というわけで今回は、ハタタテハゼとアケボノハゼの混泳は可能なのかどうかについてお話しします。
本記事で分かること
・ハタタテハゼとアケボノハゼの混泳は可能?
・混泳が成功しやすい条件
・喧嘩してしまったら
ハタタテハゼとアケボノハゼの混泳は可能?
結論から言うと
可能です!
ただし、条件があります。
混泳が成功しやすい条件
混泳を成功させる条件は
・水槽がある程度大きいこと
・隠れ家を用意すること
です。
私は以前、60cm規格水槽(60×30×36cm)でハタタテハゼを飼っていたのですが、そこにひとまわり大きいアケボノハゼを追加したところハタタテハゼがいじめられてヒレが欠けてしまうという事態が発生しました。
なお、このときの両者のサイズはハタタテが4、5cmほど、アケボノは7、8cmといったところです。
その後、水槽を60cmワイド水槽(60×45×45cm)にサイズアップしたのですが、そうすると喧嘩はぴたりと止みました。
お互いがお互いのテリトリーに侵入しなくなったことが大きいようです。
また、60cm水槽では双方の隠れ家が被っており、小さいハタタテ追い出されていじめられるという事態が多発していました。
しかし新水槽ではそれぞれの隠れ家が別にあり、またハタタテはアケボノにちょっかいを出されても自分の隠れ家にすぐに逃げ込むことができるようになりました。
したがって混泳成功のコツはそれぞれのテリトリーが被らない大きなスペースと、それぞれの隠れ家がきちんとあることだと言えます。
逆に言えば、正直小さい水槽でのハタタテハゼ類同士の混泳はやめた方が無難です。
ハタタテハゼ同士のペアや、アケボノハゼ同士のペアなら可能性はありますが、両方を小さな水槽で混泳させるとなるとリスクが大きいです。
アケボノ、ハタタテ両者の大きさが違う場合は、大きな方が小さな方をいじめがちです。同じ大きさの場合は、アケボノハゼの方が強いようですが、これも場合によると思います。
逆に言えば、水槽の大きさがある程度あれば喧嘩しないということもわかりました。
ハタタテハゼ類同士を混泳させたいときは、最低でも60cmワイド水槽以上の大きさの水槽を用意しましょう。
喧嘩してしまったら
既に喧嘩が起こってしまっている場合、なんらかの対策をしなければ、いずれかはいじめられている方が飛び出しや怪我からの病気で大事に至ってしまうかもしれません。
有効な対策をいくつか紹介します。
水槽を大きくする
これは条件が限られるためあまり現実的ではないですが、最も有効な方法です。
生体のサイズにもよりますが、60cmワイド水槽以上の大きさの水槽ならば、喧嘩は防げると思います。
また、万が一喧嘩が起こってしまっても水槽が大きければ、やられるほうが逃げ切ることができます。
下のツイートの映像はサンシャイン水族館で私が撮影したものです。
本人たちは必死なんだろうけど…
ただただかわいい🥰🥰🥰🥰🥰 pic.twitter.com/bloX5M3U8f— りるたき@海大好き大学生 (@rirutaki_sakana) July 26, 2021
この映像では大きなハタタテハゼが小さなアケボノハゼを追い回していますが、水槽が広いため最後までアケボノハゼがダイレクトアタックを加えられることなく逃げ切れています。
それにしてもずーっと追いかけるあたり、ここのハタタテハゼは縄張り意識が強いですね…(笑)
ここまで水槽が大きくなくても、やられる側がダイレクトアタックを食らう前に隠れ家に入れればOKなわけです。
我が家のようにスペースが確保できればそもそも喧嘩しなくなる可能性も十分にあるため、水槽を大きくするのは最も有効な手段です。
レイアウトをリセットする
レイアウトをリセットして、再びそれぞれの隠れ家やテリトリーを作り直させることで、喧嘩の元となるテリトリーの重複を是正します。
ライブロックの追加などで隠れ家を増やしてやるのも良いでしょう。
お互いのテリトリーが調整され、お互いの視界にお互いが入らないようにすれば喧嘩はなくなります。
どちらかを隔離する
基本的にはいじめている方を隔離します。
いじめている方を隔離することで、いじめられている方が水槽になれるための時間を設けます。
隔離は、一般的な外掛けフィルターや、スドーのサテライト、水作のフロートボックス、アズーのミニフィッシュハウスなどで行います。
私の水槽でハタタテがアケボノにいじめられた際は、ハタタテが他の魚からもプレッシャーを受けているようで、尾びれが切れてしまっていたためハタタテを隔離療養しました。
もしいじめなどで尾びれや背びれが切れてしまっても、基本的にはしばらくすれば元に戻るので心配いりません。
我が家のハタタテも2週間ほどで、切れて三日月状になってしまった尾びれが元の形に戻りました。
ただ、傷口からの細菌の侵入などには気をつけなければならないので、必要に応じてバクテリア剤の添加などで水槽の水質を安定させたり、別に隔離バケツなどを用意してグリーンFゴールド顆粒を用いて薬浴するなどの対応をとると良いです。
▼おすすめのバクテリア剤。水質がとても安定します。
▼細菌由来の病気対策に有効なグリーンFゴールド顆粒。海水の比重を低めに設定し、規定量の半分を使って薬浴します。
水槽を仕切って分けてしまう
混泳魚が多かったり水槽が小さかったりする場合にはやりづらいですが、水槽用のセパレーターを用いて両者の生活スペースを仕切って物理的に分けてしまうという手段もあります。
景観には影響しますが、リスクゼロの確実な方法です。
タンクセパレーターです。この商品では60cm以下の水槽なら、切って大きさを調整できます。
代表的な対策例はこんなところです。状況に合わせて対応すると◎ですね。
まとめ
*ハタタテハゼとアケボノハゼの混泳は、条件次第では可能
*水槽を大きくする(生体のサイズによるが60cmワイド以上)
*隠れ家を多めに用意する
*喧嘩してしまったらレイアウトリセットや、どちらかの隔離、セパレーターでの対策がおすすめ
*怪我をしたようなら大事をとって薬浴が安定
アケボノハゼとハタタテハゼの混泳は一般的には成功しづらいですが、うまく条件を整えてあげると意外とすんなりいったりします。
参考にしていただけると嬉しいです。