例えば海水水槽においてはハゼ類やベラ類など、飛び出しの危険性がある魚を飼育するときは水槽の蓋が必須ですよね。
今回はそんな蓋をアクリル板から作る方法を解説していきます。
▼なお、水槽に蓋をするメリットについてはこちらで解説しています。
本記事で分かること
・水槽付属の蓋の問題
・アクリル板で蓋を作るメリット
・アクリル板で水槽の蓋を作る方法
水槽付属のフタの問題
水槽の蓋は魚の飛び出しの防止のために必須です。したがって水槽にはもともと蓋が付属していることも多いのですが、それには問題もあります。
付属の蓋には隙間がある!
実は水槽に元から付属している蓋にはこのように↓隙間があることが多いです。
このような蓋は水槽に物が落ちるのを防止したり、水の蒸発量を減らしてくれる分には十分機能しますが、飛び出し防止という面では少し心もとないです。
実際、私は水槽の蓋の隙間からデバスズメダイが飛び出して★になってしまったことがあります。
したがって、どうにかしてこの隙間をふさぐ必要があります。
そんな時におすすめなのが、アクリル板で水槽の蓋を作ってしまう方法です。
アクリル板で蓋を作るメリット
形や大きさが自由で隙間をふさぎやすい
アクリル板で水槽の蓋を作るメリットは、まず何よりも形や大きさが自由自在なことです。
例えば水槽に後から外掛けフィルターをかけたいときにピッタリなガラス蓋では対応できません。
しかしアクリル板であれば、後から自分で切断して水槽に設置したいものに合わせて形や大きさを変えることができます。
軽い・割れにくい
アクリル板は同じ大きさのガラスよりも軽く、しかももし落としてしまっても簡単に割れる心配がありません。
総じてメンテ時や表面を拭きたいときなどの扱いやすさがガラスよりも圧倒的に上です。
透明度が高い
商品にもよりますが、実は光の透過率が普通のガラスよりも高いです。
水草やサンゴなど光を必要とする生体を飼育している場合、この違いは大きいといえます。
このように、アクリル板で水槽の蓋を作るメリットは多く、「水槽の蓋が欲しい」というときにはアクリル板で作るというのは理にかなった方法なんです。
アクリル板で水槽のフタを作る方法
道具を用意する
まずは必要な道具を用意します。必要な道具は以下の3つです。
必要な物
・アクリル板
・アクリルカッター
・カッターマット
・定規
アクリル板
当然ですが、まずは水槽の大きさに合わせて、作りたい大きさよりも大きなサイズのアクリル板をホームセンターや通販などで入手しましょう。
例えば底面積が30×30cmの水槽であれば30×30cm以上の大きさのアクリル板が必要です。水槽の大きさに対して適切な大きさのアクリル板がない場合、小さいものを複数組み合わせるいう方法もあります。
また薄さに関しては3~5mm程度のもので構いません。
さらに、水槽で水草やサンゴなど光を必要とする場合、なるべく光の透過率の良いものを選択しましょう。透過率はラベルに記載してあります。名前に【透明】と書いてあれば大体は問題ありません。
おすすめはこちらのアクリルサンデーEX板です。
この商品の大きさはA3(42×30cm)です。30cm水槽から60cm水槽(2つ使って)まで対応できるので、この大きさが万能でいいですね。ちょっと工夫すれば60cmワイド水槽や90cm水槽まで行けそうです。
透過率はガラスよりも高く、変形しずらいです。
実際使っていても、少し反るのは感じられましたが、蓋としての機能を失うほど反ってしまうことはありませんでした。
アクリルカッター
アクリル板を切るために必要です。ホームセンターや通販などで入手できます。
特に条件はなく、アクリルカッターと銘打たれているものなら何でも構いません。
おすすめは私も使っているこちらです。安価ですが十分に機能を果たしてくれますよ。
カッターマット
必須ではないですが、床を保護するためにあったほうが良いです。百均のもので構いません。
切る際に結構な勢いをつけて「ギーッ」とカッターを引く必要があるので、勢い余って手前側の地面にカッターが「ガッ」っと引っかかってしまう可能性大です。
実際私もカッターマットを引いてなかったら何度も床を傷つけていたので、個人的には用意することをおすすめします。
定規
切る長さの目安を付けるためと、まっすぐ切れ込みを入れるために必要です。
30cm以上の長さがあるとやりやすいですが、家にあるもので構いません。
切断する
ここからは実際に切断していきます。
今回切るのは、以前使ったアクリル板の余りの端材です。大きさは70×25cmくらい。底面積30×30cmの水槽に使うために切っていきます。
大きさの目印をつける
まずはペンなどで大きさの目印をつけます。
このとき、アクリル板を切るべき大きさは水槽のサイズよりも小さいことに注意してください。
水槽には水槽の壁のガラスやアクリルの厚さがあるので、その分水槽の内側の大きさは小さくなります。
例えば底面積が30×30cmでガラスの厚さ5mmの水槽では、実際の水槽の内側の四角形の大きさは29×29cmとなります。
なので、ガラスの厚さを考慮したうえでさらに余裕をもって1cm程度小さく切ることをおすすめします。
したがって、上記の水槽では28×28cmくらいの大きさにアクリル板を切ることをおすすめします。
その長さを定規やメジャーで測って目印をつけましょう。
今回は板の幅が25cmしかありませんが、水槽奥に外掛けフィルターをつけたいのでこの大きさでちょうどよいです。28×25cmの大きさで作っていきます。
切り込みを入れる
次にアクリルカッターでアクリル板に切り込みを入れていきます。
まずは定規に沿って印をつけたところに慎重に切り込みを入れていきます。
慎重にやらないとずれて意図しない方向に傷をつけてしまうかもしれませんので、定規に沿ってやると安全です。
慎重といってもそこそこの力をかけてカッターを引く必要があります。
こんな感じで、カッターのとがっているほうを突き立てるようにして、自分のほうに引くように切り込みを入れていきます。
ある程度まで切り込みが入ったら、すでに入っている切り込みに合わせてさらに深く削るように力を入れて一気に引きます。この時に床を傷つけやすいので、こんな風に終わり際にカッターマットを敷くとよいです。
また、板の両端は切り込みが甘くなりやすいので注意して重点的に切り込みを入れます。
写真にも見えるように糸くずのようなゴミが出るので、ゴミ袋を用意しておくと便利です。
割る
ある程度の深さまで切り込みが入ったら、その切り込みに沿って「ぱきっ」と割ります。
切り込みの深さの目安は板の厚さの3分の1程度です。
しかし万が一切り込みが甘いと予想だにしない割れ方をしたりするので、こんな感じで切り込みは半分くらいの深さまで入れるのが安心ですね。
ちゃんと切り込みが入っていれば切り込みに沿ってとても簡単に割れます。
完成
これで完成です。作業時間は15分くらいでした。
実際に水槽に置いてみた
実際に水槽に置くとこんな感じです。横幅はぴったりですね。
後ろの隙間も外掛けフィルターを置くのにちょうどよさそうです。
まとめ
*アクリル板は通販などで購入可能
*アクリルサンデーEX板がおすすめ
*アクリル板による水槽蓋にはメリットがいっぱい
*作るのは簡単
*隙間なく蓋をしたい人におすすめ
以上がアクリル板による水槽の蓋の作り方です!
水槽の蓋が欲しいというときに、アクリル板は必ずやあなたの助けになってくれますので、是非おすすめしたい方法です。
また、今回は直線にしか切っていませんが、切り込みの入れ方次第で段々の形に作ることもできます。
「この部分だけ切り取りたい!」ということも可能ですのでそんな時にもおすすめです。