徴
見た目
小さな土管のような円柱状の身体の上に花が咲いたような見た目をしていて、たくさんの個体で集まって美しい群体をつくります。いろいろな色があり、マメスナだけを収集する人もいるほど美しいサンゴなんですよ!
たくさんの種類がある
マメスナには中国産、ベトナム産、フィジー産、沖縄産、USA産、オーストラリア産など多くの種類があり、それぞれ特徴があってどれも美しい見た目をしています。
またブリードが盛んに行われていて、とても高価で美しい種類なども存在します。
どれも飼育難易度は同じですが値段は違ってきます。見た目の好みと予算で相談して選ぶと良いでしょう。
▼こんな風にいろいろなカラーがある。
マメスナギンチャクを入手する
値段はサイズにもよりますが、ひとつの群体で数千円ほどです。プラグ付きで数粒のものなら数百円で売られていることもあり、手頃な種類と言えます。
人気の種のためコンスタントに入荷があり、実店舗でもcharmなどのネットショップでも容易に手に入ります。
マメスナギンチャクの飼育について
水槽
大きい水槽を必要としないため、30cmキューブ水槽程度で充分に飼育できます。
水質
マメスナギンチャクはサンゴの中では非常に強健です。水質の悪化にとても強く、マメスナギンチャクが飼えない水槽では他のサンゴの飼育は無理と言えるほどです。
サンゴ入門としての導入がおすすめできます。
硝酸塩が50mg/Lほど出ていてもピンピンしていますが、色合いは硝酸塩が低い方がきれいになるようです。
またマメスナギンチャクなどのソフトコーラルには硝酸塩などの栄養塩を利用するものもおり、逆に硝酸塩が全く検出されない環境には向いていないようです。
水質の悪化に強いサンゴなのでろ過方式は問いません。外掛けフィルターや外部フィルターでも簡単に飼育できます。
▼水槽のろ過を担うフィルターについてはこちらで詳しく解説しています。
水温
基本的には水温は25℃前後で管理するとよいです。
しかしマメスナギンチャクは水温の変化にもとても強いです。一度クーラーの故障で32℃まで水温が上がってしまったことがありますが、ウミキノコなどは縮んでいる中マメスナギンチャクだけはピンピンとしていました。
もちろんずっとそのままはよくないと思いますが、28℃ほどまでの環境であれば全く問題なく飼育できるでしょう。
マメスナギンチャクの飼育において、冬場のヒーターは必須ですが、冷却ファンで夏場の水温上昇を28度ほどまでに抑えられる環境であれば、水槽用のクーラーは必ずしも必要ではありません。
ウミキノコなどの他のサンゴは高水温に弱いものも多いので、同時に飼育する場合は水槽用のクーラーを用意しましょう。
▼水槽用のクーラーについて知りたい方はこちら
光
マメスナギンチャクは光合成をするので、飼育にはライトが必要です。
光にはあまりうるさくなく、光量の高くないLEDのなどでも十分に飼育できます。
しかしあまりに光量が低かったり、何かの影になったりして光が当たらなかったりするとマメスナギンチャクは光を求めてひょろひょろと伸びる「間延び」をしてしまいます。
▼マメスナギンチャクの間延びについてはこちら
また光量があるとマメスナギンチャクは積極的に光合成をし、増殖しやすくなるうえ色合いもよくなるため、光量はそこそこのものを用意するのがおすすめです。
具体的にはグラッシーソーラーや、グラッシーレディオ、トライアングルLEDマリンなどの光量の強いLEDや、蛍光灯などがおすすめです。
▼ソフトコーラルの飼育におすすめのLEDライトについてはこちらでさらに詳しくお話ししています。
水流
水流はほとんど必要ありません。全くないよりはある方がよいですが、強すぎてマメスナが岩から剥がれるようなほどは必要ありません。
わざわざ水流ポンプを用意しなくても、フィルターやプロテインスキマーからの水流で十分に飼育できます。
エサ
マメスナギンチャクの飼育にはエサはいりません。エサを与えなくても飼育可能ですし、増殖もします。
しかしリーフエナジーなどのサンゴフードや、粉末状のソフトコーラルフード、魚用のエサを砕いたものをスポイトで吹きかけたりしても包み込むようにしてよく食べ、よく増えます。
▼マメスナの給餌についてはこちら
おすすめのエサ
▼バイタリス ソフトコーラルフードはソフトコーラル用のエサ。粉末状で、飼育水と混ぜてスポイトで振りかけるように与える。
▼リーフエナジーはサンゴ用の液体フードで、水槽に規定量を入れるだけで給餌可能。
リーフエナジーは優秀なサンゴフードで、定期的に添加することでサンゴの成長スピードが速まります。値段も高くないのでおすすめです。
▼リーフエナジーのレビューはこちら
成長しやすさ
マメスナギンチャクはかなり増えやすいサンゴで、親株の根本から小さな子株がぽこっと出てきて、それが大きくなるというように増えていきます。
成長も早いので、気づいたら増えているということがよくあります。またエサを与えると増殖速度が上がるため、手っ取り早く増やしたいという方はエサを与えることをおすすめします。
▼マメスナの増やし方についてはこちら
水換え
水換えは怠らないようにしましょう。マメスナギンチャクは強健なサンゴですが、硝酸塩がたまって悪化した水質では色合いが落ちます。
また水替えをしないことで水中の微量成分が欠乏して成長できなくなってしまいます。
水替えについては水槽の大きさや飼育している魚の匹数にもよりますが、大体1週間に水槽の水量の10%程度の水替えがおすすめです。
硝酸塩については、試験紙や試薬を購入して適宜測定し、50mg/Lを超えるようでしたら水替えが必要です。硝酸塩は、この50という数字を超えないように水替えで管理するのが理想です。
安価なものでもよいので試験紙などを購入し、硝酸塩は測ったほうが良いです。
▼試験紙タイプのもの。結果は大雑把ですが、値段は安価で目安には十分とコスパは最強です。
▼試薬タイプのもの。値段は高いですがかなり正確に測れます。ステップアップにおすすめです。
▼硝酸塩について、またそれを減らす方法についてはこちら
飼育の注意点
光量が足りないと間延びする
先ほども書いたように、マメスナギンチャクは光量が足りないと間延びして茎が伸びてしまい、見た目が悪くなってしまいます。
間延びしても必要な光量が確保されれば元に戻るので、間延びしてしまったら諦めずにライトを用意しましょう。
チョウチョウウオやヤッコとの飼育には注意
チョウチョウウオ類やヤッコ類には、サンゴを食べてしまうものもいます。
マメスナギンチャクも標的になり得るため、混泳は避けたほうが良いでしょう。
キャメルシュリンプやペパーミントシュリンプとの飼育には注意
キャメルシュリンプやペパーミントシュリンプはカーリー対策としてよく水槽に導入されますが、エサがない場合マメスナギンチャクを食べてしまうこともあるようです。
混泳する場合は注意しましょう。
ヤドカリに乗られたり落とされたりすることもある
海水水槽でよく飼育されるヤドカリはサンゴの上に乗ったり、歩く過程でサンゴを落としてしまったりすることがよくあります。
これらはサンゴにとって当然ストレスになるため、よいとは言えません。
ヤドカリと混泳する場合は落とされないように水中ボンドで固定したりといった対応がおすすめです。
▼ライブロックなどへサンゴを固定するときにおすすめなアクアリウム用ボンド
接触に注意
マメスナギンチャクはそこそこの毒性があり、ウミキノコなどの毒性の弱いサンゴに接触すればダメージを与える可能性がありますし、逆にハナサンゴ類などの毒性の強いサンゴにはダメージを与えられてしまう可能性もあります。
サンゴ全般に言えることですが、ほかのサンゴとの接触には注意しましょう。
まとめ
*強健で飼育しやすい!初心者におすすめ
*30cmキューブ水槽でも充分に飼える
*水温は25度が安定
*エサは必要ないが与えるとよく増える
*光は強力である必要はないが弱すぎると間延びしてしまう
*水流はほとんど必要ない
*増やすためには微量成分・光・エサの3つが大事
*チョウチョウウオ類、ヤッコ類、キャメルシュリンプ、ヤドカリとの混泳には注意
*他のサンゴとの接触に注意
マメスナギンチャクは飼育が簡単なのに美しく、たくさんの種類がいて収集も楽しめるソフトコーラルです。
気になったらぜひ挑戦してみてください!
マメスナギンチャクが気になった方は、こちらから購入できます。