ニモとしても有名なカクレクマノミ、海水魚を飼育したことのある方でカクレクマノミを飼育したことのない人はあまりいないと思います。クネクネ泳ぐその可愛さは言わずもがなです。
海水魚の中では1番有名かもしれないカクレクマノミ!私もその魅力に取り憑かれた1人です。そこで今回は気になるカクレクマノミの飼育法とその際の注意点についてお話しします。
本記事で分かること
*カクレクマノミ飼育に必要な環境
*カクレクマノミの飼育法
*飼育の注意点
▼海水魚飼育をはじめる時に必要なものをまとめています!「これから始めよう」という方はこちらも参考にしてください!
カクレクマノミの特徴・飼育環境
カクレクマノミの大きさ
カクレクマノミは10センチほどにもなる魚ですが、数センチの小型のものがよく売られています。基本は小型のお魚ですので30cmくらいの小型の水槽でも飼育できます。
ただし、水槽が大きいほど水質や水温も安定しやすいので、水槽は45cm以上の大きめがおすすめです。
カクレクマノミの性格
気性は荒くはないですが臆病でもありません。飼育者や飼育環境にもすぐ慣れてくれるでしょう。
ただしイソギンチャクと共生している場合は、自分の家を守ろうと気性が荒くなります。
イソギンチャク周辺で暮らすため、ほかの魚すべてに害をなすというわけではありません。
しかしイソギンチャクとカクレクマノミを共生させる予定がある場合、ハゼなどの臆病な魚との飼育では少しだけ注意が必要です。
また大きくなればなるほど気性も荒めになっていくといわれています。
カクレクマノミの混泳について
他種混泳について
カクレクマノミは多くの魚と混泳できます。ほかの種類に対して自分が攻撃を仕掛けることはあまりありません。
ただ好奇心は旺盛なため、臆病なハゼなどは近寄ってきたカクレクマノミに驚いてしまうこともあります。しかし攻撃は仕掛けないためハゼなどもいずれは慣れるでしょう。
しかし、スズメダイの仲間や、モンガラなどの気の強い魚との混泳は避けましょう。基本的にクマノミは図太いですが、あまりにいじめられると衰弱や飛び出しの原因になってしまいます。
クマノミ類との混泳に注意!
他種混泳が基本的に可能なカクレクマノミですが、他のクマノミ類との相性はよくありません。カクレクマノミに限った話ではありませんが、クマノミ類は同じ種類のみで飼育しないと喧嘩の危険性があるため気をつけましょう。
同種混泳について
これについては後程も説明しますが、同種混泳については2匹までがおすすめです。2匹以上入れてしまうと、強い2匹が他をいじめてしまう可能性があるためです。
なお、まだ子供で小さい頃なら、群れでも飼育できます。
カクレクマノミは環境変化に強い?
カクレクマノミは非常に丈夫な魚です。
水質の悪化や温度変化などの悪条件にも比較的強く病気になりづらいため、何かと水槽の環境を不安定にしがちな初心者向けの魚と言えます。
もちろんこのようなことはよくありませんが、一時的なら十分耐えられます。
また、高水温では元気がなくなっても生きることはできますが、10数℃のような低水温ではすぐに弱ってしまう可能性もあるためくれぐれも気をつけましょう。
ろ過について
カクレクマノミのペアのみの飼育であれば、30cmキューブ水槽に外掛けフィルターをつけてろ過をし、夏場は冷却ファン、冬場はヒーターをつけて水温を管理するだけでも飼育できます。
そこから魚を多くしたい場合は、ろ過不足にならないように気をつけましょう。
▼水槽のろ過を担うフィルターについてはこちらで詳しく解説しています。
水温について
適切な水温は25℃です!
この値をキープできるように、ヒーターやクーラーで管理しましょう。1日での変化量が大きかったりすると病気になってしまう可能性もあるので、なるべく変化させないようにするのが基本です。
▼水槽用のヒーター・クーラーについてはこちらで詳しく解説しています
カクレクマノミの飼育法
エサやり
カクレクマノミは人工エサを初めから食べる場合が多く、餌付けの心配はありません。
エサの量については、かわいくてたくさんあげてしまう気持ちは痛いほどよくわかりますが、無秩序なエサやりは水質の悪化を招きよくありません。魚たちが1分ほどで食べきれる量を、2、3回にわけて、1日に2回ほど与えましょう。
エサは粒が大きすぎると食べられないので小さめのものを選びましょう。
粒の大きさが小さい中でのおすすめは、食いつきがとっても良いメガバイトレッドSや栄養価の高いシュアーSです。何個かのエサをローテーションしてあげると飽きが来なくておすすめですよ!
▼カクレクマノミにおすすめの餌についてはこちら
水換え
水換えは怠らないようにしましょう。丈夫なカクレクマノミとはいえ、汚れた水では長生きできません。
目安は週に1回水槽の水量の10%程度です。2週に1回20%でももちろんかまいません。あまり大量に水換えしてしまうと環境変化が大きくなってしまうので、なるべくこまめに水換えしましょう。
硝酸塩について
硝酸塩とは水の汚れそのものです。ろ過の過程で残るのですが、これ自体は分解されないので水槽にたまっていきます。これを排出するために水換えが必要なのです。
できればでよいので、硝酸塩については試験紙や試薬を購入して適宜測定を行うことが望ましいです。
基本的には、50ppm(mg/L)という値を超えてしまうと危険なので、それ以下の値を保てるように水換えを行いましょう。
海水魚の飼育をその後も見据えているなら、初めは安価なものでもよいので試験紙などを購入して測定することをおすすめします。
おすすめはこちら。試験紙タイプで結果は多少アバウトですが安価で、半分に切って使えば50回分あるのでコスパ最強です。
こちらは試薬タイプのものです。より正確に測れますよ。
▼硝酸塩について、またそれを減らす方法についてはこちらでも詳しく解説しています
イソギンチャク
イソギンチャクと共生する姿が有名なカクレクマノミですが、結論から言うと、カクレクマノミの飼育においてイソギンチャクは必ずしも必要なものでありません。
もちろんイソギンチャクと共生するカクレクマノミのかわいさは素晴らしいです。しかし、イソギンチャクは水をかなり汚す上、移動して問題を起こすことがあり、また強めのライトも必要で、初心者向けの生体とは言えません。
はじめはカクレクマノミやその他の魚のみで飼育し、少しして慣れてきたらサンゴやイソギンチャクを導入すると言うのがおすすめです。
どうしても共生が見たいという方は、サンゴである「ウミキノコ」にカクレクマノミが共生することもあるので、イソギンチャクよりも飼育が簡単なウミキノコの飼育をおすすめします。
▼ウミキノコとカクレクマノミの共生についてはこちら
▼ウミキノコの飼育についてはこちら
▼小型水槽でハタゴイソギンチャクを飼育する
飼育の注意点
ワイルド個体とブリード個体
カクレクマノミには生まれによって違いがあって、自然界で採取されたワイルド個体と、人によって卵から育てられたブリード個体がいます。
初心者向けなのはブリード個体です。値段は安価で、人工エサもよく食べ、人馴れもしています。イソギンチャクとの共生はカクレクマノミの本能なので、適切な種類のものを入れれば、ブリード個体でも難なく共生してくれるでしょう。
ブリード個体は小型のものが多いので「大きなカクレクマノミがほしい」「野生味のある個体が飼いたい」「自然界でいた家族をそのまま飼いたい(ファミリーとして売られています)」という場合などにワイルド個体はおすすめです。
飼育匹数
カクレクマノミは、自然界では群れで1番大きいメスと次に大きなオスのペアをトップとして生きる魚です。
水槽内でペア以上の数を入れてしまうと、強い2匹がペアになり他を追い払ってしまうことがあるため、飼育はペアまでにするのが無難です。
またこの傾向はイソギンチャクに共生しているとより強くなります。イソギンチャクを飼育する予定のある方はなおさらペアまでの飼育とするのがよいでしょう。
気性
カクレクマノミは小さな頃は大丈夫でも、大きくなると気性が荒くなると言われます。カクレクマノミが大きくなってきたら、ハゼ類などの気が弱い魚との混泳は気をつけたほうが良いかもしれません。
ただ、私がカクレクマノミを飼育していた中で混泳魚に攻撃してしまったことはなく、個体によるのかもしれません。
まとめ
*丈夫で飼育しやすい!初心者におすすめ
*小型水槽でも飼育可能
*多くの魚と混泳可能
*クマノミ類との混泳には注意
*2匹までの飼育がおすすめ
*水温は25度が安定
*エサはメガバイトレッドやシュアーがおすすめ
*イソギンチャクは必ずしも必要ではない!初心者さんには少し難しいかも
*水槽慣れしているブリード個体が初心者さんにはおすすめ
いかがだったでしょうか。ほんとうにかわいいカクレクマノミ、クネクネ泳ぐその姿を見ている癒されます!
飼育自体はさほど難しくないので、気になったら挑戦してみるのが良いですよ!
▼カクレクマノミが気になった方は、こちらから購入できます。