というわけで、今回はダイビング撮影において、TGとGoProのどちらがおすすめかについてお話しします。
本記事で分かること
・ダイビング撮影において、TGとGoProのどちらがおすすめか
・TGとGoProそれぞれのダイビング撮影における特徴
・それぞれのおすすめの付属品
TGとGoproの性能まとめ
まずはTGとGoProについて軽くまとめます。
こんな感じです。
それぞれに得意、不得意があり、撮れる動画や写真の質、使い方も変わってきます。
結論からまとめると
・TGは「写真撮影向け」
「写真中心に撮りたい」「付属品をカスタマイズして自分に合った写真を撮りたい」「個別の生きものをしっかり撮影したい」といった場合におすすめ
・GoProは「動画撮影向け」
「動画を撮影したい」「ダイビングの雰囲気や様子を感じられる動画を残したい」「大物や地形を撮影したい」といった場合におすすめ
となります。それぞれ詳しくお話しします。
性能・特徴の詳細比較
価格
最低限の撮影システム(本体+防水ハウジング)だけを考えた場合、価格はGoProの方が2~3万円ほど安いです。
ただTGは本体+防水ハウジングのみで満足に使用できるものの、GoProはそれに加えて手持ち用のアームなども必要になるため、一概にどちらが安いとは言えません。
防水性能
水中ハウジングに入れた際の防水性能はGoProの60mの方が良いです。
ただTGの45mは一般のファンダイビングで到達する水深ではないので、そこまで気にする必要はありません。
撮影性能
GoProとTGでは、それぞれ動画が得意なのか写真が得意なのかという部分に違いがあります。
TG
TGは圧倒的に写真が得意です。
「水中マクロ」「水中ワイド」や「水中顕微鏡」など水中撮影に特化した機能も多数あり、付属品なしの場合は特に個別の魚やウミウシなど小さい生きものを撮影する際に効果を発揮します。
動画も4Kでの撮影が可能ですが、手振れ補正は弱いほか、付属品なしでは広角での撮影ができません。
GoPro
ウミヘビとも一緒に泳げました〜
素晴らしい時間だった…! pic.twitter.com/OfnQHKgkv9— りるたき (@rirutaki_sakana) July 22, 2024
GoProで撮影したウミヘビの動画(鹿児島県・喜界島)
GoProは動画撮影が圧倒的に得意です。
5.3K(4Kの上)での動画撮影も可能で、手振れ補正や動画の色を補正する機能も豊富。
逆に写真はかなり残念な仕上がりですが、動画からワンシーンを切り抜くことで高画質な画像を手に入れることは可能です。
得意な撮影対象
TG
TGの得意な撮影対象は魚、ウミウシ、甲殻類などの「マクロ系(小物)」がメインです。
特に被写体に1cmまで寄ることが可能な「水中顕微鏡」機能が優秀で、近距離でも小さな被写体にしっかりとピントを合わせてくれます。
「水中ワイド」機能もあるので、水中画角は決して大きくはないもののワイド撮影も可能です。
また画角を広げる「ワイドコンバージョンレンズ」を装着することで群れや大物の撮影もやりやすくなります。
GoPro
GoProが得意なのは大物・群れ・地形などの「ワイド系」です。
TGと異なりワイドコンバージョンレンズを使用しなくても水中画角が94°と広角で、大物・群れのダイナミックさをしっかりと引き出してくれます。
ただ最短撮影距離(被写体にピントが合う最も短い距離)が60cmとかなり長く、クマノミなどを寄って撮影するとボケてしまいます。
▼GoProはワイドコンバージョンレンズを装着することで被写体に寄っての撮影も可能になる
また色味を整える「ホワイトバランス」性能が優れているため、雑に撮ってもしっかりブルーを引き出した高画質な動画になってくれます。
地形や水中風景の美しさを強調して撮影したい場合にもGoProはおすすめと言えるでしょう。
カスタマイズ性
結論から言うと、水中撮影におけるカスタマイズ性はTGの方が良いと思います。
TG
TGは一般的な水中撮影機材をひと通りシステムに組み込むことが可能です。
GoProと同様「ワイドコンバージョンレンズ」、明るい光で照らすことで写真の色味と画質を大幅に改善可能な「ストロボ」、同じく色味を補強できる「ライト」など付属品が多く存在します。
▼撮影クオリティをぐんと上げてくれるストロボ
さらにマクロ撮影やワイド撮影などのニーズに合わせてシステムを作り変えることができます。
フレームやグリップを使用して、アームやクランプなども使うことで「ストロボ2灯+ワイドコンバージョンレンズ」のように大きなシステムを作ることも可能。
自分に合った撮影スタイルを模索したい!という場合はTGを使うのもおすすめです。
▼アームやフレームを使用して撮影システムを拡大することができる
GoPro
元々広角撮影が得意なGoProは水中において画角を広げる「ワイドコンバージョンレンズ」と、色味を補強する「ライト」などの拡張性があります。
特にワイドコンバージョンレンズは画角を広げ、最短撮影距離も縮めてくれるなど動画の質を一段と上げてくれるのでおすすめです。
▼GoProでの水中撮影に有用なワイドコンバージョンレンズ(接続には別売りのフロントマスクが必要)やライト
結局どっちがおすすめ?
TGは「写真撮影向け」
TGの性質は「マクロメイン」の「写真撮影」向きです。またカスタマイズ性が高く自分に合わせてシステムを作り変えられるのも大きな特徴。
したがって、
「写真中心に撮りたい」「付属品をカスタマイズして自分に合った写真を撮りたい」「個別の生きものをしっかり撮影したい」
といった場合にはTGがおすすめです。
GoProは「動画撮影向け」
GoProの性質は「ワイドメイン」の「動画撮影」向き。さらに比較的単純なシステムで簡単に動画撮影ができることが特徴です。
したがって、
「動画を撮影したい」「ダイビングの雰囲気や様子を感じられる動画を残したい」「大物や地形を撮影したい」
といった場合にはGoProがおすすめです。
両方使うのが一番!
本記事の腰を折りますが、なんとTGの上にGoProをくっつけることで同時に使ってしまうという手段もあります。
以下は北海道の積丹でTGとGoProを同時に使用して撮影した写真と動画です。
時期がほぼ終わりなので溶けかけでしたが、鬱蒼とした昆布の森がとっても美しかったです✨ pic.twitter.com/xNiF01NIkd
— りるたき (@rirutaki_sakana) September 29, 2023
ワイドもマクロも両方撮影できるという安心感はとてつもないですし、マクロメインで入っていた時に突然大物が出た時に対応可能なのは超魅力的。
個人的にはかなりおすすめなので、ぜひ検討してみてください!
▼TGとGoProの同時使用システムについて
まとめ
マクロ・写真撮影ならTG
ワイド・動画撮影ならGoPro
今回はダイビング撮影においてTGとGoProのどちらがおすすめなのか、それぞれの特徴を踏まえながらお話ししました。
どちらもしっかりと特色があり、その上とても優秀なカメラですので、ご自身のダイビングスタイルを考えてどちらがいいかお決めになるとよいと思います。
それでは、皆さまのダイビングライフがより良きものになりますように!