本記事でわかること
・水道水に含まれる成分
・RO水で水換えするメリットとデメリット
・RO水の入手方法
水槽を運営していると
「硝酸塩がへらない」「こけがへらない」「泡がでる」
など色々な問題に直面することがありますよね。
しかし、水替えに使う水を水道水から純水(RO水)にすることで、これらの問題を解決できる可能性がありますので今回はそのことについてお伝えしていきたいと思います。
水道水には様々な成分が含まれている
水道水には色々な成分が含まれており、その中には海水水槽にとって適さないものがいくつかあります。
それらは主に
「塩素」「硝酸塩」「ケイ酸塩」
の3つです。
塩素
塩素は元々殺菌のために入れられていることもあり、当然海水水槽に入れてはいけません。
そのため水道水を水換えに利用する場合はしばらく貯めて置いておいたり、カルキ抜きを使って塩素をそのまま水槽にいれないようにしなければなりません。
ただこのカルキ抜きを入れる場合、それに含まれる魚の粘膜保護成分の影響で水面に消えづらい泡が発生することがあります。
▼詳しくはこちらで解説しています
硝酸塩
アクアリウム用品の国産ブランドであるデルフィスさんのこの記事によると、水道水における硝酸や亜硝酸の濃度の基準値を硝酸塩濃度に換算すると44ppm(mg/L)にもなるようです。
つまり44ppmの硝酸塩までなら、水道水に入っていてもよい、ということです。
私が使っている硝酸塩濃度を測定するレッドシーの試薬では測定の上限値が50ppmですから、これはかなりの値です。
さすがにここまでの値の硝酸塩が水道水に入っていることはまずないと思いますが、私が普段使っている水道水を測定してみると…
このように、5ppm程度の硝酸塩検出されています。硝酸塩は魚の調子に影響する上、コケの発生原因にもなり得ます。
またサンゴを飼育している場合は特に気をつける必要があり、なるべく減らしたい物質です。
▼硝酸塩、またそれを減らす方法についてはこちら
ケイ酸塩
先程のデルフィスさんの記事によると、ケイ酸塩は基準値がない上、地域によるようですが水道水には多くの場合含まれています。
ケイ酸塩は茶ゴケである珪藻の発生原因となるため、これもなるべく水槽内には入れたくない物質です。
これらの問題を解決してくれるのが純水(RO水)
純水(RO水)はその名の通り純粋な水ですので、水以外の成分はほぼ含まれていません。
それによってメリットとデメリットがあるため、以下にまとめます。
純水で水換えするメリット
硝酸塩の低下に貢献できる
一時期私の水槽では硝酸塩が測定不能なほど高く困っており、上述の通り水道水から硝酸塩が出ていたため、少しでも硝酸塩の上昇を抑えるために純水での水替えを始めました。
同じように硝酸塩に困っている場合、水換えしてもしても硝酸塩が下がらないということがあります。この時に考えられる理由はいくつかあるのですが、そのひとつが水道水に含まれる硝酸塩で、
現在の水槽の硝酸塩濃度と変わらないかそれ以上の値の硝酸塩が水道水に含まれていた場合、水替えしても硝酸塩濃度が下がらない
ということが起こるのです。
水換えしても硝酸塩が下がらない場合は、水道水の硝酸塩を測定してみて、純水での水替えも検討してみましょう。
▼硝酸塩について詳しく知りたい方はこちらから。
コケの発生を抑制できる
また純水での水換えによりコケが減ります。発生はするのですが、掃除の頻度は下がるでしょう。
私が純水での水換えを行って硝酸塩を下げた後、少し忙しい時期がありその時は水道水で水換えをしていました。すると純水で水換えしていた時期よりもコケが多く発生してしまいました。
これはまさに水道水に含まれる硝酸塩やケイ酸塩の影響と考えられます。
コケに悩んでいるという方は、純水での水換えも検討するとよいかもしれません。
手間を減らせる上、泡の発生を減らせるかも
さらには純水には塩素も含まれていないため塩素を抜く手間がありません。
これには手間以外にもメリットがあり、カルキ抜きで塩素を抜いている場合、それを入れる必要がなくなります。つまりカルキ抜きに含まれる成分によって泡が発生することも抑えられるのです。
私の水槽で発生していた泡についてはこの方法で解決しました。水替えした後に発生する泡に困っている方にも純水はおすすめです。
▼頑固な水面の泡を消す方法
純水で水換えするデメリット
次にデメリットについて説明します。
ミネラル不足の可能性
純水による害もあり、それは生物に必要なミネラルなどが含まれないことです。
これは淡水水槽では問題になり得ます。淡水水槽ではそのままの水を水換えに利用するため、純水のみを利用していると生体のミネラル不足が起きるかもしれません。
しかし海水水槽では、水に人工海水の素を溶かしてから水槽に水を入れます。
人工海水の素には海水で生活する生物に必要な成分は含まれておりますので、海水水槽であれば純水水替えによるミネラル不足は心配する必要がありません。
純水を手に入れる手間がかかる
純水を作るには逆浸透膜を利用した浄水器が必要で、その浄水器は割と高価で、安いものでも数万は下りません。また浄水そのものにも多少時間がかかります。
浄水器がない場合は、通販での購入やスーパーでもらう必要があります。
このように純水を手に入れるためには手間がかかります。
▼純水をつくるRO浄水器は非常に高価
純水を手に入れる方法
浄水器を使う
個人で純水を入手するためにまず考えられる方法は浄水器の利用です。
浄水器は逆浸透膜(RO膜)を用いて水をろ過します。浄水器としてはこのようなものがあります。
浄水器を利用する利点は自宅で簡単に純水がつくれるということです。
その分値段は高く、ろ過の過程で捨て水も多く発生するため水道代も多くかかります(一応捨て水は洗濯などに利用可能)。
また定期的に逆浸透膜の交換も必要でランニングコストもかかります。
そのぶん自宅で手軽に純水をつくれるメリットは大きく、財力が許すならば浄水器の購入はおすすめです。
純水を購入する
通販などでも純水を購入できます。値段は20リットルで2000円ほどです。
決して安くはありませんが、RO水での水換えを試してみたいという方にはおすすめです。
また海水水槽で余計な成分を水槽に入れたくない方は、天然海水による水換えもおすすめです。
水槽の調子が上向かないというときに天然海水で水換えをすると、これが意外に効くんです。やはり天然に勝るものはないのかもしれませんね!
スーパーでもらう
浄水器を使わなくとも純水を得られる方法があります。それがスーパーの純水サービスです。
スーパーの純水サービスでは多くの場合、数百円の専用ボトルを購入し、そのボトルを利用することで純水が汲み放題というサービスが展開されています。私もこのサービスを利用しています。
スーパーに汲みに行く手間はかかりますが、手軽に純水が手に入るため純水水換えをやってみようかなと思っている方にはオススメの方法です。
みなさまも近所で純水サービスをやっているスーパーをチェックしてみてください。割と多くのスーパーで行われているので、探してみると見つかる場合が多いと思います。
まとめ
*RO水には水槽における余分な成分が含まれていない
*硝酸塩を減らせる
*コケを減らせる
*水面の泡を抑制できるかも
*RO水を手に入れるには逆浸透膜の浄水器が必要
*RO水を通販で買うという手段もある
*RO水はスーパーでも手に入る
いかがだったでしょうか。海水水槽を運営する上で硝酸塩・コケ・泡等で困っている方には純水水替えはおすすめの方法です。
差はあると思うので断言はできませんが、少なくとも私の水槽では効果は実感できるレベルであります。
気になったら、近所のスーパーで純水を貰ってきて一度水替えしてみてください!
ご覧いただきありがとうございました!