【ダイビング】ムチカラマツにつく生きもの一覧!〈エビ・カニ・ハゼ〉

rirutaki
悩む人
悩む人
ダイビングで潜った時に、棒みたいに生えてるサンゴ?についてるエビとかの名前が知りたい!

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ハタタテ
ハタタテ
ムチカラマツのことだね!確かにムチカラマツを住みかにしてるエビなどの生きものはたくさんいるから、紹介していくね!
本記事で分かること

・ムチカラマツとは
・ムチカラマツを住みかにする生きものたち

ムチカラマツとは?

写真に枝のように映り込んでいるのがムチカラマツ

ムチカラマツ」は六放サンゴ亜綱ツノサンゴ目に属するサンゴです。

六放サンゴ亜綱はサンゴ礁を作るタイプの「イシサンゴ目」を含む仲間なので、ムチカラマツはれっきとしたサンゴの仲間です。しかしムチカラマツはサンゴ礁を作ることはありません。

伊豆の海からサンゴ礁域まで広い海域に生息し、伊豆では水深15mくらいから観察できる印象です。

ムチカラマツの群体上には様々な生きものが住み着いている

ムチカラマツは地面から1本で生えるように成長しますが、その表面には無数のポリプ(サンゴの1個体。イソギンチャクみたいなもの)が生えています。

ムチカラマツはそのポリプで流れてくるプランクトンを捕まえて食べることで生きています。植物ではなく、ちゃんと食事をする「生きもの」なんです。

そしてムチカラマツの上には、エビをはじめとする様々な共生生物が住み着いています。このような生きものが住み着く基盤となる生きものを「ホスト」ともいいます。

ハタタテ
ハタタテ
サンゴ、イソギンチャク、ウミシダ、ガヤ、ウニ、ヒトデ、ナマコ…海にはたくさんの「ホスト」となる生きものがいるよ!
アケボノ
アケボノ
ホストを探して目的の生きものを見つける…マクロダイビングの醍醐味だねえ

ムチカラマツに住む生きものたち

ムチカラマツエビ Pontonides cf. loloata

阿嘉島 2025.10

ムチカラマツエビ」はその名の通りのムチカラマツに住むエビで、写真のようにペアで観察できることも多いです。

ムチカラマツをサーチすると一番よく見つかるエビで、ムチカラマツの色に合わせてムチカラマツエビの色も白から黄色までいます。

伊豆海洋公園 2025.08

ムチカラマツエビは日本に数種類いることが報告されており、今後の研究で今まで「ムチカラマツエビ」だと思っていたものが別種になる、なんてことがあるかもしれません。

研究の進展が楽しみですね!

アケボノ
アケボノ
ムチカラマツをホストとするエビの代表格だね!

生息地:南日本、インド・西太平洋

ビシャモンエビ Dasycaris zanzibarica

大瀬崎-先端 2025.11

ビシャモンエビエビ」はムチカラマツエビよりもトゲトゲしい見た目をしていて、その見た目を「毘沙門天」になぞらえて名づけられたのでしょう。

かなりカッコいい見た目をしている上に、ムチカラマツに住むエビの中では大きくて見つけやすいので、個人的に好きな種類です。

大瀬崎-先端 2025.11

子供のころはもうちょっとスラっとしており、大人のメス(ビシャモンエビはメスの方が大きい)のトゲトゲしい感じとは異なります。

ムチカラマツエビよりは生息数は少ないですが、ムチカラマツを丁寧に探していけば十分に見つけられます。

ハタタテ
ハタタテ
見つけられるとちょっとうれしい

生息地:南日本、インド・西太平洋

キミシグレカクレエビ Dasycaris zanzibarica

大瀬崎-先端 2025.11

キミシグレカクレエビ」はムチカラマツエビとビシャモンエビによく似ています。

キミシグレカクレエビに比べると、ムチカラマツエビは背中に大きな突起がなく、ビシャモンエビはハサミ脚が短く、全体のフォルムがよりトゲトゲしいので、海中でも見分けることは可能です。

ムチカラマツエビやビシャモンエビよりもかなり個体数が少ないので、観察できる機会は限られます。

アケボノ
アケボノ
探してもなかなか見つからない…でも見つけたときの喜びはひとしおだね

生息地:伊豆半島以南、インド・西太平洋

ウミカラマツエビ Anachlorocurtis commensalis

大瀬崎-先端 2025.11

ウミカラマツエビ」はその名の通りウミカラマツによく住んでいるエビなのですが、先日のダイビングでムチカラマツに住んでいる姿を見つけました。

1本で育つムチカラマツと違い、ウミカラマツはホウキのように枝が広がるサンゴです。なんとなく枝がたくさんある方が安全な気がするので、本来の生息地であるウミカラマツではなくわざわざムチカラマツを選んでしまったこの個体は何を考えたのでしょうか…?

でもこのような発見があるのも、ダイビングの楽しみかもしれません。

ハタタテ
ハタタテ
ウミカラマツにつく個体とムチカラマツにつく個体の比率や大きさを比較してみたいなあ

生息地:本州中部以南

イボイソバナガニ Xenocarcinus tuberculatus

大瀬崎-先端 2025.11

イボイソバナガニ」は「イソバナ」の名は持ちますが、イソバナではなくムチカラマツやネジレカラマツなどのサンゴに生息するカニです。

その長い脚でムチカラマツをぎゅっと掴んで、ポリプに体をうずめている姿がかわいらしいです。

大きさもそこそこ大きく、さらに長い角まで持つので撮りがいがあってお気に入りの生きもののひとつです。

アケボノ
アケボノ
ビシャモンエビなどと同じく生息数は多くないから、丁寧に探していこう!

生息地:相模湾以南の南日本、インド・西太平洋

ガラスハゼ Bryaninops yongei

大瀬崎-湾内 2022.11

ガラスハゼ」はムチカラマツをホストとして住むハゼで、英名はWhip coral goby。Whip coralはムチカラマツのこと、gobyはハゼのことなので、なんと英名をそのまま訳すと「ムチカラマツハゼ」になります。

伊豆でも沖縄でもとてもよく観察でき、ムチカラマツの2本に1本には住んでいる姿を見かけるくらい生息している印象です。

ガラスハゼの仲間には見た目のよく似た複数種が存在していますが、ホストによってある程度住み分けがあり、伊豆の海でムチカラマツに生息するのは大体この「The・ガラスハゼ」です。

ただのガラスハゼでも、無限の撮影方法があって楽しい。大瀬崎-湾内 2022.11

とてもよく見るのであまり顧みられない種類ではありますが、透明な体、青抜き・黒抜き写真を撮りやすい生息環境など、かなり撮影の極めがいのある種類です。

ガラスハゼ撮影の道のりは長そうです。

アケボノ
アケボノ
ガラスハゼだけの写真展とかあっても楽しそう!
卵を守るガラスハゼ。ムチカラマツについている半透明の粒々がガラスハゼの卵。柏島 2024.11

実は結構ちゃっかりしており、卵を産むときはホストのムチカラマツのポリプを剥いでしまい、その上に産卵します。

これはサンゴの上に住むハゼに共通する特徴で、ポリプをそのままにしていると卵をポリプに食べられてしまうことへの対策と考えられます。

ハタタテ
ハタタテ
進化っておもしろい!

生息地:伊豆諸島、千葉県~屋久島、琉球列島、インド・太平洋

まとめ

*ムチカラマツはサンゴの仲間
*ムチカラマツにはたくさんの生きものが住んでいる!

今回はムチカラマツに住んでいる生きものをご紹介しました。

どの種類も特徴があっておもしろいですし、何より自分でサーチして見つけられた時の喜びはとっても大きいです!

皆さんもぜひ探してみてください!!

※本記事を執筆するにあたり使用した参考文献

峯水亮(2013)「サンゴ礁のエビハンドブック」文一総合出版
加藤晶一・奥野淳兒(2001)「エビ・カニガイドブックー伊豆諸島・八丈島の海からー」ティビーエス・ブリタニカ
川本剛志・奥野淳兒(2003)「エビ・カニガイドブック2ー沖縄・久米島の海からー」阪急コミュニケーションズ
鈴木寿之・渋川浩一・矢野維幾(2021)「新版 日本のハゼ」平凡社

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本サイトをご覧頂きありがとうございます。 本サイトは現役大学生のりるとたきの2人で運営しております。 「海」に魅了された2人がみなさまのお役に立てるような記事をお送りできればと試行錯誤の日々です。
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