キンギョハナダイ(インドキンギョハナダイ)はその明るいオレンジ色がきれいなお魚で、暗くなりがちな水槽の色合いを引き立ててくれる存在です。さらに飼育もしやすく初心者にもおすすめできるお魚なんですよ!
今回はそんなキンギョハナダイの飼育法とその際の注意点についてお話しします。
本記事で分かること
*キンギョハナダイの特徴
*キンギョハナダイ飼育に必要な環境
*キンギョハナダイの飼育法
*飼育の注意点
海水魚飼育をはじめる時に必要なものをまとめています!「これから始めよう」という方は参考にしてください!
キンギョハナダイの特徴・飼育環境
見た目
大きさはメスなら7-8センチ、オスなら15センチほどになります。メスは目の下にクマのように紫のラインが入っていてかわいいです。オスは大きな体と、派手な模様とヒレが特徴的ですね。
性転換
キンギョハナダイは自然界では数匹のオスと大勢のメスでハーレムを形成する魚なのですが、オスがいなくなったりすると強いメスが性転換してオスになるという特徴をもちます。
水族館でキンギョハナダイがいる水槽を見ると、数匹のオスをメスを引き連れている様子がよく観察できます。
大型水槽では再現が可能で、メスを複数匹飼育しているとメスからオスへ見た目を変えながら性転換する様子が楽しめますよ!
産地による違い
産地によって少しずつ色合いが異なります。インド洋産のものはインドキンギョハナダイなどと呼ばれ販売されています。
キンギョハナダイよりもインドキンギョハナダイの方がオレンジが強く派手な色をしています。飼育難易度は変わらないため、好みで選ぶと良いでしょう。
我が家のインドキンギョハナダイ。目元の紫のラインが美しいです!
キンギョハナダイに必要な水槽サイズ
キンギョハナダイはメスでも7~8センチ、オスなら15センチと小型魚の中ではまあまあのサイズになるうえ、遊泳能力も高めです。
飼育には45cm以上の水槽がおすすめでしょう。
キンギョハナダイの性格
性格は荒いというほどではありませんが、弱くはありません。
小さい水槽だとほかの魚に突っかかっていくこともあるくらいの強さは持っています。
水槽にはすぐ慣れて、エサもすぐに食べてくれます。
キンギョハナダイの混泳について
他種混泳について
キンギョハナダイは普通の性格をしており、ほかの魚からの攻撃もあまり受けないので多くの魚と混泳できます。
また後でも触れますが、ほかの温厚な魚と比べると性格は少し強めで、水槽が小さかったりまだ慣れていない魚に攻撃を仕掛けに行くこともあります。
45cm水槽など小型水槽でのハゼ類などの温厚な種類との飼育は多少の注意が必要ですが、水槽が大きければあまり問題にはならないでしょう。
しかし、スズメダイの仲間や、モンガラなどのさらに気の強い魚との混泳は避けましょう。基本的に図太いですが、あまりにいじめられると衰弱や飛び出しの原因になってしまいます。
同種混泳について
キンギョハナダイは自然界では群れで生息する魚なので、水槽内での同種混泳も条件次第で可能です。
複数飼育の条件とは、水槽が大きいことです。
水槽が小さいと普通に喧嘩します。
これも後で触れますが、我が家では60cm水槽で2匹のメスのキンギョハナダイが喧嘩をしてしまいました。
同種混泳はオスメスのペアにするか90cm以上の大型水槽で行いましょう。そこまで水槽が大きければ、綺麗に群れてくれる可能性があります。
キンギョハナダイは環境変化に強い?
キンギョハナダイは非常に丈夫な魚です。
水質の悪化や温度変化などの悪条件・環境変化にはとても強いです!
もちろんこのようなことはないほうが良いですが、このようなことが起こっても平気なくらいのタフさを持っており、何かと環境を不安定にしてしまいがちな初心者さん向けの魚といえます。
ろ過について
キンギョハナダイは丈夫ですので、キンギョハナダイとほか数匹の魚のみの飼育であれば、45cm水槽に海道河童(大)をつけてろ過をし、夏場は冷却ファン、冬場はヒーターをつけて水温を管理するだけでも飼育できます。
そこから魚を多くしたい場合は、ろ過不足にならないように気をつけましょう。
海道河童(大)は外掛けフィルターとプロテインスキマーを兼ねた商品で、小型水槽においては単独で使えるほどろ過能力に優れていますよ。
▼水槽のろ過を担うフィルターについてはこちらで詳しく解説しています。
水温について
適切な水温は25℃です!
この値をキープできるように、ヒーターやクーラーで管理しましょう。1日での変化量が大きかったりすると病気になってしまう可能性もあるので、なるべく変化させないようにするのが基本です。
▼水槽用のヒーター・クーラーについてはこちらで詳しく解説しています
キンギョハナダイを購入する
キンギョハナダイは海水魚を販売しているショップや通販などで購入できます。
入荷は多く容易に入手できます。値段は1匹1000~2000円ほどです。
丈夫な魚ですので、通販での購入でも弱ってしまうようなことはあまりありません。
キンギョハナダイの飼育法
エサやり
キンギョハナダイは多くの場合人工エサを初めから食べてくれます。餌付けの心配はありません。
エサの量については、かわいくてたくさんあげてしまう気持ちは痛いほどよくわかります が、無秩序なエサやりは水質の悪化を招きよくありません。魚たちが1分ほどで食べきれる量を、2、3回にわけて、1日に2回ほど与えましょう。
おすすめは、食いつきがとっても良いメガバイトレッドSや栄養価の高いシュアーSです。何個かのエサをローテーションしてあげると飽きが来なくておすすめですよ!
水換え
水換えは怠らないようにしましょう。丈夫なキンギョハナダイとはいえ、汚れた水では長生きできません。
目安は週に1回水槽の水量の10%程度です。2週に1回20%でももちろんかまいません。あまり大量に水換えしてしまうと環境変化が大きくなってしまうので、なるべくこまめに水換えしましょう。
硝酸塩について
硝酸塩とは水の汚れそのものです。ろ過の過程で残るのですが、これ自体は分解されないので水槽にたまっていきます。これを排出するために水換えが必要なのです。
できればでよいので、硝酸塩については試験紙や試薬を購入して適宜測定を行うことが望ましいです。
基本的には、50ppm(mg/L)という値を超えてしまうと危険なので、それ以下の値を保てるように水換えを行いましょう。
海水魚の飼育をその後も見据えているなら、初めは安価なものでもよいので試験紙などを購入して測定することをおすすめします。
おすすめはこちら。試験紙タイプで結果は多少アバウトですが安価で、半分に切って使えば50回分あるのでコスパ最強です。
こちらは試薬タイプのものです。より正確に測れますよ。
▼硝酸塩について、またそれを減らす方法についてはこちらでも詳しく解説しています
飼育の注意点
気性
気性は荒いというほどではありませんが、我が家ではデバスズメダイをつついて弱らせてしまったことがあります。
もし混泳魚を攻撃してしまった場合は、キンギョハナダイをサテライト水槽や、ろ材を抜いた外掛けフィルター、オーバーフロー水槽であればサンプに一旦隔離して混泳魚が水槽に慣れるまで1、2週間ほど待ってから戻す方法があります。
またレイアウト変更で魚のなわばりをリセットするのもおすすめです。水槽用のセパレーターでそれぞれ分けてしまうという手もあります。
いじめられてしまいそうなハゼ類などの弱い魚とキンギョハナダイを混泳させたい場合は、弱い魚を先に導入して1〜2週間ほど水槽に慣らしてからキンギョハナダイを入れると混泳に成功しやすいです。
複数飼育の注意点
本来は群れる魚であるものの、ある程度のなわばり意識は持っているらしく、小型水槽で複数飼育してしまうと喧嘩が起こります。
我が家で60cm水槽に2匹のメスのキンギョハナダイを導入したところ、片方がもう片方をいじめて死なせてしまいました。
また自然界では数多くのメスと少数のオスで生息する魚ですので、オスの複数飼育は水族館のような大きな水槽でないと現実的ではありません。
複数飼育したい場合は90cm以上の大型水槽で行うか、オスメスの識別が容易な魚ですのでオスメスペアでの飼育が良いかもしれません。60cmくらいまでの小型水槽では1匹に留めるのが無難です。
細菌病に弱い?
キンギョハナダイは基本的には環境変化に非常に強いお魚なのですが、唯一「細菌病」に弱い印象があります。
我が家で飼育していたキンギョハナダイは、あるきっかけで水槽に細菌が増えたと考えられるときに細菌病と考えられる症状で亡くなってしまいました。
この時ほかのお魚は平気なものも多かったのですが、キンギョハナダイが大きな影響を受けてしまったのです。
▼当時の様子を書いた日記。亡くなったキンギョハナダイの写真も載せているので一応閲覧注意です。
他の方の記事でもキンギョハナダイは最近に弱いという言説を目にしました。この記事での記載はあくまでも経験的なものになりますが、細菌病には気をつけたほうがいいかもしれません。
まとめ
*丈夫で飼育しやすい!初心者におすすめ
*飼育には45cm以上の水槽がおすすめ
*水温は25度が安定
*エサはメガバイトレッドやシュアーおすすめ
*気性は荒くはないが気の弱い魚との飼育には注意
*同種混泳は大きな水槽かオスメスのペアで
いかがだったでしょうか。キンギョハナダイは必ずやあなたの水槽を明るくしてくれる存在です!
また、よく泳ぐ魚ですが、こんなふうに地面に座ったりたこつぼで休む姿がかわいい魚でもありますよ!
▼キンギョハナダイが気になった方はこちらから購入できます。
▼色合いがよりきれいなインドキンギョハナダイもおすすめです!