本記事でわかること
・どのフィルターが自分の水槽にあっているか
・何を基準にフィルターを決めれば良いか
▼これから水槽を立ち上げたいという方は、こちらの記事もおすすめです
そもそもフィルターとは?
フィルターはお魚が出した排泄物をキレイにしてくれるものです。
フィルターの中に入れるウールマットでは水草の破片など直接ゴミをこしとりますし、ろ材を入れることでバクテリアを繁殖させて、そのバクテリアによってお魚の排泄物を
アンモニア→亜硝酸→硝酸塩
と、より無害な物質に変える役目もあります。
▼適切な水換えについて
フィルターは何を基準に選ぶ?
まずフィルターをなにを基準で選んだらよいか。
それはずばり容量です。
フィルターはろ材にバクテリアを繁殖させる必要がありますから、そのバクテリアが多ければ多いほどフィルターのろ過能力は高まるはずです。したがって、単純にフィルターの容量が大きければ大きいほどフィルターの性能は高くなります。
また、メンテナンス性も重要な項目です。
メンテナンス性が高ければ毎日の管理が楽になるため、水槽のモチベーション維持につながります。
他にもいくつか判断基準はありますが、それらは後ほど解説します。
フィルターの種類について
ここからは具体的に、海水水槽で一般的に利用されているフィルターの種類を紹介していきます。
実はここで紹介しているよりも観賞魚用のフィルターの種類はかなり多岐に渡るのですが、海水水槽では高いろ過能力が要求されるのでジッサイに使いやすいフィルターの種類は限られています。
ここではそんな、海水水槽でも十分に使いやすい方式のフィルターを紹介していきます。
外掛けフィルター
特徴やメリット、デメリット
【〇】設置が簡単
【〇】掃除などのメンテナンスはとても楽
【×】容量は小さめのものが多いため、ろ過能力は他のフィルターに劣る
デメリットを詳しく解説
容量が小さなものが多く(最大でも数L)、また付属のポンプもさほど強くはないので流れる水量も多くありません。
なので大きな水槽のメインフィルターには向かず、海水水槽でメインで使うなら30cm水槽くらいまでにしないと、ろ過能力不足が起こってしまうかもしれません。
大きめの水槽なら外部フィルターなどとのセット利用がおすすめなフィルターともいえます。
私は以前30×30×40cmの30cmキューブ水槽ハイタイプで3匹のお魚(カクレクマノミ2匹とハタタテハゼ)を飼育していましたが、その時は外掛けフィルターでも全く問題ありませんでした。
水槽サイズや魚の数によりますが、海水水槽ならは30cm水槽くらいまで、でお魚も数匹なら外掛けフィルターで全く問題ないと思います。
「パワーハウス カスタム ハード」は水質をアルカリ性に傾ける力があり、非常に多孔質なため海水水槽で外掛けフィルターに入れるに持ってこいですよ!
「バイコムバフィー」はバクテリアの定着面積こそ大きくないものの、バクテリアを引き寄せて急速に定着させる力があり、バクテリア剤と合わせて使うと効果大です!水槽がすぐに立ち上がりますよ。
おすすめのバクテリア剤はこちらです。海水水槽用に様々なバクテリアがブレンドされていて、必ずやあなたの水槽のろ過を強化してくれるでしょう。
▼おすすめの外掛けフィルター
上部フィルター
特徴やメリット、デメリット
【〇】設置が簡単
【〇】メンテや掃除も直接できるので簡単
【〇】ろ過槽が大きくとれるためろ過能力が高い
【×】フチなし(フレームレス)水槽には載せられない
【×】水槽の上を占有するため、サンゴ飼育でライトが必要な場合などで不利
デメリットを詳しく解説
水槽の上のスペースを占有してしまうためライトの設置に少し不便です。
またフレームレス水槽には載せられない点に留意しましょう。実際に私が使っている水槽もフレームレスのため、上部フィルターは使えません。
こちらのフィルターも水槽の上に載せるだけなので設置はとても楽です。
ろ過槽にフタがなく開放されているため、ウールマットやろ材のメンテ、掃除などもとても簡単にできます。
さらに、水槽の上に載せる形のためろ過槽の容量は大きく、ろ過能力は水槽サイズに対して十分にあります。
外部フィルター
外部フィルターは水槽の横や下に設置するもので、水槽からホースで水を引き込んでろ過し、またホースを通して水槽に水を戻すというフィルターです。
特徴やメリット、デメリット
【〇】設置の楽さは普通
【〇】ろ過能力は水槽に合わせたものを選べば申し分ない
【×】ろ過槽が密閉されているため掃除やメンテは少し面倒
【×】ろ過槽が密閉されているため、バクテリアが酸欠になってしまう可能性がある(解決法アリ)
デメリットを詳しく解説
まず設置は、ホースを繋ぐ必要や、機種次第ですが呼び水などの作業も必要なため先述の2種類に比べると少し手間がかかります。
またろ過槽が密閉されているため、掃除やメンテの際はホースを取り外して繋ぎ直したりする必要があり少し面倒です。
またこの密閉により、ろ過槽内のバクテリアが使う酸素が不足する酸欠のリスクがあります。
外部フィルターのろ過能力は高く、水槽内や上部のスペースを占有することもないため、使い勝手は良いです。
私が使っているのもこの外部フィルターです。
また、外部フィルターの酸欠になりやすいという欠点は、ある方法で補えます。それは、プロテインスキマーの使用です。
プロテインスキマーは泡を使うため水槽内の酸素量を増やすことができます。
したがってプロテインスキマーと外部フィルターは相性がよく、セットで利用すると水槽のろ過能力を引き上げることができます。私も外部フィルターとプロテインスキマーを両方使うことで、水槽のろ過能力を高めています。
私が利用していたフィルターはこちらです。
私はこのフィルターで60cm水槽で魚10匹とソフトコーラルを飼育していました(プロテインスキマー「海道達磨」と併用)。
水中モーターのため、設置の時に他の外部フィルターでは必要な”呼び水”がいらなくてとっても楽です。
また普通は外部フィルターは水槽の下に設置しなければならないのですが、このフィルターは横置きができることも条件次第ですが便利です。私も横置きで使用していました。
番外編~オーバーフロー水槽について~
オーバーフロー水槽
特徴
水槽のろ過方法のひとつとしてオーバーフロー水槽(以下OF水槽)があります。
OF水槽はフィルターを用いず、本水槽とは別にもうひとつ水槽を用意して、その水槽にろ材をたくさん入れることでフィルターとして機能させるものです。
水槽をろ過槽とするので圧倒的な容量を確保でき、圧倒的なろ過能力を持つことを特徴としています。
ただし非常に有用な分、初期投資にかかる金額は非常に高価です。
またろ過槽となる水槽は「サンプ」と呼ばれ、多くの場合キャビネットの中に収納されています。フタをする必要がないためメンテが非常に楽です。
プロテインスキマーの設置、水換え、魚の餌付けやいじめ発生時の一次隔離などにも使えるため非常に使い勝手がよいです。
また、フィルターの吸水口やヒーターなどのごちゃごちゃしたものをメイン水槽に設置しなくてよいので、水槽の見た目がとてもスッキリします。
正直、資金や置き場所の余裕があるなら海水水槽は初めからOF水槽にしておくのがおすすめです。
なぜなら、単純にOF水槽は多くの水量を確保できるため水温や水質の観点でも安定性が高いことがあります。
また私がそうだったのですが、初めて海水水槽を始めるとあれもこれもと色んな魚やサンゴを入れたくなってしまいます。
そういう時に小さい水槽だと対応できないということもあり、海水水槽は余裕があるならOF水槽で始めるのがよいです。
結局どれを選べばいい?
フィルターの種類は水槽や飼育する生体の数や大きさ次第です。例えば、30cmキューブ水槽などの小型水槽で数匹の魚しか飼育しない場合は外掛けフィルターでも十分です。
45-60cm程の水槽で魚も5匹〜ほどとなると外掛けフィルターだけでは心許なく、上部フィルターや外部フィルターも検討するべきです。
おすすめは、魚だけの飼育であればメンテ性に優れる上部フィルターを利用すると楽です。
逆にサンゴの飼育も検討しているならライトのための水槽上部を空けられる外部フィルターを利用するのがおすすめです。
フィルターの複数利用をすることでろ過能力を高めることも可能です。例えば外部フィルターと外掛けフィルターの併用をすれば、安定感は増します。
またこれはどの種類にも言えることですが、とりわけ海水水槽においては選ぶフィルターは説明されている対応水量よりも大きいものを選びましょう。
例えば60cm水槽用の外部フィルターを45cm水槽に使う、というようなことです。
淡水魚よりも海水魚は水質にシビアなので、表記の値よりもろ過能力が高いフィルターが要求されます。
また60cmワイド水槽(60×45×45cm)より大きい水槽となると、OF水槽が多くなってくると思います。
というか正直、予算や設置スペースなどの条件を満たすならば水槽の大きさに関わらずOFにするのがよいです。
まとめ
*ろ過能力は低く小型水槽向けだが、お手軽メンテで設置もらくらく「外掛けフィルター」
*フレーレス水槽には乗せられず水槽の上部を占有してしまうが、ろ過能力は高くて設置も楽!お魚メイン水槽におすすめ「上部フィルター」
*設置はちょっと大変だがろ過能力はとても高い!酸欠に注意なのでプロテインスキマーとのセット利用がおすすめ「外部フィルター」
*費用はかさむがろ過能力は最強。あらゆる分野で利点がある「オーバーフロー水槽」
*フィルターは、水槽の大きさや飼いたい生き物の数・大きさに合わせて選択しよう!
今回はフィルターの種類についてや、条件別にどれを選べばいいのかについてお話ししました。
フィルターを選ぶ際に最も大切なのは、フィルターを考える時はその水槽の未来を見通した上で考えることだと思います。
我が家では元の水槽サイズでは物足りず、二度の水槽のサイズアップを行ったことがあります。
そういった可能性も考えて大きなフィルターを選んでおけば将来の潰しが効くので、しっかりと将来のことを考えたうえでフィルターについても考えることをおすすめします。