【アホウドリ】八丈島航路(橘丸)でバードウォッチング!〈マリラバ生物探訪〉
八丈島航路での海鳥観察

2026年3月下旬に三宅島に観光に訪れた帰りの船で海鳥を観察してきました。
この橘丸の八丈島航路(竹芝ー三宅島ー御蔵島ー八丈島間の往復)は屈指の海鳥観察航路らしく、特にこの3、4月はアホウドリ観察のトップシーズン。これは観察しない手はないだろうということで観察と撮影を行うことにしました。

今回は三宅島を13時頃に出発する復路での観察です。橘丸で竹芝から三宅島に行く場合、まだ外が暗い朝5時頃に着いてしまうので往路での観察はできません。八丈島到着は10時頃なので、八丈島に行く場合は往路も観察可能です。
この航路で海鳥が最も多いのは御蔵島-三宅島間と三宅島ー伊豆大島(を通過する辺り)間で、カンムリウミスズメは前者、アホウドリは後者で多く観察できるそう。
カンムリウミスズメは三宅島から西南西約9kmに位置する大野原島(通称三本岳)で繁殖しているらしく、三宅島周辺の海域で観察される頻度が高いみたいです。カンムリウミスズメ狙いなら御蔵島ー三宅島間を往復するために八丈島まで行くことをおすすめします。
アホウドリ類は八丈島周辺でも観察できますが、高頻度で観察できるのは三宅島ー伊豆大島間です。気象条件にもよると思いますが、この間は船からの距離を問わなければ姿自体はほぼずっと見られます。

さて、出航から1時間くらい経つとぽつぽつとアホウドリが姿を見せ始めました。
遠くにぷかぷか浮いていたり、ダイナミックソアリングで飛んでいたり。初めて見る生ダイナミックソアリングはすごかったです。本当に羽ばたかずに飛び続けていてその美しさに圧倒されました。
と、ここで嬉しい出会いが!

カンムリウミスズメです!
他のバードウォッチャーの方々が順光で撮影・観察できる右舷側に集まる中、逆光の左舷側でまったりしていたら観察できました。多分この日の航路で観察したのは私だけだと思います(笑)。
このあとカンムリウミスズメが着水して見失ってしまったのですが、とても素晴らしい出会いでした。

さらにクロアシアホウドリが遠くでダイナミックソアリングしている様子も観察できました。
この日にはすでに何度も見ていますが、何度見ても感動します。羽ばたかずにスーッと浮いていくのがかっこよすぎる。


ここでさらに驚異的な出会いが!!!マッコウクジラです!!!
写真を撮れたのはこの個体だけでしたが、他にも数頭が潜っていく様子を観察できました。ちなみに彼らも左舷側に現れました。
他のバードウォッチャーの方と「ザトウっぽくはないですよねえ」なんて話しながら撮った写真を確認したら、胴にしわが確認できたので一発でマッコウとわかりました。
身体に波状のしわがあるのはクジラの中でマッコウクジラのみが持つ特徴で、泳ぐ際の水の抵抗を減らす効果があると考えられています。ちょうど最近「Newton別冊 鯨と人類」で読んだのでいいタイミングでした。


その後も素晴らしい出会いは続きます。
船のすぐ横にアホウドリの成鳥と若鳥の集団が浮いていたようで、彼らが飛び立つ瞬間を捉えることができました。600mmノートリミングでこれなので相当近いです。
ちなみに彼らも逆光の左舷側で観察できました。この日は順光の右舷は”出”が悪くて、今回載せている写真もクロアシとアホウドリ成鳥1羽以外は左舷で撮影してます。
右舷側に三脚を立てて張りこんでいた方も数名見かけましたが、それだとこの出会いはありませんでした。私は日和見的に左舷と右舷をフラフラしていましたが、とにかく生きものを観察することが目的だったので、結果的に正解だったかなと思います。
「完璧な写真を撮る」ことが目的でなければ、今回みたいにフラフラしていた方が生きものとの遭遇確率は上げられると思います。反対側から歓声が上がったらダッシュで向かえばいいですし、そもそも逆光側でも案外撮れます(RAWで撮っとけば割と現像でどうにかなります)。
逆に「完璧な写真を撮る」ことが目的なら、右舷張り込み以外選択肢はないので祈るしかないです。右舷の方が”出”がいいことも当然ありますし、そこは運です。

ところで今回観察してて思いましたが、船から観察できる海鳥には「1.船の遠くをゆったり飛んでいる」と「2.船のすぐ横に浮いていた個体が船に驚いて5or7時方向に飛んでいく」の大体2パターンがあります。
ダイナミックソアリングを連続的に観察できるのは前者ですが、より近くで観察・撮影できるのは後者です。カンムリウミスズメなんか小さすぎて後者じゃないと発見できない気さえします。
ただし後者は驚いて逃げていく個体なので、撮影チャンスが少ないです。斜め後ろを向いてしまうのも難しいポイント。たまに戻ってきてくれる子もいるので、結局は運次第にはなるかなと思いました。


さて、東京湾に近づいてくるとオオミズナギドリの大規模な群れが観察できました。
ここまでくると航路も終盤。オオミズナギドリをひととおり観察して船室に戻りました。今思えばじっくり探せば群れの中にトウゾクカモメとかいたかもですね。次は探してみましょう。
今回はめちゃくちゃ運が良くてとても楽しい船旅になりました。船に驚いて飛び出すトビウオやコアホウドリ、カツオドリなんかは今回は観察できていないので、また来ようと思います。
内藤明紀・小寺泰聖(2025)三宅島海域におけるカンムリウミスズメの洋上分布について(2024年度)、 Miyakensis, vol.28、pp61-63
編集人:中村真哉(2026)Newton別冊 鯨と人類、ニュートンプレス
箕輪義隆(2024)新 海鳥ハンドブック 増補改訂版、文一総合出版
三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館「三宅島の野鳥」https://miyake1993.wixsite.com/akakokko/birds、最終アクセス日:2026/4/12

