【霧多布岬】ラッコ観察・撮影完全攻略ガイド!〈探し方・時間・場所〉

・初めてでもラッコを見つける方法
・ラッコが見つかりやすい場所
・ラッコ観察に必要な持ち物
・ラッコ撮影に必要な機材の目安
・現地で気を付けたい注意事項
霧多布岬は野生のラッコが観察できる貴重なスポット

霧多布岬の特徴
霧多布岬は北海道の浜中町に位置する、太平洋に突き出た岬です。
周辺には野生のゴマフアザラシやゼニガタアザラシが生息しており、この岬からもよく観察できることからアザラシを意味する「トッカリ」を付けて「トッカリ岬」とも呼ばれて親しまれています。
またこの岬は島が堆積物で陸とつながった「陸繋島」でもあり、地学的にもとても面白い場所と言えるでしょう。
野生のラッコが見られる理由
そんな霧多布岬には、2016年ごろから安定的に野生のラッコが観察されています。
実はロシアに不法占拠されている北方領土には多数の野生のラッコが生息しており、そこから流れ着いたと考えられる個体が以前からたびたび霧多布岬や根室周辺海域で観察されていました。
そして霧多布岬には2016年に数頭のラッコが定着したことが確認され、それ以来ラッコたちは繁殖を重ねることで現在では10頭ほどのラッコが霧多布岬に住んでいます。
どんなラッコが見られるのか

霧多布岬で観察できるのは「チシマラッコ」という種類のラッコです。
ラッコは北海道から千島列島、カムチャッカ半島、アリューシャン列島、そしてアメリカのカリフォルニア州にかけて北太平洋の沿岸に広く生息しています。
ラッコの中にもいくつかの種類(亜種)があり、霧多布岬に住んでいるのは「チシマラッコ」という種類。ほかのラッコよりも大型なことが特徴なんですよ。
ラッコが住んでいる場所
ラッコが住んでいるのは霧多布岬周辺8km圏内

ラッコは霧多布岬の周辺8km圏内に生息していると浜中町の公式サイトに記載されています。
現地でラッコの観察を長年行っているNPO法人エトピリカ基金の書籍やNHKのワイルドライフで霧多布岬のラッコが放送されたときの情報なども加味すると、ラッコの生息範囲は上の写真のような海域であると思われます(筆者作成のため間違いはあるかも)。
この海域には豊富な二枚貝や、海藻の森に裏付けられたウニやカニなど、ラッコのエサになる生物が多いため安定的にラッコが生息できるのです。
おすすめ観察スポット
おすすめのスポットは霧多布岬駐車場から湯沸岬灯台に向かうまでの岬の左側(北側)です。

この辺りは湾のような形状になっており、ラッコが集まって浮かんで休んでいることが多い場所です。
ちなみに私はここで7、8頭ほどのラッコが浮かんでいる様子を観察することができました。

ラッコが見られる季節と時間帯
おすすめ観察シーズン
ラッコは霧多布岬周辺に周年生息しているので、この季節でないと見られないということはなく、1年中観察可能です。
ただし、霧多布岬周辺は非常に霧に包まれやすく、また屋外での観察となることから、霧が出にくく気候が過ごしやすい初夏や秋の時期の観察がおすすめです。
おすすめ観察時間帯
おすすめの観察時間帯は霧が出にくい午前中の朝早い時間帯です。
ただ午後になって人が増えてくると、誰かが見ている方向を見ればラッコが見つかる、ということも多いので、霧の出ていない晴れた日などは午後の観察もおすすめです。
ラッコの探し方と見つけるコツ
望遠レンズ/双眼鏡で探そう
ラッコは50mほどの高さのある崖の下の海にいますし、崖の真下にいるわけでもなく沖にぷかぷか浮いています。
肉眼でも探すこと自体は可能ですが、姿を明瞭に見るには望遠レンズを付けたカメラで見るか、双眼鏡の使用がおすすめです。

望遠レンズでは最低でも焦点距離300mm以上、双眼鏡では8倍(望遠レンズ400mm相当)以上がおすすめです。
しっかり表情まで見えるような写真を撮りたい場合は、600mmなどの超望遠も推奨されます。



600mm+テレコンやクロップなどを使うことで、ラッコの表情が写るような写真を撮ることが可能です。
ラッコを見つけるポイント

ラッコを見つけるポイントは「風」と「人」です。
霧多布岬は風が良く吹き付ける岬で、ラッコは基本的に岬の風下側にいることが多いので、その日の天気を見て風下側を観察するとラッコが見つかることが多いです!南風の場合は岬の北側、北風の場合は岬の南側といった感じです。
ちなみに霧多布岬には弓なりに弧を描く形状になっていて、ラッコ観察におすすめなのは湾になっている北側なので、コンディションとしては南風の日が観察しやすいです。
また究極の手段として人を見るという方法があります。霧多布岬には同じくラッコ目的で集まっている人がたくさんいます。
大体の場合、集まっている人たちはすでにラッコを見つけてどでかいレンズ付きのカメラや双眼鏡をもって観察しているので、その人たちが眺めている方向を見ればラッコが見つかることが多いです!
ラッコ観察/撮影におすすめの機材

おすすめの双眼鏡
8~10倍
手持ちの双眼鏡で安価なものを使いたいなら、8~10倍程度のものがおすすめです。
これ以上倍率が高いものだと手振れが大きくなって観察がしにくくなってしまうので、倍率が大きすぎる双眼鏡よりはこのくらいがよいです。
防振双眼鏡
12倍以上の倍率を使いたいときは、値段は張りますが防振望遠鏡がおすすめです。
防振望遠鏡は内部の機構で手振れが低減されるようになっているので、大きな倍率でもしっかり対象を観察できます。ラッコだけではなく野鳥の観察などにもおすすめです。
おすすめ望遠レンズ(倍率)
100-400mm
霧多布岬でラッコの撮影に挑戦するなら最低でも300mmくらいの焦点距離は欲しいです。
300mmでも正直小さいくらいの写り具合なので、クロップで600mmにできる100-400mmくらいの望遠レンズはおすすめのひとつです。
200-600mm
本格的に撮影するなら600mmレベルのレンズがおすすめです。
クロップとテレコンバーターを組み合わせて実質1000mm以上にして撮影すれば、ラッコをかなり大きく写すことができます。ちなみに今回自分が載せている写真も、600mm+1.5倍クロップ+1.4倍テレコンの実質1260mmで撮影したものが多いです。
テレコンバーターの併用もおすすめ
テレコンバーターを使用すれば、望遠レンズの焦点距離を伸ばすことができます。
F値が高くなってしまったり、AF性能が落ちてしまったりといったデメリットもありますが、クロップのように画素数を落とさずとも焦点距離を伸ばせるのはかなり魅力。ラッコの撮影にはシビアなAFは要求されないので、テレコンが輝く被写体です。
▼ラッコのためだけに購入するのが大変なら、レンタルもおすすめです!

ドローン撮影は禁止
霧多布岬ではドローンの使用は禁止されています。
というのも、過去何度もドローンに驚いたラッコが岬に寄り付かなくなってしまう事態が発生しており、ラッコや海鳥などの生物を不用意に驚かさないために、現在はドローンの使用は禁止されているのです。
ラッコの観察は望遠レンズや双眼鏡を使用した崖上からの観察にとどめましょう。
現地で気を付けたい注意点
霧
霧多布岬はとても霧の出やすい環境です。
霧が濃く出てしまうとラッコを探すことはできませんから、事前に天気予報を確認して向かうと良いでしょう。ただ霧は今まで出ていなかったのに急に出てきたり、逆に急に晴れたりといったこともあるので、行っても霧が出ていて見れない覚悟は必要かもしれません。
霧が出てしまってラッコが見られないときは周辺にある霧多布湿原センター(https://www.kiritappu.or.jp/center/)や、霧多布湿原を訪問してみても面白いですよ!

風
霧多布岬はとても風が強いことが多く、荷物や帽子が飛ばされないように注意することはもちろん、実際の気温よりもかなり体感気温が低くなることもありますから、防寒対策はしっかりしていきましょう。
また前述の通り、ラッコは岬の風下側にいることが多いので、岬に行く前に当日の風向きをチェックしてから行くと、ついてからもスムーズにラッコを見つけられるかもしれません。
駐車場・トイレ

霧多布岬には「霧多布岬展望台駐車場」と「霧多布岬駐車場」があり、ラッコ観察ポイントに近いのはより岬の先端に近い「霧多布岬展望台」です。
しかし「霧多布岬駐車場」にはトイレがないので、ラッコの観察中にトイレに行きたくなった場合はより手前の「霧多布岬展望台駐車場」まで移動する必要があることに注意が必要です。
まとめ

*ラッコの監察院は岬の北側がおすすめ
*事前に風向きや霧などの天候をチェックしよう
*観察には望遠レンズや双眼鏡を使おう
*最低でも300mm以上の望遠レンズ、8倍以上の双眼鏡がおすすめ
*ドローンは使用禁止
*防寒対策はばっちりにしていこう
今回は霧多布岬のラッコについて、ご紹介しました。
どの種類も特徴があっておもしろいですし、何より自分でサーチして見つけられた時の喜びはとっても大きいです!
皆さんもぜひ探してみてください!!
三谷曜子・北野雄大・鈴木一平(2019)道東沿岸域において再定着しつつあるラッコの摂餌生態の解明、自然保護助成基金助成成果報告書、28、p.116-122
三谷曜子(2021)北海道沿岸におけるラッコの再定着は何をもたらすか:生物多様性保全と持続的利用の両立に向けて、旭硝子財団助成研究成果報告、90、p.1-9
三谷曜子(2024)海中林における高次捕食者,ラッコとヒトは共存できるか:ラッコが沿岸生態系に与える影響、旭硝子財団助成研究成果報告、93、p.1-8
片岡義廣(2026)ラッコ History in Kiritappu Aお母さんファミリーと仲間たちの10年、NPO法人エトピリカ基金




