今回は海水魚を魚病薬「グリーンFゴールド顆粒」で薬浴する方法についてお話しします。
本記事で分かること
・グリーンFゴールド顆粒について
・どんな時に薬浴が必要?
・実際の薬浴の様子
グリーンFゴールド顆粒とは?どんな時に使う?
グリーFゴールド顆粒は抗菌薬の「ニトロフラゾン」と、こちらも抗菌薬でサルファ剤の一種である「スルファメラジンナトリウム」を主成分とした魚病薬です。
抗菌薬なので、主に尾ぐされ病や皮フ炎などの細菌性感染症に効果があります。
例えば海水魚の尾びれが溶けるようになくなっている場合や、肌荒れがひどい場合、喧嘩などをしている様子はないのに身体に内出血のようなものがある場合などですね。
海水魚の病気としても有名な白点病にも効果があると言われています。白点病は細菌病ではないのですが、なぜそう言われているのかはよくわかりません。
ちなみに病原菌を水槽に持ち込むのを防ぐために、お魚の導入前に検閲としてグリーンFゴールド顆粒で薬浴を行う場合もあります。
この工程は手間がかかりますが、水槽内を良好な環境に保つためにはやっておいた方が安全です。
海水魚ショップに行くとたまにそんな薬浴中の光景に出くわすこともあります。入荷したお魚にしっかり検閲をしているということなので、そのショップはきっといいショップでしょう。
説明文に「本剤は海水には使用しないこと」と書いてあるのですが、ジッサイには使用でき、細菌病に効果を発揮します。
ただ使用には注意点があるので、この後に使用の様子と一緒に紹介します。
薬浴の様子・使い方について
というわけで実際の薬浴の様子です。
今回グリーンFゴールド顆粒で薬浴していくのはこちらのマンジュウイシモチ君。
このマンジュウ君は数日前までは元気だったのですが、おそらく細菌病と思われる症状で、エサも食べないくらい元気がなくなっていました。
というのも、この水槽で発生した白点病を鎮めるために「オキシドール」を添加していた影響で、どうやら水槽のバクテリアバランスが崩れてしまったようなのです。
その結果悪性の細菌が増加し、この前日には細菌病に弱いキンギョハナダイが落ちてしまいました。
▼白点病にオキシドールは効果ある?
▼バクテリアバランスが崩れてお魚が数匹落ちてしまった話
その後、マンジュウイシモチもキンギョハナダイと同じようにが弱り出し、現在に至ります。
早速薬浴していきます。
方法ですが、まずバケツに新しい人工海水を作り(カルキを抜いた水道水で)、エアレーションをしてヒーターを入れ、水温を本水槽と合わせます。
なお、このとき薬浴の効果を高めるために比重を低めに設定する必要があるみたいです。やりすぎる必要はありませんが、この時も1.015~1.020くらいの低めの値に設定しました。
また今回はカルキ抜きも兼ねて、特にお魚への負担を軽減するために人工海水を溶かす前に「テトラ アクアセイフ」を規定量入れてまぜまぜしておきました。
▼アクアセイフにはお魚の表皮やエラを守る成分やミネラル、ビタミン等が含まれており魚のストレスを軽減する水づくりに貢献する
その後、グリーンFゴールド顆粒を溶かすのですが、この時注意するのは「海水利用の場合使用量は規定量の半分」ということです。
例えば淡水に利用する場合の通常の規定量は30~40Lに1.0gのグリーンFゴールド顆粒を溶かすのですが、海水で使う場合はその半分、つまり30~40Lであれば0.5g溶かすようにします。
これはなぜなのかよくわかりませんが、規定量だと薬が強すぎるのかもしれませんね。
溶かすとこんな感じで水が緑色になります。タコ焼き粉を混ぜるときと同じように、ダマが残らないように注意しましょう。
ただ規定量については測るのがとっても大変なのである程度はテキトーでも大丈夫ですが、多すぎでは危険、少なすぎでは効果が薄れてしまいます。
用意した水量は10Lのバケツの半分くらいの水量でしたので5L(40Lの8分の1)、となると淡水での規定量は1.0÷8で0.125gでしょうか。というわけで今回必要なのはさらに半分の0.0613gくらいということになります。
ちなみに今回は一袋が2gの包みだったので、それを半分にして1g、さらに半分にして0.5g、さらにさらに半分にして0.25g、さらにさらn…半分にして0.125g、さらにさr…半分で0.0613g、という感じで必要量を作って、最終的にこの0.0613g(たぶん)を溶かしました。
ちゃんとは測ってないのであってるかはわかりません。
目安の色味としては上か下の写真と同じくらい水が緑になればだいたいOKだと思います。
そしてここにお魚、今回はマンジュウイシモチを入れます。
マンジュウはどうやらかなり弱っていたようで、網を入れても簡単につかまるほどでした(いつもは絶対捕まらない)。
ホントはしっかり水合わせを行ったほうがいい(飼育水を入れたバケツにお魚を入れて、別のバケツに溜めた薬浴用の海水を少しずつ入れていく感じ)のかもしれませんが、今回は行いませんでした。
一応水合わせ不足による問題は起きませんでした。
このままエアレーションをしてしばらく放置します。
もう少し大型のお魚なら毎日新たな薬浴用の海水で水換えしたほうがよいでしょうが、今回は小さなマンジュウイシモチ1匹でしたので、薬浴中の3日ほどは水換え無しで放置しました。
なお、説明書には薬浴は5~7日が目安と書いてありました。それより前でも効果がしっかりと表れた段階でやめても大丈夫だと思います。
エアレーションすると塩だれが嫌なので、この数日はバケツに蓋をしたまま放置しました。
薬浴中は水質悪化を防ぐためや、与えてもそもそも食べないためエサは与えませんでした。
エアレーションは急遽用意したGEXの金魚用のエアーポンプセット(ホムセンで1000円くらい)だったのですが、何の問題もなくいい仕事をしてくれました。
そして放置して数日後…
マンジュウは元気になりました!!
薬浴の効果は明らかにあったようで、薬浴前は力なく泳ぎエサも食べなかったのが、薬浴後は泳ぎ方もいつも通りになりエサもしっかり食べています。
また、グリーンFゴールド顆粒で効果があったことから、この時水槽に発生していた問題が細菌性の問題だと逆に突き止めることができました。
その辺については上に載せたオキシドールについての記事や日記に書いていますのでぜひ。
それと、薬浴に使ったバケツはしっかりと洗いましょう。薬剤が残っている状態で本水槽の水換えなどに使ってしまうと悪影響を及ぼす危険があります。
ちなみにこの直前にキンギョハナダイを細菌性の病気で失ってしまったこともあり、マンジュウを助けられた喜びは大きかったです。
ただ、この後5日ほど家を外す用事ができてしまい、その結果最終的にはマンジュウはこの水槽で飼育していた2匹の両方が亡くなってしまいました(完全に行方をくらませてしまった)。
これについては本当に申し訳ないことをしてしまいました。最後に立ち会えなかったのも悲しいです。
最後には悲しい結果になってしまったのですが、一時とはいえ薬浴で復調できたのは自分にとって本当にいい経験値になったので、その点についてはキンハナやマンジュウにお礼を言いたいと思います。
まとめ
*グリーンFゴールド顆粒は尾ぐされ秒、皮フ病などの細菌性の病気に効果がある魚病薬
*規定量は30~40Lに1.0g。海水では規定量の半分30~40Lで0.5gを使おう
*海水の比重は薄めに設定。水温も合わせてエアレーションをしよう
*テトラ アクアセイフの同時利用もおすすめ
*薬浴は5~7日が目安。水質悪化が心配な場合は新たなグリーンFゴールド顆粒を溶かした海水で水換えしよう
今回は海水魚に対してのグリーンゴールド顆粒を使った薬浴についてご紹介しました。
さっきハタタテ君も言っていたのですが、海水魚の病気治療はスピード命です。なにか不調な様子を感じたらすぐに行動することがそのままお魚の命に直結します。
グリーンゴールド顆粒は細菌病全般をカバーしているお薬ですので、お家のお魚がもし病気になってしまった時に対応できるよう、ひとつくらいは持っておくことをおすすめします。
▼急遽ホムセンで買うよりは、通販で他の用品を買うのとセットで買ってしまうのがお手頃でおすすめです