ヒフキアイゴはおちょぼ口とビビッドな黄色がかわいい、飼育も簡単なお掃除生体なんです。
実はヒフキアイゴは私の最も好きなお魚でもあります。
今回はヒフキアイゴの飼育法とその際の注意点についてお話しします。
本記事で分かること
・ヒフキアイゴの特徴
・ヒフキアイゴ飼育に必要な環境
・ヒフキアイゴの飼育法
・飼育の注意点
ヒフキアイゴの飼育まとめ
ヒフキアイゴの飼育について簡単にまとめてみました。
水槽の大きさ | 幼魚:45cm水槽~ 成魚:60cm水槽~ |
---|---|
環境変化に強いかどうか | 強い |
水温 | 25℃ |
食性 | 草食性、おすすめ餌:海藻70 |
性格 | のうてんき |
魚との混泳の相性 | 他種:極めて良好 同種:巨大水槽でない限りは避けるのが無難 |
サンゴとの相性 | 基本的に問題ない |
特記事項 | ひれに強毒のとげを持つ |
これらについてこの先でお話ししていきます。
ヒフキアイゴの特徴と飼育環境
ヒフキアイゴの見た目、必要な水槽
大きさは最大で20~25センチほどになります。水族館では丸々太った大きな個体をよく見かけますね。
身体は明るい黄色で、背中に黒い斑点があるものとないものがいます。学術的な種としては斑点がないものはヒフキアイゴとは別種とされているようですが、ショップで販売されるときは特に区別されていません。
斑点があるものをよく仕入れているショップと、ないものをよく仕入れているショップがあるので、好みで選ぶとよいでしょう。
ヒフキアイゴの食性
ヒフキアイゴは自然界では藻を主食としており、水槽内でも大きな藻を中心によく食べます。
そのためコケ取り生体としても大活躍してくれます。
我が家ではとろろ藻はあまり食べてくれませんでしたが、ライブロック上で大繁殖していたスズカケヅタはよく食べ、しっかりと仕事をしてくれました。
あとはウミブドウなんかのイワヅタの仲間の海藻が特に好きなようです。ウミブドウをたまにおやつとしてあげると嬉しそうによく食べます。
スズカケヅタはこんなの(「やどかり屋」さんの商品ページ)です。
ヒフキアイゴの性格
ヒフキアイゴの性格は非常に温和で、他の魚に攻撃を仕掛けることはまずありません。
ただ少し神経質な部分もあり、水槽導入から水槽に慣れてくれるまでは餌を食べてくれなかったりもします。
それでも1週間もすれば慣れてきて元気に泳いでくれます。
ヒフキアイゴを購入する
ヒフキアイゴは海水魚を販売しているショップや通販などで購入できます。
入荷は多く、海水魚を扱っているショップなら比較的簡単に入手できます。値段は1匹1500~3000円くらいの場合が多いです。
丈夫な魚ですので、通販での購入でも弱ってしまうようなことはあまりありません。
ヒフキアイゴの飼育法
必要な水槽の大きさ
3、4センチ程度のかわいらしい個体から20センチくらいの大きめの個体まで幅広く販売されています。よく販売されているのは10センチ以下の個体です。
泳ぎは得意で遊泳能力は高いですが、成長はそれほど早いと感じないため3、4センチの個体なら45cm水槽でもしばらくは問題なく飼育できます。
7、8センチの個体でも60cm規格水槽があれば飼育に問題はありません。
大型の個体の飼育では90cm水槽が必要になりますが、成長の遅さから焦って準備する必要は全くありません。
我が家では60×45×45cmの水槽で10センチ弱の個体を半年以上飼育していますが、今のところ全く問題ないです。
▼ヒフキアイゴの飼育水槽について詳しくはこちら
エサ
ヒフキアイゴは水槽に慣れさえすれば人工餌をしっかりと食べます。
エサの量については、かわいくてたくさんあげてしまう気持ちは痛いほどよくわかります が、無秩序なエサやりは水質の悪化を招きよくありません。魚たちが1分ほどで食べきれる量を、2、3回にわけて、1日に2回ほど与えましょう。
ヒフキアイゴは少しやせやすい部分もあり、大食漢のためたくさん餌を与える必要があります。
自然界では藻を主食としており、植物質な餌を中心に与えるとよいですが、動物質な餌でもふつうに食べます。
おすすめは植物食の魚のために開発された人工餌である、海藻70です。コスパ最強なテトラマリン ミニグラニュールもおすすめです。
おやつにウミブドウをあげると我先にと貪ります。他の魚はあまりウミブドウを食べませんので、ヒフキアイゴを集中的に太らせたいときにもおすすめです。
水槽導入直後でおびえているときにウミブドウをあげると、すぐに食い尽くして元気になったという話もあります。
ヒフキアイゴの混泳について
他種混泳について
ヒフキアイゴは非常に協調性の高く、非常に温厚です。ほかの魚に攻撃を仕掛けるようなことはあまりなく、あらゆる魚と混泳できます。
身体も比較的大きいうえに、シルエットや色合いが独特なので他の魚の攻撃対象になることもあまりありません。
人気のカクレクマノミや、ハギ類、ハゼ類、ハナダイなどの多くの魚とは問題なく組み合わせられます。
同種混泳について
自然界ではペアでいることが多く、時には大きな群れを形成することもありますが、水槽内では喧嘩してしまうこともあるようです。
水槽が相当大きくない限りは単独飼育をおすすめします。
サンゴとの混泳について
基本的に可能です。
ただ後述しますが、ポリプの大きなサンゴであるLPSはヒフキアイゴの個体によってはつついてしまうこともあるようです。
我が家ではつつかないため、ここは運次第の部分でもあります。
▼ヒフキアイゴのサンゴとの相性について
ヒフキアイゴは環境変化に強い?
基本的には丈夫です。
水質の悪化や温度変化などの悪条件・環境変化にも強めではあります。
小さな個体でなければ体力も高いです。
しかしデバスズメダイなどの強健な魚に比べるとややですが病気に弱いと感じています。
我が家では環境の問題ではあるのですが、他の魚が何の問題もない中ヒフキアイゴだけ白点病を発病することがまれにあります。
身体は大きく体力は高いので、きちんと餌をあげることによる食事療法で容易に完治しますが、病気への耐性という面では少しだけ劣る印象です。
魚の免疫力を高めるラクトフェリンが含まれている「メディマリン」を与えるのも手のひとつでしょう。
▼メディマリンのレビューはこちら
もちろん環境がきちんと整っていれば病気になりにくいですし、白点以外の病気を発病したこともないので基本的には丈夫です。
▼白点病対策としてよく聞く「オキシドール」は効果はありますが、水槽内のバクテリアバランスを狂わせてしまうこともあるので注意が必要です。
▼ヨウ素で白点中を減らす「殺菌筒」も白点病対策におすすめです。
ろ過について
基本的には丈夫な魚ですので、他の魚が飼育できるくらいの水質が用意できれば問題ありません。
▼水槽のろ過を担うフィルターについてはこちらで詳しく解説しています。
水温について
適切な水温は25℃です!
この値をキープできるように、ヒーターやクーラーで管理しましょう。1日での変化量が大きかったりすると病気になってしまう可能性もあるので、なるべく変化させないようにするのが基本です。
▼水槽用のヒーター・クーラーについてはこちらで詳しく解説しています
水替え
水替えは怠らないようにしましょう。丈夫なヒフキアイゴとはいえ、汚れきった水では長生きできません。
目安は週に1回水槽の水量の10%程度です。2週に1回20%でももちろんかまいません。あまり大量に水替えしてしまうと環境変化が大きくなってしまうので、なるべくこまめに水替えしましょう。
硝酸塩について
硝酸塩とは水の汚れそのものです。ろ過の過程で残るのですが、これ自体は分解されないので水槽にたまっていきます。これを排出するために水換えが必要なのです。
できればでよいので、硝酸塩については試験紙や試薬を購入して適宜測定を行うことが望ましいです。
基本的には、50ppm(mg/L)という値を超えてしまうと危険なので、それ以下の値を保てるように水換えを行いましょう。
海水魚の飼育をその後も見据えているなら、初めは安価なものでもよいので試験紙などを購入して測定することをおすすめします。
おすすめはこちら。試験紙タイプで結果は多少アバウトですが安価で、半分に切って使えば50回分あるのでコスパ最強です。
こちらは試薬タイプのものです。より正確に測れますよ。
▼硝酸塩について、またそれを減らす方法についてはこちらでも詳しく解説しています
飼育の注意点
意外と神経質
ヒフキアイゴは見た目に似合わず意外と神経質で、特に水槽への導入直後は数日くらい餌を食べないかもしれません。
我が家でもそうでした。
そんな時は慌てず、あまり手を出しすぎずに見守ってあげれば数日後には水槽に慣れて餌も食べるようになってくれます。
水槽に他の魚がいればつられて餌を食べるようになりやすいです。
また、ウミブドウなどヒフキアイゴが好む餌を入れてあげるのも手です。
色が変わることがある
これは魚あるあるですが、ヒフキアイゴも例に漏れずよく色が変わります。先ほどにも写真を載せましたが、おびえているときや寝ているときはまだら模様を浮かびあがらせます。
これは普通のことなので、多少模様が異なっていても心配する必要はありません。
ひれに毒のとげを持つ
ヒフキアイゴは威嚇として背びれや腹びれ、尻びれを広げることがよくありますが、なぜならそれはひれのとげに毒を持つからです。
刺されてしまうと痛みと腫れがかなり出るそうです。
私は刺されたことはありませんが、刺されたという経験のある方も普通におり、ヒフキアイゴのいる水槽に手を入れるときには気をつけなければいけません。
しかし水槽に手を入れるとヒフキアイゴは逃げますし、さんざん水槽に手を入れながらも未だに刺されたことはないので、過剰に心配する必要はないと思います。
ヒフキアイゴの毒はタンパク毒で熱に弱いので、もし刺されてしまったら45℃~50℃の熱めのお湯を患部にかけると痛みと腫れが引いていくそうです。
適切な処置後にはきちんと病院を受診されることをおすすめします。
▼ヒフキアイゴにもし刺されてしまった場合についてはこちらで解説しています。
まれに一部のLPSをつつくこともある
まれにですが、特にカクオオトゲキクメイシなどのオオトゲサンゴ系のLPSをつつくこともあるようです。
しかしこの部分は本当に個体次第のところで、私の飼育する個体はカクオオトゲキクメイシを食べることはありません。
初めは大丈夫でも、何らかの変化で後天的につつくようになることもあるようです。
ここは運も絡む部分で、ぶっちゃけ水槽に入れてみないとわからないので過剰に心配する必要はありません。
▼ヒフキアイゴのサンゴとの相性について
まとめ
*初心者さんでも飼育しやすい
*小型の個体は45cm水槽、10cmくらいの個体なら60cm水槽で飼える
*水温は25度が安定
*餌は植物性のものがあるとよい。おすすめは海藻70やテトラマリン ミニグラニュール。焼きのりやウミブドウも食べる
*コケ取り能力を期待できる
*他種混泳はあらゆる種と容易に可能。同種混泳は大きな水槽でないなら避けたほうが良い
*意外と神経質なので導入直後は餌を食べないかも
*慣れていないときやおびえているとき、寝ているときはまだら模様を浮かびあがらせる
*ひれのとげに毒を持つ。刺されたら熱めのお湯をかければ症状は軽減。きちんと病院も受信しよう
*カクオオトゲキクメイシなど一部のLPSをつつくこともまれにある
ヒフキアイゴは飼育も簡単で混泳の幅が非常に広いお魚ですので、初心者さんにもおすすめできるお魚です。
水槽内で問題も引き起こしにくく、個人的には本当に大好きなお魚なのでとてもとてもおすすめです!!!
飼育すればあなたも必ずやそのおちょぼ口のとりこになることでしょう。
▼ヒフキアイゴが気になった方は、こちらから購入できます。