というわけで今回はチヂミトサカが開かない時の対処法を解説します。
なお、これは近縁種のスジチヂミトサカにも同様のことが言えます。
▼なお、チヂミトサカの飼育方法についてはこちら
本記事で分かること
・チヂミトサカが縮む・開かない・溶ける理由
・開かないときの対処法
チヂミトサカが開かない理由
水槽導入直後だから
チヂミトサカは環境さえ整えば丈夫なサンゴですが、水槽に導入した直後は環境に慣れるために開かないことがあります。
私がチヂミトサカを導入した際も、細かなポリプが出てくるようになるまで2週間ほどかかりました。
したがって水槽導入直後は、チヂミトサカが慣れるまで開かない可能性があるのでそのまましばらく待てば、次第に開くようになってくれます。
導入直後は慣れるまで開かないこともある。しばらくすると次第に慣れて開くようになる。
水流が弱すぎる
チヂミトサカの飼育に最も大事なものが水流です。
水流が弱いとポリプを開かないで縮こまってしまいますし、弱すぎるとぐったりしてそのまま数日で溶けてしまうこともあります。それほどまでに重要です。
強さに関しては、水槽用のウェーブポンプからの水流が直接当たるくらいでも構いません。
チヂミトサカは水槽内でも水流が強い場所に設置しましょう。
今ぐったりしているチヂミトサカがいるなら、まずは水流が良く当たるようにチヂミトサカか水流ポンプの位置を調整しましょう。
簡単に水流環境を整える方法はコントローラー付きのウェーブポンプの利用です。
おすすめはヴォルクスさんの「ベスタウェーブ」です。
少々高価なのですが、強さ調節と運転モードの種類が多く、60cmワイドくらいまでの水槽ならこれひとつでランダムで太くて強い水流を作り出せます。
私も利用しています。チヂミトサカは2株飼育しているのですが、どちらもここからの水流が直接当たる場所に設置しています。
水流が弱すぎるとぐったりして死んでしまうこともある。コントローラー付きのウェーブポンプで解決。とにかく水流が強い場所に設置。
比重が高すぎる
以外なのですが、チヂミトサカは比重が高すぎると縮んで弱ってしまうようです。
ある日水槽を覗くとチヂミトサカが萎えており、水流を確認してもしっかりと当たっていて不思議に思ったことがあります。
しかし実はその時、我が家ではしばらく足し水をさぼっていて10Lほど(さぼりすぎ…)の水が蒸発してしまっていました。
したがってこの時の水槽では普段に比べて海水が非常に高比重になっており、それがチヂミトサカに悪影響を及ぼしていました。
この後、足し水をして比重をいつも通りに戻すと、チヂミトサカは元に戻って元気になりました。
チヂミトサカは高比重が苦手。縮んでいる時に海水の比重が高めになっていたら足し水をしたり、低比重の海水で水替えをしたりしてあげよう。
光が弱い
チヂミトサカは比較的強い光を要求します。
光が弱いとチヂミトサカはポリプの開きが悪くなり、成長できずに痩せてしまうのでなるべく強めの光を当ててあげることが必要です。
また、チヂミトサカは浅瀬に生息するサンゴですので、太陽光に近い白色系で、フルスペクトルのライトが向いています。
スポットのLEDなら30wくらいあると良いと思います。
光が弱くてぐったりしている可能性が考えられる場合、光を強く調整したり、光が良く当たるようにチヂミトサカの位置やライトの向きを調整しましょう。
おすすめライト紹介
▼グラッシーソーラー。私も利用しているライト。光量が高くこれひとつで60cmワイド水槽くらいまでは大丈夫。システムLEDなので任意の時間に点灯・消灯、光量・波長の調節が可能。
チヂミトサカなら直下におくとよい。
▼グラッシーレディオ。スポットライト。RX072、RX122、RX201の3種類のメインシリーズがあり、シリーズ内でも商品ごとの色合いの違いによって多様なニーズに対応。私も122をハタゴイソギンチャクの飼育に利用。
072以外のふたつは別売りのユニット接続で半システムLED化が可能。
スポットライトなので直接チヂミトサカに当たるように設置すると◎。チヂミトサカには白色が強い機種(RX122cマリンなど)がおすすめ。
↓別売りの通信ユニット。これの接続でシステムLEDとして点灯・消灯時間や時間ごとの光量の調節が可能。
▼ソフトコーラルの飼育におすすめなLEDライトについてはこちらでさらに詳しくお話ししています。
強い光を要求する。白色の強いフルスペクトルのLEDがおすすめ。
微量元素不足
チヂミトサカは丈夫なサンゴであることは間違いないのですが、水中のヨウ素、マグネシウム、ストロンチウム、またその他の微量元素が他の魚やサンゴに使われてしまい欠乏していると、調子を落とすことがあります。
このような時は水替えをしましょう。水替えにより、新たな人工海水から海水生物に必要な元素が供給されます。
また、添加剤による微量元素の補給もおすすめです。
おすすめの添加剤は、マグネシウムを主としてその他ほぼ全ての微量元素を補給できるカミハタさんの「海養水」と、カルシウム、ストロンチウム、ヨウ素を重点的に補給できる同じくカミハタさんの「パープルアップ」です。
ソフトコーラルの飼育であれば、とりあえずこの2つを添加していれば微量元素欠乏の心配はいらないでしょう。
実際私もこの2つを合わせて添加していますが、添加前と比べてソフトコーラルの調子が明らかに良くなりました。
同じように、特に原因が見当たらないけどチヂミトサカが閉じている、という時は微量元素の不足を考えるといいかもしれません。
▼海養水。マグネシウムを主として、海水に含まれるあらゆる成分を含んでいる。私の水槽(総水量130~140L)で規定量を入れていると消費が早くてすぐ使い切ってしまう(3か月くらい)のはもったないが、微量元素の補給はこれ1本、週1、2回の添加でいいのでとても楽。
▼パープルアップ。カルシウム、ストロンチウム、ヨウ素など石灰藻の成長に必要な成分を重点的に供給。これらの成分はサンゴや魚の健全な育成にも不可欠なので、私は石灰藻というよりもサンゴや魚への微量元素供給に使っている。(私はできてないけど)水槽内の栄養塩を低く保てれば石灰藻も増えていくのでライブロックなどの見た目改善にも◎。海養水にはヨウ素はあまり含まれていないようなので合わせて使うのがおすすめ。
微量元素が不足すると元気がなくなる。水替えや添加剤の利用がおすすめ
硝酸塩が多い
チヂミトサカは清浄な水質が必要とよく言われます。
我が家では硝酸塩が50mg/Lを超えているような水質でも問題なく開いていましたが、すべてのチヂミトサカがそうであるとは言えません。
このような場合も水替えで対処できます。
▼なお、硝酸塩やそれを減らす方法についてはこちら
硝酸塩が高すぎると調子を崩す。水替えで対処しよう
他のサンゴ、イソギンチャクの影響
注意しなくてはならないのは、他のサンゴやイソギンチャクとの接触です。
チヂミトサカは触手の持つ毒性が弱く、より毒性の強いサンゴ(スターポリプ、ハナサンゴ類、バブルコーラルなど)や、イソギンチャクなどと接触するとその部分が負けて溶けてしまいます。
このような場合もポリプは開かなくなります。
そんな時はダメージを受けた部分が広がる前に思い切ってハサミなどでカットしましょう。
他のサンゴやイソギンチャクに接触されてダメージを受けている場合は、接触した部分をカット!
まとめ
*水槽導入直後は開かないこともあるので待とう
*水流は必須
*光は白色で強めがおすすめ
*微量元素不足は水替えや添加剤で。
*硝酸塩は水替えで排出
*サンゴやイソギンチャクの接触による不調なら接触した部分をカット
チヂミトサカは難しいサンゴと思われがちですが、特に水流と光の環境さえ整えてやれば十分に丈夫といえるサンゴです。
水流ではベスタウェーブのようなコントローラー付きのウェーブポンプ、光ではグラッシーレディオRX122cのマリンなど白色の強いフルスペクトルLEDをおすすめします。
それでは皆さんもよいチヂミトサカライフを!