丈夫で病気に強く、餌付けの心配もないということで、海水水槽で初心者向けの魚として紹介されているハタタテハゼ。
その美しさからと飼育の簡単さから飼育を始めた方も多いと思います。
しかしその臆病な性格から隠れて出てこなくなってしまうことがありますよね。
そこで今回はハタタテハゼが隠れて出てこなくなってしまったときの対処法を、経験を踏まえてお話します!
なお、この話は近縁種であるアケボノハゼにも適用できます。
本記事で分かること
・ハタタテハゼ(アケボノハゼ)が出てこない場合どうすればいいのか
どうして出てこなくなる?
ハタタテハゼはとっても臆病な魚です。ダイビングで実際に自然界のハタタテハゼを見たことがあるのですが、少し近づくと巣穴に飛んで帰ってしまいました。
ハタタテハゼは少しでも怖いと思うと、すぐに巣穴に逃げてしまいます。
ではハタタテハゼが怖いと感じるものはなんでしょうか。
ひとつは、水槽に慣れていないということです。ハタタテハゼからすれば水槽導入直後は知らない場所にいきなり放り込まれたわけですから、怯えてしまっていることが考えられます。
もうひとつは、混泳魚に怯えている可能性です。混泳魚がとても大きかったり、多くのスズメダイの仲間のように気が強かったりする場合、いじめられるほどではなくてもちょっかいを出されて巣穴に引きこもる可能性があります。
最後に意外と盲点なのですが、人、つまり飼育者やその家族に怯えている場合です。水槽導入してしばらくのうちは、魚は人間に見られることに慣れていないはずです。
イメージとしてはそれと同じです。こんなときもハタタテハゼは隠れてしまいます。
出てこないときどうすればいい?
では、出てこなくなってしまった時の対策法をお話します。
ここで共通するのは、出てこないからと言って焦らないということです。
多くの場合、ハタタテハゼが出てこないのは水槽や環境に慣れていないからです。
したがって時間が経てば解決することが多いです。出てこないことが心配であれこれと手を出したくなる気持ちはわかりますが、ぐっと抑えて見守ることが大切です。
とにかく待ってみよう!
まずひとつは、とにかく待つことです。
ハタタテハゼは臆病な魚ですので、出てこなくなること自体は普通にありえることです。なので出てこないからといって過剰に心配せず、待ってみましょう。ハタタテハゼが水槽に慣れてくれれば、自然と出てくるようになります。
慣れてくれるまでの期間は個体や環境によって変わると思いますが、私の飼育しているハタタテハゼは出てきて外で長い時間を過ごすようになるまでは導入から1ヶ月ほどかかりました。
なので餌さえ食べているのであれば、心配せずに待つのが良いです。
巣穴は必ず用意する!
巣穴に隠れてしまうからずっと出てこさせるために巣穴をなくせばいい、というのはやめたほうがよいです。
ハタタテハゼは自然界でも巣穴を持つ魚で、危険時にはそこに逃げこみます。
ハタタテハゼは飛び出しが多い魚と言われていますが、巣穴がないと隠れる場所がないので飛び出しの確率が上がってしまう可能性があります。なのでライブロックの隙間やハゼ土管などで、必ず巣穴を作ってあげましょう。
▼ハゼの巣穴におすすめ!
そっとしておこう!
待つことと合わせて重要なのがそっとしておくことです。上述のようにハタタテハゼが水槽に慣れていないうちに必要以上に覗き込むのはやめておきましょう。
わりとやってしまいがちなのですが、出てこないからといって水槽内をレイアウト変更などでいじくってしまうと、余計に出てこなくなってしまいます。
心配な気持ちは分かりますが、そっとしておきましょう。
また私のハタタテハゼもそうだったのですが、ドアの開け閉めや照明の点灯・消灯にも驚いてしまうので、過剰に気をつける必要はないですがあまり激しくはしないようにしましょう。
混泳魚に怯えている場合は、隔離しよう!
また水槽に慣れていないのではなく、混泳魚にいじめられたりちょっかいを出されて怯えているような場合は、ハタタテハゼか、いじめている方のどちらかを一時的に隔離しましょう。
状況次第ですが一般的にはいじめた方を隔離すると、そのうちにハタタテハゼが巣や縄張りをつくって水槽内に落ち着けるのでおすすめです。
方法としてはサテライト水槽を使ったり、
水槽用のセパレーターで仕切って水槽を分けてしまうものがあります。
ハタタテハゼを隔離するときは、上の写真でもあったフロートボックスに隔離するのが特におすすめの方法です。
もし可能なのであれば、ハタタテハゼは一番最初に水槽に入れるのがよいです。
ハタタテハゼを最初に水槽に入れて、1週間ほど待って水槽に慣らしてから他の魚を入れると混泳が成功しやすいです。
またオーバーフロー水槽であれば、一時的にサンプで飼育する手もあります。
後からハタタテハゼを入れて他の魚にいじめられてしまった時も、できればいじめた方を隔離してハタタテハゼを水槽に慣らしてからいじめた方を戻すと混泳に成功する場合があります。
【裏ワザ】逆に隠れ家をなくす
先ほど隠れ家をなくすのはやめたほうが良いといいましたが、混泳魚によるいじめが引きこもりの原因ではない場合や、ふたをしっかりとしていて飛び出しのリスクをなくせる場合は、多少強引になりますが正直ありな方法です。
ハタタテハゼが隠れているライブロックをどかしたりして隠れ家をなくすことでハタタテハゼは隠れられなくなるため、外に出てきて泳ぎます。
また強制的に外に出される分、水槽への慣れも早くなります。
ただし一時的なストレスは避けられませんし、混泳魚にいじめられていた場合は死んでしまったり、ふたの隙間から飛び出したりしてしまうリスクは少なからずあるので、この方法を実施する際はそのようなリスクに気をつけましょう。
この方法がおすすめなのは混泳魚が少なく、ふたもしっかりできているときに水槽に慣れていないハタタテハゼが出てこない場合などです。
まとめ
今回はハタタテハゼが出てこなくなる原因と対策法についてお話しました。
ハタタテハゼは色合いが綺麗でぴょこんとでた背びれが可愛いですよね!なので出てきてくれないとそれが見えなくて悲しいです。
でも焦らずにじっくり待てば多くの場合解決しますので、そっとしてあげましょう!
ご覧いただきありがとうございました!