今回はミズタマハゼの飼育法と注意点をご紹介します。
実はミズタマハゼは本当に優秀な底砂掃除にはもってこいのお魚なんです。
本記事で分かること
・ミズタマハゼの特徴
・ミズタマハゼ飼育に必要な環境
・ミズタマハゼの飼育法
・飼育の注意点
▼ミズタマハゼ飼育の注意点についてこちらでさらに詳しく解説しています。
ミズタマハゼの飼育まとめ
ミズタマハゼの飼育について簡単にまとめてみました。
水槽の大きさ | 30cm水槽~ |
---|---|
環境変化に強いかどうか | 強い |
水温 | 25℃ |
食性/おすすめエサ | ベントス食性/メガバイトレッド |
性格 | わんぱく |
魚との混泳の相性 | 他種:底生魚には注意が必要 同種:避けるのが無難 |
サンゴとの相性 | サンゴの置き方に注意が必要 |
特記事項 | すでに底砂が汚れた水槽への導入は避けるのが無難 |
これらについてこの先でお話ししていきます。
ミズタマハゼの特徴
ミズタマハゼの見た目
大きさは最大で20センチほどになります。水族館では丸々太った大きな個体をよく見かけますね。
身体は透明感のある白色で頬に青色の水玉模様があります。ミズタマハゼの名前の由来はこの頬の水玉模様なのかもしれませんね。
3、4センチ程度のかわいらしい個体から10センチくらいの大きめの個体まで幅広く販売されています。
ミズタマハゼの食性
ミズタマハゼはベントスハゼとも呼ばれる仲間です。
ベントスというのは底生生物のことで、ミズタマハゼはそのような砂の中の微生物や有機物を、砂を口に含むことでこしとって食べます。
このベントス食性を持つミズタマハゼは、水槽内でも底砂を口に含んではえらから出し、ということをずーっとやっています。
そのためミズタマハゼがいると、底砂を絶えずかき混ぜてくれるので、結果的に底砂にコケも生えず、デトリタスがたまることもありません。
またほかの魚があまり反応しない落ちたエサをしっかりと食べてくれるので、底砂のお掃除係としての能力は一級品です。
人工餌にもすぐ餌付くことが多く下に落ちたエサをよく食べてくれます。
ミズタマハゼの性格
ミズタマハゼの性格は非常に温和で、他の魚に攻撃を仕掛けることはまずありません。
ただ少し臆病な部分もあり、小さい個体だとほかの魚からのプレッシャーにおびえてしまうこともあります。
我が家ではすでに7、8匹ほどの先住魚がいる60cm水槽に、5cmほどの小さなミズタマハゼを導入したところ、いじめられていたわけではなかったのですが、プレッシャーで衰弱し、すぐに亡くしてしまったことがあります。
しかし同じ環境でも、10cm弱の大きな個体を導入したところ難なく馴染めました。もしすでに魚のいる水槽に導入する際は大きめの個体を選ぶことをおすすめします。
ミズタマハゼを購入する
ミズタマハゼは海水魚を販売しているショップや通販などで購入できます。
入荷は多く、海水魚を扱っているショップなら比較的簡単に入手できます。値段は1匹1000~2000円くらいの場合が多いです。
丈夫な魚ですので、通販での購入でも弱ってしまうようなことはあまりありません。
ミズタマハゼの飼育法
必要な水槽の大きさ
大きさは最大で20cmほどになりますが、販売サイズは10cmくらいまでです。
水槽内なら大きくは成長しませんし、底生の魚なので水槽は大きくなくても問題ありません。30cm水槽で十分に飼育できます。
エサ
ミズタマハゼは水槽に慣れさえすれば人工餌をしっかりと食べます。
エサの量については、かわいくてたくさんあげてしまう気持ちは痛いほどよくわかります が、無秩序なエサやりは水質の悪化を招きよくありません。魚たちが1分ほどで食べきれる量を、2、3回にわけて、1日に2回ほど与えましょう。
ミズタマハゼは少しやせやすい部分もあり、水槽に入れる前に餌付きを確認しておくと安心です。
▼その辺の内容はこちらでもお話ししています。
おすすめは栄養価の高い沈下性の人工餌である、メガバイトレッドです。コスパが最強なテトラマリン ミニグラニュールもおすすめです。
ミズタマハゼの混泳について
他種混泳について
ミズタマハゼの性格は臆病な方です。ほかの魚に攻撃を仕掛けるようなことはあまりないですが、気が強い魚がいるとやられてしまったり引っ込んでしまったりすることがあります。
また同じような底生の、ヤエヤマギンポやオトメハゼなどの魚との混泳には注意が必要です。海水魚は同じような生体の魚とは喧嘩しがちという部分があるので気をつけましょう。
しかし水槽に慣れると結構図太いので、慣れてくれればあまり気にしなくても大丈夫です。
人気のカクレクマノミや、ハギ類、ハゼ類、ハナダイなどの多くの魚とは問題なく組み合わせられます。
同種混泳について
ペアより多く(3匹以上)での飼育は喧嘩してしまう可能性がありおすすめしません。
2匹導入したときに運悪く同じ性別だと喧嘩してしまうことも考えられるので、水槽が相当大きくない限りは単独飼育をおすすめします。
サンゴとの混泳について
基本的に可能です。
ただ先述の通り砂を口に含んではえらから出すということを繰り返すので、その砂がサンゴにかかってしまうとサンゴにとってはダメージになります。
特にポリプの大きなLPSは注意が必要です。
ミズタマハゼは底砂付近で活動するので、砂よりすぐ上にサンゴを置かなければ問題ありません。
ミズタマハゼは環境変化に強い?
とても丈夫です。
水質の悪化や温度変化などの悪条件・環境変化にも強めです。
我が家では病気をしたことがなく、本当に強いお魚だと感じます。
ろ過について
丈夫な魚ですので、他の魚が飼育できるくらいの水質が用意できれば問題ありません。
▼水槽のろ過を担うフィルターについてはこちらで詳しく解説しています。
水温について
適切な水温は25℃です!
この値をキープできるように、ヒーターやクーラーで管理しましょう。1日での変化量が大きかったりすると病気になってしまう可能性もあるので、なるべく変化させないようにするのが基本です。
▼水槽用のヒーター・クーラーについてはこちらで詳しく解説しています
水替え
水替えは怠らないようにしましょう。丈夫なミズタマハゼとはいえ、汚れきった水では長生きできません。
目安は週に1回水槽の水量の10%程度です。2週に1回20%でももちろんかまいません。あまり大量に水替えしてしまうと環境変化が大きくなってしまうので、なるべくこまめに水替えしましょう。
硝酸塩について
硝酸塩とは水の汚れそのものです。ろ過の過程で残るのですが、これ自体は分解されないので水槽にたまっていきます。これを排出するために水換えが必要なのです。
できればでよいので、硝酸塩については試験紙や試薬を購入して適宜測定を行うことが望ましいです。
基本的には、50ppm(mg/L)という値を超えてしまうと危険なので、それ以下の値を保てるように水換えを行いましょう。
海水魚の飼育をその後も見据えているなら、初めは安価なものでもよいので試験紙などを購入して測定することをおすすめします。
おすすめはこちら。試験紙タイプで結果は多少アバウトですが安価で、半分に切って使えば50回分あるのでコスパ最強です。
こちらは試薬タイプのものです。より正確に測れますよ。
▼硝酸塩について、またそれを減らす方法についてはこちらでも詳しく解説しています
飼育の注意点
餌もきちんと与えよう
底砂の掃除能力は確かなミズタマハゼですが、意外と痩せやすく、人工餌も与える必要があります。
基本的にはすぐ人工餌に餌付きますが、餌付かないとそのまま痩せて死んでしまうこともあるので水槽に放つ前に隔離ボックスなどで人工餌への反応を確認することをおすすめします。
隔離ボックスの底に餌を落として、それを食べるような動作があれば痩せて死なせてしまう心配はありません。
▼我が家では水槽に放つ前に隔離ボックスを設置して人工餌に餌付いているか確認した。なお、導入した瞬間に餌付いた。
▼テトラマリン ミニグラニュールはコスパ最強の粒餌
比較的臆病
ハゼ類の例に漏れず臆病な傾向があります。
我が家ではすでに7、8匹ほど魚がいる60cm水槽に5cmほどの小さな個体を導入したところ、いじめられてはいなかったのですが、プレッシャーですぐに死なせてしまったことがあります。
しかし同じ環境でも10cm弱の大きな個体を導入したところ難なく馴染めたため、すでに魚のいる水槽に導入する際は大きめの個体を選ぶことをおすすめします。
サンゴ水槽での注意
ミズタマハゼは口に含んだ砂を泳ぎながらエラから吐き出すという行動を取るため、サンゴが底砂の上や低い高さに置かれているとサンゴに砂がかかってしまいます。
これはサンゴ(とくにLPS)にとってストレスなため、サンゴの設置する高さには注意が必要です。
病気をばら撒いてしまう可能性
底砂をかき回す特性上、砂の中に白点虫などの病原菌がいた場合、それを水槽内にばら撒いてしまう可能性があります。
ミズタマハゼ自身は強健なため病気にはあまりなりませんが、まだ水質が安定していない頃にヤッコやハギなど特に白点病になりやすい魚が水槽内にいる場合は注意が必要です。
▼免疫力増強におすすめの餌「メディマリン」について
▼殺菌灯や殺菌筒の導入もGOOD
すでに底砂が汚くなってしまった水槽に導入するのは避けたほうがいい
ミズタマハゼは底砂をきれいに保つのは得意ですが、すでにデトリタスや病原菌などがたまってしまった汚い底砂の水槽に導入するのはおすすめしません。
したがって、ミズタマハゼを導入するなら立ち上げてすぐの水槽か、リセットや半リセットで底砂を新しいものに交換したときなどがおすすめです。
まとめ
*初心者さんでも飼育しやすい
*30cm水槽で飼育できる
*水温は25度が安定
*デトリタス食性。底砂に落ちたエサや底砂内の有機物を捕食する
*他種混泳は底生の魚以外の種なら可能。同種混泳は大きな水槽でないなら避けたほうが良い
*ミズタマハゼは底砂掃除において最強
*意外と痩せやすい。人工餌に餌付いているのを確認してから水槽に放とう
*臆病なのでスターターフィッシュにしないときは大きめ個体がおすすめ
*サンゴ水槽(特にLPS)では砂がかからないように注意
*病気をばら撒いてしまうかも。きれいな底砂を利用したり、魚の免疫力増強や殺菌グッズの導入もおすすめ
*「きれいな底砂をきれいに保つ」のは得意だが「汚い底砂をきれいにする」のは不向き
今回はミズタマハゼの飼育法と注意点をお話ししました。
ミズタマハゼの飼育には意外と気をつける点が多いのですが、1匹いれば底砂の汚れには全く困らないほどの優秀なコです。
美しい底砂を保ちたい皆さんはぜひ1匹どうぞ!
▼ミズタマハゼが気になった方はこちらから購入できます!