今回は非常に美しい見た目を持つ「ホムラハゼ」の飼育法と注意点をご紹介します。
本記事で分かること
・ホムラハゼの特徴
・飼育に必要な環境
・飼育法
・飼育の注意点
ホムラハゼの飼育まとめ
ホムラハゼの飼育について簡単にまとめてみました。
水槽の大きさ | サテライト~ |
---|---|
環境変化に強いかどうか | 強い |
水温 | 25℃ |
食性/おすすめエサ | 肉食性(プランクトン食)/ワラワラ |
性格 | おくびょう |
魚との混泳の相性 | 他種:捕食してくる種でなければ可 同種:不明 |
サンゴとの相性 | 非常に良い |
特記事項 | でかい水槽に入れるとどこに行ったか分からなくなる |
総合飼育難易度 | ★★☆☆☆ |
これらについてこの先でお話ししていきます。
ホムラハゼの特徴
見た目
大きさは非常に小さく最大でもで3センチほどになります。
身体は「焔(ほむら)」にも例えられるような煌びやかなオレンジ色のヒレを持っていて、地面を這うように活動します。
よく販売されているのは数センチ程度の個体です。
性格
我が家の子はかなり臆病で、人の顔が見えるとすぐ巣に帰ってしまいます。
でもそーっと近づくと、地面を這うように元気に進んでいる様子を見ることができます。
▼こちらの動画は私とは全然関係ない自然界のホムラハゼなのですが、かわいく動き回っているのでご紹介します!
購入する
ホムラハゼは海水魚を販売しているショップや通販などで購入できます。
入荷はちょくちょくあり、ある程度ショップ(ネットも含めて)を巡回していればいずれ見つかるでしょう。
値段は1匹3000円から1万5000円ほどと幅があります。ハゼの中では高価な部類です。
ホムラハゼの飼育について
必要な水槽の大きさ
大きさは最大で3cmほどになのですが、このお魚を飼育するうえでの注意点がひとつあります。
それは…
でかい水槽に入れるとどこにいるのかわからなくなる
ことです!
このお魚はとても小さいうえ、自然界ではサンゴ岩の隙間や下などに生息するので、水槽内でも大体の場合はライブロックの裏にお気に入りの場所を決めて生活します。
この場所がマジでわからないのです。
たまに長距離お散歩もしますが、90cm水槽とかではそのお散歩中にたまたま見かけて「3か月ぶりに見た!」なんてこともざらです。
なのでコンスタントに姿を見たければ「頑張って巣の位置を特定する」か、「そもそも大きな水槽に導入しない」ことがおすすめです。
我が家では45cm水槽の横にサテライトをつけて、その中に底砂を敷いて小石を転がらせた環境で飼育しています。
まあまともに観察できるのはせいぜい30cm水槽くらいまででしょう。そのサイズでもなかなか目にすることはできないと思います。
エサ
ホムラハゼは自然界では小型のプランクトンを食べているようですが、水槽内でははっきり言って何を食べているのかわかりません。
我が家で与えたエサの中で、確実に食べていることを確認できたのは孵化させた生きブラインシュリンプのみです。
人工エサや冷凍エサ(アダルトブライン、コペポーダ)も与えてみましたが、食べているのは確認できませんでしたね(知らないうちに食べている可能性はあります)。
一応、日本語の情報のほか海外のサイトなども確認するとホムラハゼは「冷凍エサを食べる」「人工エサにも餌付く」となっているパターンが多いです。
コレは個体差なのかもしれません。
ただぶっちゃけた話、立ち上げてからある程度期間がたっていてヨコエビやゴカイなどのいわゆる「ワラワラ」が湧いている水槽なら、ホムラハゼは勝手にそれを食べて元気に過ごします。
ジッサイ我が家でもホムラハゼの導入後、一度シュリンプさんのワラワラを追加したほかには粒エサを週2くらいで落としていた(食べてたかわからない)だけで2か月ぐらいは痩せることもなく飼育できています。
そのためワラワラが湧いている水槽ならエサはたまに孵化ブラインを与えるくらいで十分飼育できると思います。
ワラワラが湧いていない水槽では、シュリンプさんや横海老屋さんなどのワラワラを追加するか、孵化ブラインを週何回か与えるなどするのがいいかもしれませんね。
▼シュリンプさんのワラワラは新鮮な生き餌としても、水槽の環境安定のためにもおすすめ!
混泳について
他種混泳について
基本的にフィッシュイーター(肉食のエビなども含む)でなければ可能です。
ホムラハゼは小さすぎるうえに隠れ家も持っているので、ほかの魚に相手にされることはありませんし、ホムラハゼ自身も自由気ままに安全な領域をふらふらしています。
そのためそこまで心配はいらないと思います。
同種混泳について
自然界では単独かペアで生息するお魚です。
ペアより多く(3匹以上)での飼育は喧嘩してしまう可能性がありおすすめしません。
ただそもそもの大きさが小さいお魚なので、60cm水槽などのある程度大きい水槽なら3匹以上入れても問題は起こらないかもしれません。
サンゴとの混泳について
基本的に可能です。
ただサンゴが密にレイアウトしてある水槽だと確実にホムラハゼを見つけられなくなるので、そういう意味ではある程度さっぱりした水槽のほうが向いているかもしれません。
環境変化に強い?
ハゼ類の例にもれず丈夫です。
水質の悪化や温度変化などの悪条件・環境変化にも強めです。
ろ過について
丈夫な魚ですので、他の魚が飼育できるくらいの水質が用意できれば問題ありません。
▼水槽のろ過を担うフィルターについてはこちらで詳しく解説しています。
水温について
適切な水温は25℃です!
この値をキープできるように、ヒーターやクーラーで管理しましょう。1日での変化量が大きかったりすると病気になってしまう可能性もあるので、なるべく変化させないようにするのが基本です。
▼水槽用のヒーター・クーラーについてはこちらで詳しく解説しています
飼育の注意点
大きい水槽では見つからなくなるかも
先ほどから書いていることですが、大きい水槽やサンゴが密にレイアウトされている水槽では見つからなくなってしまう可能性もあります。
コンスタントに姿を見たいのであれば小型水槽に導入するか、水槽をすっきりしたレイアウトにすることをおすすめします。
まとめ
*サテライト水槽・隔離ボックス~で飼育できる
*水温は25度が安定
*他種混泳は基本的に可能。同種混泳は大きな水槽でないなら避けたほうが良い
*エサは慣れれば人工エサも食べる可能性もあるが、孵化ブラインやワラワラの投入もおすすめ
*大きな水槽ではどこにいるかわからなくなってしまうかも!
今回はホムラハゼの飼育法と注意点をお話ししました。
ホムラハゼは小型ハゼの最高峰ともいえる本当に美しい種で、ワラワラが湧いている水槽であれば飼育自体も難しくありません。
やや高価なハゼではありますが、皆さんも飼育してみてはいかがでしょうか?
※本記事を執筆するにあたり使用した参考文献
林公義・白鳥岳明(2004)「ハゼガイドブック」CCCメディアハウス
瀬能宏・鈴木寿之・渋川浩一・矢野維幾(2021)「新版 日本のハゼ」平凡社