今回は、海水水槽で飼育されることの多い共生ハゼについて、何種類か紹介していきます。
本記事で分かること
・共生ハゼとは
・おすすめの共生ハゼと、その共生相手となるエビ
共生ハゼとは
共生ハゼというのは分類のグループではないのですが、テッポウエビの仲間と一緒に生活をするので共生ハゼと呼ばれます。
というのも、テッポウエビの仲間は砂や石を掘ることで巣をつくるのですが、彼らは目が悪く、巣の中の砂をかき出すために巣の外に出るのは危険です。
そこでエビより目がいいハゼにお家を提供し、監視を任せるんです。
テッポウエビは巣から出るときは触覚の一部をハゼにくっつけています。ハゼが「脅威が近づいた」と判断し巣に隠れると、テッポウエビも一目散に巣に逃げ帰ります。
また、ハゼのうんちをテッポウエビがエサにしたり、テッポウエビがハゼの体をクリーニングしたりする様子も観察されていて、お互いの協力関係はかなり発展しているようです。
そして、そんな関係をジッサイに自宅の水槽でも再現することができます。
また彼らは全体的に飼育難易度が低く、海水魚飼育初心者の方でも飼いやすいのも特徴です。
次ではおすすめな共生ハゼたちを何種類か紹介していきます。
おすすめの共生ハゼ&テッポウエビ
共生ハゼとテッポウエビが共生を行う種類は自然界ではある程度決まっていて、水槽内でそれ以外の種類と共生しないということはありません。
しかし体の大きさが合わなかったりやっぱり共生しなかったり、ということが考えられるので、なるべく自然な種類と組み合わせることがおすすめです。
小型種
ヒレナガ(ハタタテ)ネジリンボウ&ランドールズピストルシュリンプ
ヒレナガネジリンボウは小型の共生ハゼで、観賞魚として販売されるときは「ハタタテネジリンボウ」という名前でも流通します。
黄色い頭とシマシマの体がかわいくて、値段も高くないので共生ハゼの中でも人気のある種類です。
共生相手となるのは同じく小型のテッポウエビである「ランドールズピストルシュリンプ(コトブキテッポウエビ)」です。
どちらも小型の種類なので、飼育する際は小型水槽での飼育がいいかもしれません。
ヤシャハゼ&ランドールズピストルシュリンプ
ヤシャハゼも同じく小型の種類です。
「夜叉(鬼)」にも例えられた、その白地に赤線が入った体が美しい種類でもあります。
オスメスの区別が簡単につくのでペアで飼育されることが多いですが、値段はペアで万越えのことが多く、共生ハゼの中でも高価な種類といえます。
共生相手となるのは「ランドールズピストルシュリンプ(コトブキテッポウエビ)」。
ヤシャハゼも小型水槽での飼育がおすすめです。
中型種
ギンガハゼ&ニシキテッポウエビ
ギンガハゼは中型になる共生ハゼの仲間で、黄色い個体と灰色の個体が存在します。
その名の通り星のようにも見えるキラキラとした模様が美しい種類です。
値段も数千円程度と高くありません。黄色い個体と灰色の個体で飼育難易度や値段も同じなので、好みで選ぶとよいでしょう。
共生相手となるのは「ニシキテッポウエビ」。
ギンガハゼはやや大きくなるうえに気が強いみたいなので、他の共生ハゼとの混泳にはちょっと注意が必要です。
ニチリンダテハゼ&ニシキテッポウエビ
ニチリンダテハゼは中型のダテハゼの仲間です。
その名の通り背びれの真ん中に黒丸があり、この模様を太陽に見立てて名付けられたのだと思われます。
黄色のシマシマと、背びれを開いたり閉じたりする様子がかわいらしい共生ハゼです。
共生相手となるのは主に「ニシキテッポウエビ」。コシジロテッポウエビとも共生をするようです。
我が家では25cmキューブ水槽で飼育しています。
▼ニチリンダテハゼの飼育法についてはコチラ
まとめ
*共生ハゼはテッポウエビの仲間と助け合って生きる
*ヒレナガ(ハタタテ)ネジリンボウ&ランドールズピストルシュリンプ
*ヤシャハゼ&ランドールズピストルシュリンプ
*ギンガハゼ&ニシキテッポウエビ
*ニチリンダテハゼ&ニシキテッポウエビ
今回はおすすめの共生ハゼについて紹介しました。
共生ハゼとテッポウエビが助け合って生きる様子はとってもけなげで興味部深く、それを水槽内で再現して観察するのはとっても楽しいです。
もちろん今回紹介した以外にも共生ハゼたちはたくさんいますが、その中でも特におすすめの種類をお話ししました。
気になったら皆さんもぜひ、共生ハゼを飼育してみてくださいね。
▼共生ハゼの仲間の全般的な飼育方法について
※本記事を執筆するにあたり使用した参考文献
「ハゼガイドブック」林公義、白鳥岳明
「日本に産するハゼ類と共生するテッポウエビの分類学的検討」野村恵一、2003、日本生物地理学会会報第58巻、49-70