【トビハゼの日】普段は入れない行徳近郊緑地でトビハゼ観察してきた〈マリラバ生物探訪〉
トビハゼ

トビハゼ Periophthalmus modestus
目:ハゼ目 Gobiiformes
科:オクスデルクス科 Oxudercidae
属:トビハゼ属 Periophthalmus
トビハゼは最も陸上生活に適応したハゼ類で、干潮時に干潟の上で索餌や求愛行動をします。
日本では千葉県以南の太平洋側の干潟に広く生息し、東京湾にも江戸川放水路、葛西臨海公園の東なぎさ、今回観察した行徳近郊緑地の導流堤など、複数の生息地があります。
東京湾のトビハゼ生息地は世界のトビハゼ生息地の中でも北限で、埋め立てにより生息に適した干潟が減っていることから、今も残る環境はとても貴重な環境です。
トビハゼの日


今回はトビハゼを観察するために、5月末付近に年に一度開催される、普段は入れない行徳近郊緑地の導流堤に入ってトビハゼを観察できるイベント「トビハゼの日」に参加してきました。
行徳近郊緑地の横には市川市行徳野鳥観察舎「あいねすと」という野鳥の保護などを行っている展示施設があり、あいねすと付近にキッチンカーなども出てお祭り的に行われています。


受付を済ませると、こんな感じの森を通って導流堤の方に向かいます。入場料は無料です。

導流堤の上に来ると、このように干潟となった水路が現れます。
そして、この干潟の上に無数のトビハゼやヤマトオサガニといった干潟の生きものがいるのです!

干潟を見ると、本当にいたるところにトビハゼがいます。
肉眼だとやや遠いですが、双眼鏡や望遠レンズを使えば拡大して見ることが可能です。


テントの中の水槽には捕まえられたトビハゼが展示されており、間近で観察することもできます。


干潟にはトビハゼだけでなく、たくさんのヤマトオサガニがいます。
盛んにハサミを振り上げる「ウェービング」をしていました。

さらに、干潟の横のヨシの草むらからアシハラガニが出てきて、干潟上をふらふらと歩いている様子も観察できました。

しばらく観察していると面白い瞬間に出会いました。
2匹のおそらくオス同士のトビハゼが喧嘩していて、もつれあってだいぶヒートアップしていたのですが、なんとその2匹が向かう先にヤマトオサガニが!
ヤマトオサガニは迷惑そうに後退していきました笑。

さらには小さなカニを捕食しようと狙うトビハゼにも出会いました。
この後トビハゼはカニに飛び掛かり、そして結局捕まえられず逃げられていました。

ひと通りトビハゼを観察した後は、あいねすとの展示を少し見てきました!
行徳近郊緑地の野鳥に関しての展示があっておもしろかったです。また小さなカフェもあるので、休憩がてら軽食を頂くこともできます。
ややアクセスに難はありますが、出店も出ていてご飯に困らないですし、何より普段は入れない行徳近郊緑地に入れるのが冒険みたいで楽しいです!毎年開催されているので、ピクニックがてら参加してみるのも良いと思います。
皆さんも「トビハゼの日」ぜひ来てみてください!
鈴木寿之・渋川浩一・矢野維幾(2021)「新版 日本のハゼ」平凡社
田北徹・石松惇(2015)「水から出た魚たち ムツゴロウとトビハゼの挑戦」平凡社
公益財団法人東京動物園協会 葛西臨海水族園(2017)「東京湾のトビハゼのいま 北限のトビハゼ保全へ向けた施設連携による活動」
伊東宏・石原元・近磯晴・瀬能宏(1999)多摩川河口干潟におけるトビハゼの出現、神奈川自然誌資料、20、p.39-34
多留聖典・須之部友基・内野透(2006)東京湾奥部新浜湖におけるトビハゼPeriophthalmus modestus (ハゼ科) の繁殖生態と稚魚の出現, および生息に好適な環境について、魚類学雑誌、53、2、p.159-165

