ハタタテハゼは海水魚飼育で初心者向けの魚として紹介されていることの多いですよね。今回は気になるハタタテハゼの飼育法とその際の注意点についてお話しします。
本記事で分かること
・ハタタテハゼの特徴
・ハタタテハゼ飼育に必要な環境
・ハタタテハゼの飼育法
・飼育の注意点
▼海水魚飼育をはじめる時に必要なものをまとめています。「これから始めよう」という方は是非参考にしてください。
ハタタテハゼの飼育まとめ
ハタタテハゼの飼育について簡単にまとめてみました。
水槽の大きさ | 30cm水槽~ |
---|---|
環境変化に強いかどうか | とても強い |
水温 | 25℃ |
食性/おすすめエサ | プランクトン等/メガバイトレッドS |
性格 | おくびょう |
魚や他の生体との相性 | 他種:気の強い種とは注意が必要 同種:注意が必要 |
サンゴとの相性 | 極めて良好 |
特記事項 | 慣れていないうちは隠れがち |
これらについてこの先でお話ししていきます。
ハタタテハゼの特徴
ハタタテハゼの見た目・大きさ
ハタタテハゼは最大で6~8センチほどになります。とても小型のお魚で、販売されているサイズも3~5センチほどと小さいです。
白地の体が、下半身のほうに行くにしたがって赤のグラデーションがかかるような見た目が非常に美しい魚でもあります。
ハタタテハゼの性格
ハタタテハゼはは非常に臆病です。環境によっては巣穴に引きこもってしまうこともあるほどです。
水槽に慣れるのにもある程度の時間がかかりますが、人工エサはすぐにエサと認識して食べてくれます。
しかし水槽に慣れれば前に出てきてきれいな姿を見せてくれます。
ハタタテハゼを購入する
ハタタテハゼは海水魚を販売しているショップや通販などで購入できます。
入荷は多く容易に入手できます。値段は1匹1000~2000円ほどです。
非常に丈夫な魚ですので、通販での購入でも弱ってしまうようなことはあまりありません。
ハタタテハゼの飼育について
必要な水槽の大きさ
ハタタテハゼは最大6~8cm程度の小さなお魚なので大きい水槽は必要ありません。
30cmキューブ水槽以上の大きさがあれば十分に飼育できます。
エサ
ハタタテハゼは人工エサを初めから食べてくれます。餌付けの心配はありません。
エサの量については、かわいくてたくさんあげてしまう気持ちは痛いほどよくわかります が、無秩序なエサやりは水質の悪化を招きよくありません。
魚たちが1分ほどで食べきれる量を、2、3回にわけて、1日に2回ほど与えましょう。
ハタタテハゼはエサのために水面まで来ることはあまりないので、浮くタイプではなく沈下性のエサを与えてあげましょう。水流にのせてあげると○です。また粒が大きいと食べられませんので小粒のエサがおすすめです。
おすすめは、食いつきがとっても良いメガバイトレッドSや栄養価の高いシュアーRです。コスパ重視なら安価で量の多いテトラマリン ミニグラニュールもおすすめです。何個かのエサをローテーションしてあげると飽きが来なくておすすめですよ!
▼食いつきが凄まじいメガバイト
▼栄養満点のシュアー
▼コスパ最強のミニグラニュール
ハタタテハゼの混泳について
他種混泳について
ハタタテハゼは自身は非常に温和で臆病なので、ほかの魚に攻撃を仕掛けることはありません。
しかしほかの魚にちょっかいを出されるとすぐに巣穴に逃げて引きこもってしまうので、デバスズメダイ以外のスズメダイの仲間やモンガラなどの性格の強い魚との混泳は避けましょう。
協調性のあるハギ類やヤッコ類、ヒフキアイゴ、デバスズメダイ、人気のカクレクマノミなどとの飼育は可能です。
混泳のコツ
また、ハタタテハゼを隠れさせることなくほかの魚との混泳を行うコツは
ハタタテハゼを先に水槽に入れて、しばらくしてハタタテハゼが水槽に慣れてからほかの魚を導入するというものです。
こうすることでハタタテハゼを先に水槽に慣れさせ、引きこもることを防止できる可能性が高まります。
後述しますがハタタテハゼは非常に丈夫な魚ですので、上記のことを考えてもパイロットフィッシュとしての導入が非常におすすめだと思います。
同種混泳について
水槽の大きさなどにもよりますが注意が必要です。
自然界ではダイビングなどで小さな個体が群れで暮らしている様子を観察できますが、成長するとペアで暮らす魚であり、大きな個体同士のペアもよく見られます。
水槽内にハタタテハゼ複数入れてしまうと喧嘩が起こりやすく、ペアか1匹での飼育をおすすめします。
また性別が容易にわかる魚ではありませんので「入れた2匹が同じ性別だった」ということを考えて1匹での飼育を個人的にはおすすめします。
しかし「ハタタテハゼペア」として販売されている場合は問題ないと思います。
もちろん水槽がある程度大きく、両者の縄張りがそれぞれ確保できる場合には複数飼育可能です。しかし私は60cm規格水槽にハタタテハゼと、近縁のアケボノハゼを同じ水槽に入れたところハタタテがいじめられてしまいハタタテを隔離療養した経験があります。
現在は60cmワイド水槽(60×45×45cm)で両者を飼育していますが、激しいいじめはなく混泳できています。
そのためハタタテハゼを複数飼育したい場合には、魚の大きさにもよりますが最低でも60cmワイド水槽以上が必要でしょう。
また私の水槽でハタタテハゼと近縁のアケボノハゼが争ってしまたように、ハタタテハゼ属の魚(ハタタテハゼ、アケボノハゼ、シコンハタタテハゼ)の混泳には注意が必要です。
なお同じ遊泳性のハゼですがクロユリハゼなどのクロユリハゼ属との混泳は問題ないようです。
ハタタテハゼは環境変化に強い?
ハタタテハゼは非常に強健です。
水質の悪化や温度変化などの悪条件・環境変化にはとても強いです。自然界でも底の砂に触れることの多い魚のため、白点病などに耐性があり、病気にはまずかかりません。
これがハタタテハゼが初心者さん向けといわれる理由のひとつです。
逆にハタタテハゼが病気になる環境というのは相当悪い環境ですので、そのような場合はまず水槽環境を見直しましょう。
なおハタタテハゼの強健さは最強と呼べるほど秀でており、私の水槽ではクーラーの故障で32℃まで水温が上がってしまったり、硝酸塩という水の汚れが限界まで溜まってしまったことがあるのですが元気に泳いでいました。
もちろんこのようなことはないほうが良いですが、このようなことが起こっても平気なくらいの圧倒的なタフさを持っており、何かと環境を不安定にしてしまいがちな初心者さん向けの魚といえます。
水槽のフタは必須
ハタタテハゼは臆病なこともあり、何かの拍子に驚くことが多いです。ハタタテハゼは驚くと上にぴょんっと跳ねるように泳ぐことが多く、その結果水槽からの飛び出しが非常に多いです。
そのためハタタテハゼの飼育においては、水槽のフタが必須といえます。
少しでも隙間が空いていると「こんなとこから?!」というところからも飛び出てしまったりするので、隙間なくフタを置くのが理想です。
水槽に付属のフタだと隙間が結構ある場合が多いので、おすすめはホームセンターなどで透明で薄いアクリル板を買ってきて、水槽に合わせてアクリルカッターで切断してふたを作ることです。
私の水槽もこうして作成したフタを利用していましたが、ハゼが飛び出たことはありませんでした。
隠れ家を用意してあげよう
ハタタテハゼは自然界では巣穴を持って、その近くで泳ぎつつ危険が迫ると巣穴にひゅっっと隠れてしまうお魚です。
したがって水槽内でもライブロックの隙間や、ハゼ土管なんかで巣穴を作ってあげることが必要です。基本的にはライブロックがあればその隙間に勝手に隠れるので、あんまり意図的に作る必要はないです。
巣穴があるとハゼが脅威を感じたときにその中に避難しますので、飛び出しのリスクを減らすこともできますよ。
なお、水槽の環境に慣れていなかったり、混泳魚におびえて出てこなくなってしまった場合は、とにかく待てば次第に慣れてきます。私の水槽ではハタタテハゼが水槽に慣れて出てきてくれるようになるまで1か月ほどかかったので、すぐに出てこなくても焦る必要はありません。
隠れて出てこないときは、ハゼの巣穴の前にスポイトなどでエサを落としてやると出てきてぱくっと食べますよ。
▼ハタタテハゼが出てこないときの対処法についてはこちらでより詳しく解説しています。
ろ過について
人気のカクレクマノミのペアとハタタテハゼ1匹のみの飼育であれば、30cmキューブ水槽に外掛けフィルターをつけてろ過をし、夏場は冷却ファン、冬場はヒーターをつけて水温を管理するだけでも飼育できます。
そこから魚を多くしたい場合は、ろ過不足にならないように気をつけましょう。
▼水槽のろ過を担うフィルターについてはこちらで詳しく解説しています。
水温について
適切な水温は25℃です!
この値をキープできるように、ヒーターやクーラーで管理しましょう。1日での変化量が大きかったりすると病気になってしまう可能性もあるので、なるべく変化させないようにするのが基本です。
▼水槽用のヒーター・クーラーについてはこちらで詳しく解説しています
水換え
水換えは怠らないようにしましょう。丈夫なハタタテハゼとはいえ、汚れた水では長生きできません。
目安は週に1回水槽の水量の10%程度です。2週に1回20%でももちろんかまいません。あまり大量に水換えしてしまうと環境変化が大きくなってしまうので、なるべくこまめに水換えしましょう。
硝酸塩について
硝酸塩とは水の汚れそのものです。ろ過の過程で残るのですが、これ自体は分解されないので水槽にたまっていきます。これを排出するために水換えが必要なのです。
できればでよいので、硝酸塩については試験紙や試薬を購入して適宜測定を行うことが望ましいです。
基本的には、50ppm(mg/L)という値を超えてしまうと危険なので、それ以下の値を保てるように水換えを行いましょう。
海水魚の飼育をその後も見据えているなら、初めは安価なものでもよいので試験紙などを購入して測定することをおすすめします。
おすすめはこちら。試験紙タイプで結果は多少アバウトですが安価で、半分に切って使えば50回分あるのでコスパ最強です。
こちらは試薬タイプのものです。より正確に測れますよ。
▼硝酸塩について、またそれを減らす方法についてはこちらでも詳しく解説しています
飼育の注意点
できれば最初に水槽に導入
混泳成功のコツはまずハタタテハゼを水槽に慣らすことです!できれば最初に水槽に導入しましょう。
後から導入するときは、ハタタテハゼにプレッシャーをかける魚をいったん隔離してハタタテハゼをまず水槽に慣らしたり、そもそも大きな個体を導入するのがおすすめです。
大きな個体がおすすめ
もしハタタテハゼを後から水槽に導入するとき、おすすめなのは大きな個体を購入するということです。
大きな個体はほかの魚から威圧されにくく、水槽に慣れるのもより早いです。
実際私は10匹ほどの魚がすでに泳いでいる水槽にあとから、ハタタテに近縁で同じく臆病なアケボノハゼを導入するとき、6、7センチのかなり大きい個体をショップで選んで導入すると、すぐに水槽に慣れて出てきて泳いでくれるようになりました。
このアケボノはほかの魚に物怖じしないほか、ハタタテハゼをいじめるほどに図太くなってしまい少し困りましたが、びびって出てこないということは一切なく助かっています。
ハタタテハゼを後から水槽に導入する際には大きめの個体がおすすめです。
他種混泳においては協調性の高い魚を!
気の強い魚と一緒にするといじめられてしまいます!
魚を導入したいときには事前に下調べを忘れずに。
同種混泳には注意
小型水槽での複数飼育は喧嘩のもとです!60cmワイド水槽未満の水槽ではハタタテハゼ類は1匹での飼育をすすめます。
フタが必須
朝起きたらハタタテハゼが水槽の下で干からびていた、なんてことがあったらほんとうにかなしいですから、飛び出し防止のフタは必ず隙間なくしましょう!
アクリル板で水槽に合わせてフタを作成するのががおすすめです。
まとめ
*丈夫で飼育しやすい!初心者におすすめ
*小型水槽でも飼育可能
*水温は25度が安定
*エサはメガバイトレッドやシュアー、テトラマリン ミニグラニュールがおすすめ
*1匹での飼育がおすすめ
*混泳魚との相性に注意
*フタは必須
*値段は1000~2000円くらい
ハタタテハゼは赤と白のグラデーションが美しく、とってもかわいらしい魚ですよね!
いくつかの注意点に気をつければ初心者さんでも非常に飼育しやすくお勧めの魚ですよ。
▼ハタタテハゼが気になった方は、こちらから購入できます